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三林輝夫

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三林 輝夫
生誕 (1938-07-02) 1938年7月2日(86歳)
出身地 日本の旗 日本 新潟県
学歴 東京芸術大学
ジャンル クラシック音楽
職業 声楽家テノール
音楽教育
合唱指揮者
オペラ歌手
公演監督

三林 輝夫(さんばやし てるお、1938年昭和13年〉7月2日[1] - )は、日本声楽家テノール)、音楽教育者、合唱指揮者、公演監督

経歴

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新潟県出身[2]。1961年(昭和36年)[3]東京芸術大学音楽学部声楽科卒業、1963年(昭和38年)[3]同校声楽専攻科修了木下保渡邊高之助古沢淑子に師事。デビューは1963年の東京労音オペラフィガロの結婚』でのバジリオ役[3]で、これ以降二期会東京室内歌劇場[2]で数多くのオペラ、オペレッタ、創作歌劇に活躍している。

また、日本におけるフランス歌曲の第一人者[2]として十数回にわたるリサイタルで高い評価を得ている。日本歌曲の演奏でも、その明瞭なディクションと深い表現には定評があり[4]「ビロードのような」と定評のある美しい声を披露してきた[2]

1971年(昭和46年)関西日仏声楽コンクール1位特賞[4]

1973年(昭和48年)には渡欧し、J.ジャンセン、C.モラーヌ、P.ベルナック等に師事した。また、1979年(昭和54年)にはアメリカのプリンストンで催された芸術歌曲フェスティバルに招かれ、日本歌曲によるコンサートで、大好評を博した[3]

1988年(昭和63年)、我が国芸術歌曲の第1号と言われる瀧廉太郎の『荒城の月』をはじめとする日本歌曲を、世界で広く歌われるようにしたいと思い、東京都台東区と共に「日本歌曲コンクール」の設置に尽力し、これを育ててきた[2]

東京芸術大学音楽学部声楽科教授、演奏芸術センター長、二期会副理事長、日本フォーレ協会委員、奏楽堂日本歌曲コンクール運営委員・審査委員長、日本声楽発声学会理事[4]、公益財団法人東京二期会理事、桐朋学園大学音楽学部特任教授[5]などを歴任。 二期会ではオペラ研修所所長を務め、若い声楽家を世に送ってきた。

更に、オペラ制作では、公演監督として新国立劇場においてビゼーカルメンオッフェンバックホフマン物語原嘉壽子『罪と罰』[2]モーツァルト『魔笛[5]など数多くの公演を成功させている[6]

合唱指揮者としては、慶應義塾ワグネル・ソサィエティー男声合唱団[7]東西四大学合唱演奏会合同演奏[8]日本女子大学合唱団[9]、桜楓合唱団[10]ひばり児童合唱団[11]を指揮している。

2020年(令和2年)現在、東京芸術大学名誉教授[2]。二期会会員[12]。日本声楽アカデミー会員[13]

三林の門下生で構成されている声楽家のグループ“三輝会”が組織されており、主催演奏会を開催するなどの活動を行っている[14]。門下生は数多く、辰巳真理恵[15]田大成[16]松村努[17]、小林紗季子[18]、東田枝穂子[18]、嘉村弥生[19]、松原友[20]土屋広次郎[21]、向野由美子[22]、長谷川忍[23]、崔宗宝[24]、榊原哲[25]、東城弥恵[26]菊地美奈[27]、福田清美[28]、吉田伸昭[29]、金見美佳[30]、金持亜実[31]、中村弘人[32]紫園香[33]、遠藤學[34]、半沢健[35]、横畠里奈[36]、鮎澤由香里[37]、成田淳子[38]、中村優子[38]、吉田伸昭[39]清水雅彦[40]、出井則太郎[41]などがいる。

