三森健太朗
三森 健太朗(みつもり けんたろう、1997年 - )は、スウェーデン王立バレエ団に所属する日本人バレエダンサー、モデルである。
人物
[編集]4歳のときに茨城県に所在するシオンバレエ(Zion Ballet)にてバレエを始め、留学までの約12年研鑽を積んだ。シオンバレエでは大内満起子・大内みどり・大内みつるに師事する。2014年にシュツットガルトのジョン・クランコ・スクールに入学。Taseuz Matcz・Nicola Biasutti・Dimitry Magitovに師事する。2017年に同校卒業後、スウェーデン王立バレエ団に入団。2022年12月から同バレエ団日本人男性初のプリンシパルを務める。
経歴
[編集]はじまりからプロまで
[編集]茨城県水戸市の出身。5人兄弟の上から数えて「4番目」の子であり、他の兄弟も同じくシオンバレエにてクラシックバレエを習う。バレエ以外にも、きょうだいの影響で小学校時代にピアノを習っており、本人のSNS[1]に度々演奏の様子が映っている。シオンバレエには4歳から通い始め、高校1年生で海外留学するまで約12年通っていた。2010年に出場した第8回バレエ・コンクール IN 横浜クラシック部門(ジュニア3)において第2位[2]となり、プロのバレエダンサーを志す。
その後、2012年の 第15回NBA全国バレエコンクール中学生男子の部において第3位[3]、翌年2013年の第16回NBA全国バレエコンクールにて審査委員長特別賞、スカラシップ賞[4]を受賞し、英国ロイヤルバレエスクールへの短期留学をする。英国ロイヤルバレエスクール留学から帰国後の全日本バレエ・コンクールで優勝し、NHK会長賞・東京新聞賞・チャコット奨学金[5]を受賞した。さらに同年2013年、国際バレエコンクール・ジャパングランプリで第2位[6]となり、スカラシップ賞を獲得[7]し、ジョン・クランコ・スクールへ留学する。ジョン・クランコ・スクール卒業後、スウェーデン王立バレエ団へ入団。
スウェーデン王立バレエ団
[編集]2017年10月1日「Dansare(コールド)」として入団。2018年から2019年頃には、カメラマンとしても舞台に参加している。使用しているカメラはNikonシリーズである。2021年12月19日、自身のSNS[1]にて「1:a Solistdansare(ファーストソリスト)」への昇格を発表。ルドルフ・ヌレエフ振付の白鳥の湖にてジークフリード王子に抜擢され、終演後ニコラ・ル・リッシュ芸術監督からファーストソリストへの昇格が言い渡された。「2:a Solistdansare(セカンドソリスト)」を飛び越えての昇格であり、自身初めての昇格となる。同年12月29日、ファーストソリスト[8]として初めての舞台デビュー。2022年12月19日、プリンシパルに昇格。この昇格により同バレエ団における日本人男性初のプリンシパルとなった。
人物
[編集]幼少の頃からバレエを始め、当時通っていたシオンバレエの大多数は「女の子」の生徒であり、「男の子」の生徒が数える程度であった。その影響もあり、専ら遊び相手は女の子であり、女の子が好んで行う遊びに傾倒していた。手先が器用で細かい作業を好み、ピアノが得意であることも起因している。当時12歳で参加した「第8回バレエ・コンクール IN 横浜」において、第2位の成績を収めたことをきっかけに本格的にバレエダンサーを目指すこととなる。
その後、日本国内のコンクールでスカラシップ賞を獲得し、英国ロイヤルバレエスクール、ドイツシュツットガルトのジョン・クランコ・スクールへ留学し、現在の活動拠点となるスウェーデン王立バレエ団に入団。10代で3カ国を渡り歩いたため、数カ国の言語を話すが「年々使わない言葉は忘れる」と話す。バレエに関しては、ひたすら努力する努力型である。ストイックな性格であり、演技や表現のひとつをとっても自身が納得するまで何度も練習を繰り返すため、誰かが止めない限り練習をしてしまい周囲を心配させる少年時代であった。
レパートリー
[編集]マルシア・ハイデ、ジョージ・バランシン、ウィリアム・フォーサイス、アレクサンダー・エクマン、モーリス・ベジャール、オハッド・ナハリンなど数々の振付家の作品を踊る。
レパートリーには眠れるの森の美女より青い鳥・猫(Marcia Haydée)、白の組曲よりThème Varié(Serge Lifar)、アゴンよりサラバンド(Geroge Balanchine)、春の祭典(Maurice Béjart)、マイナス16(Ohad Naharin)、エスカピスト・カクティ・シフト(Alexander Ekman)などがある。
スウェーデン王立バレエ団に所属しながらも、モデル活動を行なっており、バレエダンサーとして唯一無二の存在感を示している。NIKEなどの大手はもちろんMarc JacobsやH&M、Filippa K、などのアパレル業界にも新たな一面を取り入れたモデルとして活躍している。日本における大型の看板広告などに掲載されており、国内においても活躍の一端を垣間見ることができる。
主な出演
[編集]日本における公演(プリンシパル昇格以降)
[編集]- 2023年
- 7月22日(福岡)、舞台“First Steps~芸術への歩み~”
(国内外で活躍するバレリーナと子供たちの夢の共演。久留米シティプラザにて舞台“First Steps~芸術への歩み~”を開催。)
- 7月29日(富山)7月31日(東京)、INFINITY - PREMIUM BALLET GALA 2023-
