三輪秀彦
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三輪 秀彦(みわ ひでひこ、1930年2月10日 - 2018年12月15日)は、日本のフランス文学者・翻訳家。元明治大学教授。
生涯
[編集]愛知県名古屋市生まれ。1953年東京大学文学部仏文科卒。國學院大學講師などを経て、1966年に明治大学講師となり、1973年以降助教授、のち教授を2001年まで務めた。
モーリス・ブランショ『死の宣告』、ナタリー・サロート『見知らぬ男の肖像』、マルグリット・デュラス『ジブラルタルの水夫』といった前衛フランス文学のほか、ジョルジュ・シムノン、ジュール・ヴェルヌ、ジェラール・ド・ヴィリエなどの娯楽小説も多く訳した。1963年『内面の都市』で文藝賞佳作となったこともある。日本近代文学などの文芸批評もある。
著書
[編集]翻訳
[編集]- 『小説と映画 アメリカ小説時代』(C・E・マニイ、中村真一郎共訳、大日本雄弁会講談社) 1958、のち単独訳『アメリカ小説時代』(竹内書店、フィルムアート社)
- 『影の顔』(ボアロー&ナルスジャック、早川書房) 1958、のちハヤカワ文庫
- 『水晶の栓』(モーリス・ルブラン、早川書房) 1959
- 『リヴィングストン発見記』(H・M・スタンレー、村上光彦共訳、筑摩書房、世界ノンフィクション全集6) 1960
- 『見知らぬ男の肖像』(ナタリー・サロート、河出書房新社) 1960
- 『モンタージュ写真』(ミッシェル・ルブラン、創元推理文庫) 1963
- 『117号スパイ学校へ行く』(ジャン・ブリュース、早川書房) 1964
- 『美しい夏・女ともだち』(チェーザレ・パヴェーゼ、菅野昭正共訳、白水社) 1964
- 『魚雷をつぶせ』(ジョルジュ・ランジュラン、早川書房) 1965
- 『丘の上の家』(パヴェーゼ、集英社、世界文学全集) 1966
- 『死体をどうぞ』(シャルル・エクスブライヤ、早川書房) 1966、のちハヤカワ文庫
- 『自動ピアノ』(アンリー・フランソワ、早川書房) 1966
- 『悲しき愛』(ベルナール・パンゴー、白水社) 1966
- 『大いなる失墜 甦る悲劇の人ペタン元帥』(ジュール・ロワ、早川書房) 1967
- 『モロイ / 追放された者』(サミュエル・ベケット、集英社、世界文学全集27) 1968
- 『動く海上都市』(ジュール・ヴェルヌ、集英社、ヴェルヌ全集16) 1968、のち改題『動く人工島』(創元推理文庫)
- 『すばらしき自動車たち』(ピエール・フィソン、早川書房) 1968
- 『文学の限界 カフカ・サルトル・Ch.モーガン』(C・E・マニー、竹内書店) 1968
- 『女の学校 / ロベール / 未完の告白』(アンドレ・ジッド、講談社、世界文学全集34) 1969
- 『報道写真家』(ピエール・ブール、早川書房) 1969
- 『悪魔の舗道』(ユベール・モンテイェ、早川書房) 1969
- 『引伸し』(クロード・モーリアック、筑摩書房、世界文学全集65) 1970
- 『ジュリー・ド・カルネラン』(コレット、二見書房、コレット著作集7) 1970
- 『マーフィ』(サミュエル・ベケット、早川書房) 1970、のち文庫
- 『アンドレ・ワルテルの手記』(ジッド、新潮社、新潮世界文学28) 1970
- 『死刑執行』(ルイ・アラゴン、中央公論社、世界の文学34) 1971
- 『幻想論』(アンドレ・モーロワ、新潮選書) 1971
- 『渚の果てにこの愛を』(モーリス・キュリー、早川書房) 1971
- 『愛の讃歌 エディット・ピアフの生涯』(シモーヌ・ベルトー、新潮社) 1971
- 『死の宣告』(モーリス・ブランショ、河出書房新社) 1971
- 『贋作・モンタージュ写真』(ミッシェル・ルブラン、望月芳郎共訳、創元推理文庫) 1972
- 『ワルシャワの夜と霧 クリスチナの青春』(クリスチナ・ジウルスカ、日本リーダーズダイジェスト社) 1973
- 『カリブの海賊史』(ジョルジュ・ブロン、早川書房、ハヤカワ・ノンフィクション) 1973
- 『春の訪れ』(フランソワーズ・マレージョリス、ハヤカワ文庫NV) 1973
- 『イルカの日』(ロベール・メルル、早川書房) 1973、のち文庫
- 『別れの朝』(クリスチーヌ・ド・リヴォワール、早川書房) 1974
- 『アメリカの夜』(クリストファ・フランク、早川書房) 1975
- 『ヒズ・マスターズ・ボイス』(ベルナール・パンゴー、白水社) 1975
- 『呪い師』(ルネ=ヴィクトル・ピーユ、早川書房) 1976
- 『気ままな生娘』(コレット、二見書房、コレット著作集9) 1977
- 『U路線の定期乗客』(クロード・アヴリーヌ、創元推理文庫) 1977
- 『ムッシュー・プルースト』(セレスト・アルバレ、早川書房) 1977