録音

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著作・監修

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  • 世界音楽全集声楽編・ソプラノ3 フランス歌曲集1 (1992)[4]
  • 世界音楽全集声楽編・ソプラノ3 オペラ重唱曲集3 (1993)[4]
  • 世界音楽全集声楽編・ソプラノ3 オペラアリア集女声編 (1993)[4]

邦訳

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その他のコンテンツ

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人物・エピソード

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  • 「子供の時から、とにかく音楽が好きだった。歌うことへの情熱は小学6年生の秋、変声期が過ぎて開花した。中学生になってからは、初めてレコードで聞いた音楽をピアノで弾き、オペラのアリアも、すぐにまねをして歌ってしまう少年だった。高校1年生の時、専門の先生の指導を受け始めた。やがて藝大を目指すようになり、高校3年生からは日本の声楽界を拓いた木下保に師事して進学のためのレッスンを受けた。月に一度、新潟の自宅から夜行列車で8時間かけて東京へ出、朝早くからレッスンを受けて夜遅く帰宅した[2]」という。
  • 「両親には一番感謝しています。家業の跡継ぎにしたかったはずの長男の夢を、文句もいわず支援してくれました[2]」と振り返っている。
  • 木下保が、三林の大学四年間の保証人を引き受けていた[3]。1982年(昭和57年)6月、三林が木下にリサイタルの挨拶に行った折「一時間余りも、私の歌に取り組む姿勢に就いて厳しく問い正されたが、帰りしなの玄関では『いろいろ小言を沢山言った様だが、君が僕を慕ってこうして来てくれると思えばこそなので、まあ頑張ってくれよ』とニッコリされた。この一言は胸に沁みて有難く、駅に向かって歩きながら涙が止まらなかった。もう私には、あんなに厳しく、又あたたかく叱られることはないだろう。それがとても悲しい[3]」と記している。木下逝去の翌年の言である。
  • グノーフォーレドビュッシーなどフランス近代歌曲の魅力に目覚め、我が国フランス歌曲の先駆者、古沢淑子邸で催されていた「フランス音楽鑑賞会」での活動が広がっていった。フランス歌曲は三林の音楽的資質に合うのだという[2]
  • 中田喜直三善晃小林秀雄ら、多くの作曲家の先生との交流がありました。その貴重なお話を若い人達に伝えて行くことも大切だと思っています[2]」と語っている。
  • 学生にすすめたい本は「齋藤磯雄著『フランスの詩と歌』(ダヴィット社)齋藤磯雄著作集2の2、鈴木信太郎著『フランス詩法』上下二巻(白水社)、若桑みどり著『薔薇のイコノロジー』(青土社)、『ハリー・ポッター』の既刊四冊[42]」だという。

