上総層群
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上総層群(かずさそうぐん)は、関東平野の基盤をつくる海成堆積層である。
概要
[編集]第三紀鮮新世 - 第四紀更新世古期(280万〜50万年前/テフラ層序年代・フィッショントラック年代)[1]までの一連の海成層で、砂岩、泥岩および凝灰質砂礫などからなり、三浦層群を不整合に覆い房総半島南部や多摩丘陵では広く地表に露出しているが、下総台地や武蔵野台地では下総層群に覆われ関東地方の基盤をなしている。模式地は房総半島中央部の養老川から勝浦市にかけての川沿い。下位から、黒滝層、勝浦層、浪花層、大原層、黄和田層、大田代層、梅ヶ瀬層、国本層、柿ノ木層、長南層、笠森層が整合的に重なる。房総半島では、そこでの上総層群の下限である黒滝層と三浦層群の上限である安野層との間に黒滝不整合が存在する[2]。
対比される広域テフラ
[編集]- 笠森層
- Ks11 - 小林: 小林笠森テフラ
- Ks18 - 南九州: 下門-Ks18テフラ
- Ks22 - 上宝: 貝塩上宝テフラ
- 長南層
- Ch2 - 豊肥: 誓願寺-栂テフラ
- 国本層
- 梅ヶ瀬層
- U8 - 塔のへつり: 白河勝方-U8テフラ
- 大田代層
- O7 - 猪牟田: 猪牟田ピンクテフラ(耶馬渓火砕流)
- O18L - 北関東: 上越-O18Lテフラ
- 黄和田層
- 大原層
- 浪花層
- MY - 飛騨: OM1-大池IIIテフラ
- 勝浦層
- KW2 - 飛騨?: Fup-KW2テフラ
脚注
[編集]- ^ “神奈川の大地[岩石・鉱物・地層・歴史] c21[上総層群]”. 神奈川県立生命の星・地球博物館. 2020年6月14日閲覧。
- ^ 伊藤慎、齋藤高浩、加瀬善洋、亀尾浩司、柴田健一郎「房総半島更新統上総層群基底の黒滝不整合の実態解明」『日本地質学会学術大会講演要旨』第120年学術大会(2013仙台)セッションID: R11-P-8、日本地質学会、2013年、521頁、doi:10.14863/geosocabst.2013.0_521、ISSN 1348-3935、NAID 130005468101。
参考文献
[編集]- 『新版 地学事典』地学団体研究会 新版地学事典編集委員会編、平凡社、1996年10月。ISBN 978-4-582-11506-2
- 山崎晴雄『関東平野の起源に関わる上総層群基底黒滝不整合の成因と形成プロセス』 KAKEN 研究成果報告 23501246
- 竹越智、村松敏雄、倉川博、大沢進、金井克明、高野繁昭「87 関東平野西縁丘陵の地質 :(1)上総層群のフィッショントラック年代」『日本地質学会学術大会講演要旨』第97年学術大会(90)、日本地質学会、1990年、218頁、doi:10.14863/geosocabst.1990.0_218、ISSN 1348-3935、NAID 110003026827。
- 田村糸子ほか「房総半島に分布する上総層群の広域テフラ」『地質学雑誌』第125巻第1号、2019年、23-39頁、doi:10.5575/geosoc.2018.0011、2022年1月5日閲覧。