- 『ネコの本』(ジュアンヌ・ジャン=シャルル、講談社) 1978
- 『ジャン=クリストフ(抄) / 愛と死との戯れ』(ロマン・ロラン、学習研究社、世界文学全集17) 1978
- 『マレヴィル』(ロベール・メルル、早川書房、海外SFノヴェルズ) 1978
- 『ゴッド・プレイヤー』(エディ・コンスタンチーヌ、早川書房) 1979
- 『漂流物』(ジュリアン・グリーン、人文書院、ジュリアン・グリーン全集) 1979
- 『恋人の休暇』(クリスチーヌ・ド・リヴォワール、早川書房) 1980
- 『忘れられた兵士 ドイツ少年兵の手記』(ギイ・サジェール、早川書房) 1980
- 『第五の騎手』(ドミニク・ラピエール, ラリー・コリンズ、早川書房) 1980、のち文庫
- 『ポルポリーノ』(ドミニック・フェルナンデス、早川書房) 1981
- 『推理小説の歴史はアルキメデスに始まる』(フレイドン・ホヴェイダ、東京創元社) 1981
- 『アトレイデスの血』 (ピエール・マニャン、創元推理文庫) 1981
- 『レヴェリ家の人びと』(マックス・ガロ、早川書房) 1981 - 1983
- 『悪所』(ジュリアン・グリーン、人文書院、ジュリアン・グリーン全集) 1981
- 『ピクニックを終えて』(ミシェール・ペラン、早川書房) 1982
- 『ルイジアナ物語』全6巻(モーリス・ドニュジエール、ハヤカワ文庫) 1982 - 1984
- 『マドラプールに消えた』(ロベール・メルル、早川書房) 1982
- 『アメリカを買って』(クロード・クロッツ、ハヤカワ文庫) 1983
- 『ブロの二重の死』 (クロード・アヴリーヌ、創元推理文庫) 1983
- 『グレアム・グリーン語る』(マリ=フランソワーズ・アラン、早川書房) 1983
- 『パリ吸血鬼』 (クロード・クロッツ、ハヤカワ文庫) 1983
- 『殺人者は21番地に住む』 (S=A・ステーマン、創元推理文庫) 1983
- 『破戒法廷』(ギ・デ・カール、創元推理文庫) 1984
- 『彼女のように素敵な人生』(カトリーヌ・リオワ、早川書房) 1984
- 『六死人』(S=A.ステーマン、創元推理文庫) 1984
- 『殺し屋ダラカン』 (クロード・クロッツ、ハヤカワ文庫) 1984
- 『ソフトウォー』(ティエリ・ブルトン, ドニ・ベネク、早川書房) 1985
- 『ヴァチカン復活プログラム』 (ティエリ・ブルトン、ハヤカワ文庫) 1986
- 『オペラ座の怪人』 (ガストン・ルルー、創元推理文庫) 1987
- 『バルタザールの風変わりな毎日』 (モーリス・ルブラン、創元推理文庫) 1987
- 『オメガ・ポイント脱出飛行』(パトリック・ルロワ、ハヤカワ文庫) 1987
- 『ベティ・ブルー』 (フィリップ・ディジャン、ハヤカワ文庫) 1987
- 『盗まれた記憶』(イゴール&グリチカ・ボグダノフ、白水社) 1987
- 『アラカルフ 忘れられた人間たち』(ジャン・ラスパイユ、白水社) 1988
ジョルジュ・シムノン
[編集]- 『メグレ警部と国境の町』(ジョルジュ・シムノン、創元推理文庫) 1961
- 『雪は汚れていた』(集英社、シムノン選集1) 1969、のちハヤカワ文庫
- 『ビセートルの環』(集英社、シムノン選集12) 1970、のち文庫
- 『猫』(ジョルジュ・シムノン、創元推理文庫) 1985
マルグリット・デュラス
[編集]- 『アンデスマ氏の午後 / 辻公園』(マルグリット・デュラス、白水社) 1963
- 『ジブラルタルの水夫』(マルグリット・デュラス、早川書房) 1967、のち文庫
- 『ラホールの副領事』(マルグリット・デュラス、集英社) 1967、のち文庫
- 『辻公園 / 治水保林』(竹内書店、デュラス戯曲全集1) 1969
- 『シュザンナ・アンドレール』(竹内書店、デュラス戯曲全集2) 1969
ジェラール・ド・ヴィリエ
[編集]- 『SAS / 鄧小平の密命』 (ジェラール・ド・ヴィリエ、創元推理文庫) 1979
- 『SAS / 香港三人の未亡人』 (ジェラール・ド・ヴィリエ、創元推理文庫) 1981
- 『SAS / ザイールレッド・アイ・ミサイル』 (ジェラール・ド・ヴィリエ、創元推理文庫) 1981
- 『SAS / ボリビアのナチ狩り』(ジェラール・ド・ヴィリエ、創元推理文庫) 1982
- 『SAS / ハイチ黒犬に化けた男』 (ジェラール・ド・ヴィリエ、創元推理文庫) 1982
- 『SAS / ザンジバルのために死す』 (ジェラール・ド・ヴィリエ、創元推理文庫) 1982
- 『SAS / アブダビ王宮の陰謀』 (ジェラール・ド・ヴィリエ、創元推理文庫) 1983
- 『SAS / マルタを見て死ね』 (ジェラール・ド・ヴィリエ、創元推理文庫) 1983
出典
[編集]- ^ “三輪秀彦さん死去”. 朝日新聞デジタル. (2018年12月22日) 2018年12月23日閲覧。