脚注

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  1. ^ 三林輝夫”. ザテレビジョン. 2020年2月18日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j k 三林輝夫さん”. 鎌倉市 今泉台町内会. 2020年2月18日閲覧。
  3. ^ a b c d e f 慶應義塾ワグネル・ソサィエティー男声合唱団第108回(1983年)定期演奏会パンフレット
  4. ^ a b c d e f g h i ページ情報”. 三輝会. 2020年2月18日閲覧。
  5. ^ a b オペラを楽しむ カントク、安らかに 文・三林輝夫”. 東京二期会. 2020年2月18日閲覧。
  6. ^ 検索結果 - 三林輝夫 公演監督 | 昭和音楽大学オペラ研究所 オペラ情報センター”. opera.tosei-showa-music.ac.jp. 2020年10月28日閲覧。
  7. ^ 演奏ライブラリー”. 慶應義塾ワグネル・ソサィエティー男声合唱団. 2020年2月18日閲覧。
  8. ^ 演奏ライブラリー 四連”. 慶應義塾ワグネル・ソサィエティー男声合唱団. 2020年2月18日閲覧。
  9. ^ 演奏ヒストリー”. 日本女子大学合唱団. 2020年2月18日閲覧。
  10. ^ 主な演奏活動”. 桜楓合唱団. 2020年2月18日閲覧。
  11. ^ 三林輝夫”. ひばり児童合唱団. 2020年2月18日閲覧。
  12. ^ 二期会のアーティスト”. 東京二期会. 2020年2月18日閲覧。
  13. ^ 日本声楽アカデミー会員”. 日本声楽家協会. 2020年2月18日閲覧。
  14. ^ ホーム”. 三輝会. 2020年2月18日閲覧。
  15. ^ オフィシャルサイト”. 辰巳真理恵. 2020年2月18日閲覧。
  16. ^ 指導陣紹介 田 大成”. 洗足学園音楽大学. 2020年2月18日閲覧。
  17. ^ 指導者紹介 松村 努 先生”. コール高森. 2020年2月18日閲覧。
  18. ^ a b オペラ研修所 第9期生”. 新国立劇場. 2020年2月18日閲覧。
  19. ^ 大妻コタカ記念会青葉の集い・演奏者経歴”. 財団法人大妻コタカ記念会. 2020年2月18日閲覧。
  20. ^ 教員紹介”. 大阪音楽大学. 2020年2月18日閲覧。
  21. ^ 教員紹介”. フェリス女学院大学. 2020年2月18日閲覧。
  22. ^ 小牧特別演奏会 2020こまき第九ソリスト決定!”. 中部フィルハーモニー交響楽団. 2020年2月18日閲覧。
  23. ^ 長谷川忍のブログ”. 2020年2月18日閲覧。
  24. ^ 佐藤千里ふるさとに感謝、崔 宗宝先生とのジョイントコンサート”. 株式会社トスネット. 2020年2月18日閲覧。
  25. ^ プロフィール 常任指揮者”. 君津市民合唱団. 2020年2月18日閲覧。
  26. ^ profile”. 東城 弥恵. 2020年2月18日閲覧。
  27. ^ 自主事業案内”. 上越文化会館. 2020年2月18日閲覧。
  28. ^ 福田清美 テノールリサイタル開催”. 奈良教育大学. 2020年2月18日閲覧。
  29. ^ アーティスト紹介”. (株)シド音楽企画. 2020年2月18日閲覧。
  30. ^ 九州地区法要 出演者紹介”. 浄土真宗本願寺派【本願寺福岡教堂・福岡教区教務所】. 2020年2月18日閲覧。
  31. ^ 市民第九交響曲コンサート”. 鹿嶋市. 2020年2月18日閲覧。
  32. ^ 別府市民フィルハーモニア管弦楽団 第九”. 別府ビーコンプラザ フィルハーモニアホール. 2020年2月18日閲覧。
  33. ^ Shion Kaori's profile”. 戸塚 星野富弘花の詩画展を開く会. 2020年2月18日閲覧。
  34. ^ 指導者紹介”. 混声合唱団そよ風. 2020年2月18日閲覧。
  35. ^ プロフィール”. ヴォイスコーチング「コエトーレ」. 2020年2月18日閲覧。
  36. ^ 歌とピアノで世界を巡る、愛と祈りのコンサート”. 東リ いたみホール. 2020年2月18日閲覧。
  37. ^ 第13回はましんファミリーコンサート”. 浜松交響楽団. 2020年2月18日閲覧。
  38. ^ a b 出演者プロフィール”. 宝塚市文化財団. 2020年2月18日閲覧。
  39. ^ 『悠久の森コンサート』第55回全国植樹祭”. 宮崎県. 2020年2月18日閲覧。
  40. ^ 清水雅彦テノールリサイタル”. 浜離宮朝日ホール. 2020年2月18日閲覧。
  41. ^ 1 day スペシャルレッスン”. Re-music. 2020年2月19日閲覧。
  42. ^ 三林輝夫先生(音楽学部・声楽)が学生にすすめたい本”. 東京芸術大学図書館. 2020年2月18日閲覧。

外部リンク

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