三塩化ホウ素
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三塩化ホウ素 | |
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Boron trichloride | |
別称 塩化ホウ素(III),塩化ホウ素 | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 10294-34-5 |
PubChem | 25135 |
ChemSpider | 23480 |
UNII | K748471RAG |
EC番号 | 233-658-4 |
RTECS番号 | ED1925000 |
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特性 | |
化学式 | BCl3 |
モル質量 | 117.17 |
外観 | 無色液体,空気中で発煙 |
密度 | 1.43 (0 °C) |
融点 |
−107.3 °C |
沸点 |
12.5 °C |
水への溶解度 | 加水分解 |
構造 | |
分子の形 | 平面三角形 (D3h) |
双極子モーメント | 0 |
危険性 | |
Rフレーズ | R14-R26/28-R34 |
Sフレーズ | (S1/2)-S9-S26-S28-S36/37/39-S45 |
引火点 | なし(不燃性) |
関連する物質 | |
その他の陰イオン | 三フッ化ホウ素 三臭化ホウ素 三ヨウ化ホウ素 |
その他の陽イオン | 三塩化アルミニウム 三塩化ガリウム |
関連物質 | 三酸化二ホウ素 四塩化炭素 |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
三塩化ホウ素(さんえんかホウそ、英: boron trichloride)は化学式はBCl3で表される無機化合物である。常温において強い臭気のある無色の気体であり、単体のホウ素やホウ素化合物の製造に使用される。また、有機合成におけるエーテル結合の開裂反応、ケイ酸塩の分解および鋼の共溶媒としても使用される。
調製
[編集]ホウ素をハロゲンと反応させると、対応する三ハロゲン化ホウ素が生成する。しかし工業的には、三塩化ホウ素は炭素の存在下、酸化ホウ素を500 ℃にて塩素化することによって製造される。
- B2O3 + 3 C + 3 Cl2 → 2 BCl3 + 3 CO
実験室的製法としては、三フッ化ホウ素と塩化アルミニウムのハロゲン交換反応を利用する[1]。
構造
[編集]BCl3は、他の三ハロゲン化ホウ素と同様に三角平面分子であり、175pmの結合長を持つ。B-Cl間の距離が短いことを説明するために、ある程度のπ結合が提案されているが、その程度については議論がある。[1]
BCl3は、AlCl3やGaCl3が4配位または6配位の金属中心を持つ二量体やポリマーを形成する傾向と対照的に二量化しない。 三ハロゲン化ホウ素の混合物のNMR研究では混合ハロゲン化物の存在が示されている。
参考文献
[編集]- ^ a b Greenwood, Norman N.; Earnshaw, Alan (1997). Chemistry of the Elements (2nd ed.). Butterworth-Heinemann. ISBN 978-0-08-037941-8.