コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

一剪梅 (曲)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
一剪梅
費玉清楽曲
収録アルバム長江水
リリース1983年4月 (1983-04)
録音1983年
ジャンルマンドポップ英語版
時間3:43
レーベル東尼機構 (Tony Wang)
作曲者陳信義(陳怡)
編曲 陳志遠中国語版
作詞者陳玉貞中国語版(娃娃)
言語中国語
プロデュース陳俊辰
その他収録アルバム
天之大(2010年)
一剪梅
各種表記
繁体字 一剪梅
拼音 Yī jiǎn méi
日本語漢音読み いちせんばい
英文 Yi Jian Mei
テンプレートを表示
費玉清(2012年)
雪の中のの木

一剪梅(いちせんばい)[注釈 1]は、台湾の歌手・費玉清マンドポップ英語版の楽曲である[1][2]。1983年のアルバム『長江水』 (Water of the Yangtze River) に収録されたのが初出で[3]、2010年のアルバム『天之大』 (Boundless Love) に別バージョンが収録された[4]

この曲は、冬のの木を「苦難を乗り越えて貫く愛」の例えとして歌ったラブソングであり、費玉清の代表曲とみなされている[2]。1980年代から中華圏で人気があり、不朽の名曲とされている[1][2]。1984年に台湾の中国電視公司 (CTV) 制作のテレビドラマ『一剪梅英語版』の主題歌に採用された[1]

2020年初頭、この曲の一部を歌う男性の自分撮り動画がインターネットで流行してインターネット・ミームとなり、様々なパロディ動画が制作された[5]

背景

[編集]

この楽曲は1983年のアルバム『長江水』で初めて発表された。元々は台湾のテレビドラマ『辺城夢回』の主題歌として企画された[3]。このドラマは放送されなかったが、翌1984年のテレビドラマ『一剪梅英語版』の主題歌に採用され、台湾の人々の間に広く知られるようになった[6]

このドラマは1988年に中国中央電視台 (CCTV) で放送され、中国本土でもこの楽曲と費玉清が人気となった。中国本土で2009年にドラマ『一剪梅』のリメイク版『新一剪梅』が霍建華主演で制作され、こちらでもこの楽曲が主題歌となった[7]

2019年、北京で活動する台湾出身の歌手・陳彼得中国語版(ピーター・チェン)がCCTVの中秋節の音楽番組でこの曲を歌った[8]。同年、引退を発表していた費玉清は、11月7日に台北アリーナで開かれた最後の公演でこの曲を歌った[9]

インターネットミーム化

[編集]

2020年1月、北京を中心に活動する俳優・映画監督の張愛欽が、大雪に覆われた公園を一人で歩きながら、この曲の一節を音程を外しながら歌う姿を自撮りしたショート動画を動画共有サイト快手」 (Kuaishou) に投稿した[1][2]。張愛欽は特徴的な卵型の禿頭であることから、"Eggman"(卵男)や"Duck Egg"(アヒルの卵)というあだ名で呼ばれている[1]。張愛欽の快手での利用者名は「蛋哥」(卵兄さん)である[2]

同年5月、この動画がTikTokにアップロードされ、世界的な人気となった[2]。これにより、『一剪梅』はノルウェー、スウェーデン、フィンランド、ニュージーランドなどでSpotify Viral 50チャートにランクインした[2]

『一剪梅』は、張愛欽の動画で歌われていた部分の歌詞のピンイン表記で"Xue hua piao piao bei feng xiao xiao"とも呼ばれるようになり、YouTube Musicなどの音楽ストリーミングサービスにおける『一剪梅』のタイトル表記は、歌詞の一部を含む"Yi Jian Mei (Xue hua piao piao bei feng xiao xiao)" に変更された[10]

その数か月前の2020年1月に引退していた費玉清[1]は、この曲が突然世界的に人気になったことについて「光栄に思う」と述べたが[2]、これで歌手として復帰するつもりはないとも強調した[11]

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ アルバム『長江水』収録時の楽曲名は「一翦梅」であり、これは詞牌一翦梅中国語版」から取られたものである。その後、1984年の台湾ドラマ『一剪梅英語版』の主題歌に採用されたことから、この曲自体も『一剪梅』と表記されるようになった。

出典

[編集]
  1. ^ a b c d e f Fang, Tianyu (17 June 2020). “A 37-Year-Old Mandarin Song is Now a Global TikTok Sensation” (英語). Radii China. 4 September 2024時点のオリジナルよりアーカイブ30 June 2020閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h How a hit Chinese song from the 80s became a global meme”. South China Morning Post (16 June 2020). 21 April 2022時点のオリジナルよりアーカイブ20 June 2020閲覧。
  3. ^ a b Fei Yu-ching (April 1983). 長江水 [Water of the Yangtze River] (Music album). Taiwan: Tony Wang Company Limited.
  4. ^ Fei Yu-ching (April 2010). 天之大 [Boundless Love] (Music album). Taiwan: Sony Music Entertainment Taiwan Ltd.
  5. ^ How a hit Chinese song from the 80s became a global meme”. South China Morning Post (16 June 2020). 21 April 2022時点のオリジナルよりアーカイブ26 December 2020閲覧。
  6. ^ “費玉清《一剪梅》 突爆红歐美” (中国語). United Daily News. (17 June 2020). オリジナルの4 September 2024時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20240904202407/https://www.zaobao.com.sg/zentertainment/music/story20200617-1061863 1 July 2020閲覧。 
  7. ^ 陳穗樺 (14 June 2020). “《一剪梅》在歐美爆红! 因為一句歌詞” (中国語). 僑報網. オリジナルの22 June 2020時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20200622000000/http://www.uschinapress.com/2020/0614/1187398.shtml 1 July 2020閲覧。 
  8. ^ [2019中秋晚會歌曲《一剪梅》 演唱:陳彼得]” (中国語). 央視網. 26 November 2021時点のオリジナルよりアーカイブ1 July 2020閲覧。
  9. ^ 陳秉弘 (8 November 2019). “費玉清告別演唱會 跨世代好歌經典重現” (中国語). Central News Agency. オリジナルの3 December 2020時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20201203041638/https://www.cna.com.tw/news/firstnews/201911070379.aspx 1 July 2020閲覧。 
  10. ^ YouTube Music – Yi Jian Mei (xue hua piao piao bei feng xiao xiao)” (英語). YouTube Music (21 May 2022). 21 May 2022時点のオリジナルよりアーカイブ21 May 2022閲覧。
  11. ^ 王郁惠 (17 June 2020). “費玉清「一剪梅」夯成歐美流量大神 經紀人曝退休近況” (中国語). United Daily News. オリジナルの8 March 2022時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20220308174321/https://stars.udn.com/star/story/10092/4642240 1 July 2020閲覧。 

外部リンク

[編集]