(2011年に他界した世界的振付家、ローラン・プティへのオマージュを込めた今回の舞台。プティ氏からの信頼を得て多くの作品を踊ってきた草刈民代のもと、世界のトップバレエ団で活躍しているダンサーたちによる、古典から現代のバレエ変遷を物語る作品群。芸術監督・草刈民代とともにプティ作品を指導するのはルイジ・ボニーノ。中村恩恵は作品を提供。更には世界的ファッションデザイナー丸山敬太が4作品の衣裳を担当し、現代を代表するアーティストが集結。真夏の輝きとともに、都市芸術の新しい可能性を示す舞踊表現のステージが誕生する。)
- 2024年
- 7月7日(茨城) 第55回、水戸市芸術祭 バレエフェスティバル ACM劇場
(【出演:シオンバレエ】による日頃のレッスンの成果を披露。演目に合わせた手作りの衣装や照明の演出具合など見どころ満載。シオンバレエ出身の三森氏は同公演に5年振りの出演である。同じくシオンバレエ出身のバレエフロティアオブテキサスプリンシパルの伊藤真尚とも共演)
- 7月29日,30日(東京)、Bright Step-10th Anniversary-Bright Step 2024
(代表西島勇人、副代表奥村彩がバレエを通して「夢や希望を届けたい」「目標に向かう原動力になりたい」「若いからこそバレエをもっと身近に感じて欲しい」、そんな強い思いから仲間を募り"Bright" = 夢・希望 "Step" = 歩み・成長と名付け2015年から活動を始めたBright Step Project。今年Project始動から10年目となる記念公演。新国立劇場での開催。)
- 8月2日,3日 (東京)、BALLET The New Classic 2024
(「バレエ」を原題の解釈で表現するガラ公演。伝統と革新によって築かれてきた「バレエ」を現代の解釈で表現するガラ公演「BALLET TheNewClassic」。 2022年8月に行われた第1弾は全5公演完売! クラウドファンディングの達成率も751%と大きな支持を得た。 あれから2年――今回も現代を代表するダンサー、一流のクリエイターが集結し、新たな舞台の幕が開く。)
- 8月4日 (神奈川)、横浜バレエフェスティバル
(~バレエの“力”が”かながわ”へ集結!~①若いダンサーと円熟したダンサーという、年齢や経験からくる表現の幅や厚みの違い。②「クラシックバレエの定番からなかなか見られないコンテンポラリーダンスまで」「古典から新作まで」などの、演目のバラエティー。この2つの軸を1公演に盛り込む。芸術監督の遠藤康行が公演全体のディレクションをし、オープニングとフィナーレを創ることで、ガラ公演でありながらも公演全体が一つのストーリーのように感じられる。2024年は10年目の記念公演として、更に豪華なワールドクラスのダンサーと、これまでの開催で特に人気が高かった演目を上演する特別公演)
海外における公演(プリンシパル昇格以降)
[編集]- 2024年
2月10日,11日 Internationale Ballett- und Tanzgala 2024 (Martini-park-アウグスブルグ-ドイツ)
4月13日,14日 Roberto Bolle and Friends (Teatro EuropAuditorium-ボローニャ-イタリア)
5月3日,5日,10日,12日 白鳥の湖全幕 (Teatro Escola Basileu França-ゴイアニア-ブラジル)
8月31日,9月1日 Ibstage Gala(Gran Teatre Del Liceu-バルセロナ-スペイン)
9月6日,7日 Ibstage Gala(New York City Center-ニューヨーク-アメリカ合衆国)
脚注
[編集]- ^ a b k e n t a r o / 健 太 朗 (@kentaro_mitsumori) - Instagram
- ^ “ダンス・舞踊専門サイト(VIDEO Co.):コンクール:2010年 第8回 バレエ・コンクール IN 横浜 クラシック部門(ジュニア3) 第2位”. DAXCING×DANCING. 株式会社ビデオ (2010年5月2日). 2022年3月19日閲覧。
- ^ “ダンス・舞踊専門サイト(VIDEO Co.):コンクール:第15回NBA全国バレエコンクール 中学生男子の部 3位の1”. DAXCING×DANCING. 株式会社ビデオ (2012年1月4日). 2022年3月19日閲覧。
- ^ “ダンス・舞踊専門サイト(VIDEO Co.):コンクール:第16回NBA全国バレエコンクール 中学生男子の部 3位の2”. DAXCING×DANCING. 株式会社ビデオ (2013年1月3日). 2022年3月19日閲覧。
- ^ “平成25年度全日本バレエ・コンクール - コンクール - 公益社団法人 日本バレエ協会”. 日本バレエ協会 (2013年8月18日). 2022年3月19日閲覧。
- ^ “審査結果(2013年)│国際バレエコンクール ジャパングランプリ”. 国際バレエコンクール・ジャパングランプリ (2013年). 2022年3月19日閲覧。
- ^ “審査結果(2013年)│国際バレエコンクール ジャパングランプリ”. 国際バレエコンクール・ジャパングランプリ (2013年). 2022年3月19日閲覧。
- ^ “Mitsumori,Kentaro” (スウェーデン語). www.operan.se. 2022年1月5日閲覧。