一畑電気鉄道5000系電車
一畑電気鉄道5000系電車 | |
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5000系電車 (2013年4月13日) | |
基本情報 | |
運用者 | 一畑電車 |
種車 | 京王5000系 |
製造年 | 1967年 |
導入年 | 1998年 |
総数 | 2編成4両 |
主要諸元 | |
軌間 | 1,067mm |
電気方式 |
直流1,500V (架空電車線方式) |
一畑電気鉄道5000系電車(いちばたでんきてつどう5000けいでんしゃ)は、一畑電車に分社される前の一畑電気鉄道が1998年(平成10年)に新規導入した急行形車両である。
概要
[編集]一畑電気鉄道(現:一畑電車)による車両近代化の方針に関する一環として、1998年(平成10年)に登場した。デハ5000形 (Mc1) - デハ5100形 (Mc2) の2両編成2本の計4両が在籍する。本系列の導入により、一畑電気鉄道の全定期列車の近代化が完了している。本系列は2100系と同じく京王5000系を京王重機整備にて改造したうえで譲受した車両であるが、出雲大社方面への観光輸送を重視した車両であるため、外観・内装は2100系とまったく異なる[1][要ページ番号]。
車体
[編集]塗装は在来車両から一新し、出雲平野の雲をイメージとした白をベースとして、屋根と車体裾部分には宍道湖をイメージとした青、前面窓周りと車体下部には出雲大社厳粛の趣である黒が配色されている[1]。
前面は貫通扉が埋められて非貫通形になっており、前照灯は2灯式から1灯式に変更され、元の標識灯は撤去されて丸形のものが新設された。行先表示器があった場所には羅針盤を模したヘッドマークが取り付けられ[1]、行先表示器は助手席側窓の上側に設置された。ワンマン運転用としてサイドミラーも設置されている。側面は2100系2103・2104編成と同様、中央の扉が埋められて2扉となっている。
内装
[編集]内装は当初青を基調とし、座席は車端部とドア付近を除いてクロスシートに改装された。クロスシートは運転台に向かって左側に1人掛けの転換式クロスシート、右側に2人掛けの回転式クロスシートとなった。回転式クロスシートは廃車になった小田急3100形 (NSE) のシートを流用し、この部分の吊革は撤去した。車内天井には出雲の神話にまつわるイラストが描かれていた。各車同様、ワンマン運転用として連結面側の側扉付近に乗車整理券発行器、運転台後部に運賃表示機と自動両替機付運賃箱、連結面に防犯カメラを設置した。
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車内
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座席は小田急3100形NSE車から流用
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運転台後部
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運転席
木質化改装車
[編集]2013年(平成25年)、当車両の木質化改装が島根県産木材の需要拡大を目的に制定された「島根県森林整備加速化・林業再生事業費補助金」の平成25年度事業として採択された。2014年より5009編成(デハ5009 - デハ5109)が後藤工業にて木質化改装工事を受け[2]、同年7月14日より営業運転を開始した。この改造にて座席はボックスシート化されており、各座席を杉のパーテーションで区切られている[3][4]。外装は改造前と同じカラーを採用している[2]が、前面には木材を使用した「しまねの木」と書かれたヘッドマークを装着している。2021年(令和3年)には、デハニ50形を模したオレンジを下地に白帯の入るカラーリングに変更された。
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5009編成・木質化改装車
「しまねの木」 -
5009編成の車内
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5009編成の座席
機器類
[編集]京王線の軌間は1372mm、一畑電車の軌間が1067mmと幅が異なっていることから、改軌のために台車を帝都高速度交通営団(現・東京地下鉄)3000系から流用したFS510に履き替える改造を行った。そのほか、一畑電車向けに京王重機整備で行われた機器類の改造内容は2100系と同一である。冷房装置は分散式のRPU-2203AJをデハ5000形に3基(パンタグラフ設置のため連結面の1基を撤去)、デハ5100形に4基搭載している。
運用
[編集]かつては平日朝の特急「スーパーライナー」と、休日の急行「出雲大社号」および電鉄出雲市 - 出雲大社前間の特急で運用されていたが、2100系2104編成「ご縁電車しまねっこ号」登場後は同運用から撤退した。現在は他車との共通運用に就いている。非貫通であるため、4両編成では前後の車両を行き来することはできない。
車両一覧
[編集]車番末尾は2100系・3000系の追番で9・10となっている。
一畑での車番 | 京王時代の車番 | 入線時期 | 備考 | ||
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デハ5009 | デハ5109 | クハ5715 | クハ5765 | 1998年(平成10年)9月24日 | |
5010 | 5110 | 5717 | 5767 | 1998年(平成10年)9月24日 | 2025年1月13日 退役予定[5] |
今後の予定
[編集]令和7(2025)年以降、新造される8000系に置き換えられることにより、廃車となる予定である[6]。
脚注
[編集]- ^ a b c 『鉄道データファイル』民鉄の車両「一畑電気鉄道」
- ^ a b “一畑電車(株)殿”. 後藤工業株式会社. 2019年3月29日閲覧。
- ^ “一畑電車で木質化改装電車のお披露目式典”. 鉄道ニュース. (2014年7月14日)
- ^ “5000系車両の室内木質化を行いました。”. 一畑電車. (2014年7月25日). オリジナルの2014年9月10日時点におけるアーカイブ。
- ^ ありがとう、さようなら…「出雲にきて26年、たくさんの思い出をありがとう」5010号・5011号引退イベント開催(告知) - 一畑電車 2024年10月10日
- ^ 令和6年度新造車両の導入について - 一畑電車 2024年12月3日