中島三千恒
なかじま みちつね 中島 三千恒 | |
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職業 | 漫画家 |
中島 三千恒(なかじま みちつね)は、日本の漫画家[1]。女性[1]。別名義に佑三マキコがある[1]。「歴史、特に三国志を題材とした作品」を執筆[2]。
来歴
[編集]『三国志』との関わり
[編集]高校生のころから『三国志』を好んでいたため、「戦記ものや戦史もの、戦略研究の本」などを読んでいた[3]。その後、趣味で『三国志』を執筆する[3]。インターネット上で「『三国志』の武将を主人公にした小説」を頻繁に見かけたことを機に、「マンガで彼ら不遇武将のよさをアピールすればいい」と考えたことが漫画を執筆するきっかけとなる[3]。
その後、プロとして『三国志』を執筆していたが、中国の屋根の作画に疲労を感じるなど、「『三国志』疲れ」の時期が到来する[3]。そんな時期に日丸屋秀和の『Axis powers ヘタリア』と出会い、同作が中島の「疲れた心を癒してくれた」という[3]。同作の「堅苦しさのない作風」により「気軽に楽しく読んで」いたが、次第に「オタク的気質で色々集めたく」なり、「気になる国の資料」の収集を始める[3]。後に執筆する『軍靴のバルツァー』に必要な資料の6割から7割程度は、この時期に集められている[3]。
『軍靴のバルツァー』連載開始
[編集]2011年1月に創刊された『月刊コミック@バンチ』(新潮社)の創刊に合わせ、同誌の編集者であり、後の中島の担当編集者が中島に声をかける[3]。声をかけた理由は中島の「中国史系の学園ものの短編を読んだこと」があり、『三国志』系統の作品を執筆していたことを知り、雑誌に「歴史ものがひとつほしい」と考えたことによる[3]。担当編集者は中島に「『三国志』っぽいもの」だが「基本的には好きなものでいい」作品を依頼[3]。「新しいジャンルに挑戦したい気持ち」を抱き、「シナリオの自由度を優先してやっていきたい」と考えていた中島は、担当編集者に会うたびに「今ドイツが熱い」と伝え、「オリジナル世界でのフィクション」の制作が決定となる[3]。そうして同誌の創刊号より『軍靴のバルツァー』の連載を開始[4]。
2012年12月、『ジャンプ改』(集英社)2013年1月号より長崎尚志の原作による「古代冒険譚」の『ヤマテラス・コード』の連載を開始し、中島は作画を務める[5]。
2022年1月、『モーニング』(講談社)7号よりどんな状況でも完璧な料理を提供する男性を描く『鉄血キュッヒェ』の連載を開始[6]。同作が中島の同誌初登場作品となる[6]。
作風
[編集]歴史を題材とした作品では、作画と「緻密な歴史考証に基づくドラマ作り」が評価されている[1]。
作品リスト
[編集]連載
[編集]- 赤壁ストライブ(yahoo!コミック『コミック三国志マガジン』2008年、メディアファクトリー)
- 魏志文帝紀 建安マエストロ!(yahoo!コミック『コミック三国志マガジン』、『コミックヒストリア』2010年 - 連載)
- 軍靴のバルツァー(『月刊コミック@バンチ』2011年3月号(創刊号[4]) - 2018年5月号→『月刊コミックバンチ』2018年6月号 - 2021年10月号→『別冊少年マガジン』2022年9月号[7] - 、新潮社、既刊19巻)
- ヤマテラス・コード(原作:長崎尚志、『ジャンプ改』2013年1月号[5] - 2014年11月号(最終号)、集英社) - 連載前の仮タイトルは「ヤマテラス・コード―古代ハンター日向―(仮)」[9]。
- 鉄血キュッヒェ(設定協力:白土晴一、『モーニング』2022年7号[10][6] - 連載中)
読み切り
[編集]- 角の夢(原作:杜棋、『コミック三国志マガジン Vol.7』2006年1月、メディアファクトリー) - 読者持込み原案の漫画化企画作品で、中島三千恒はストーリー修正・シナリオ構成・作画を担当。主役は魏延。
- 社稷の臣(『コミック三国志マガジン Vol.9』、2006年5月) - 主役は陸遜。
- 欺瞞の儒雅(『コミック三国志マガジン Vol.12』、2006年11月) - 主役は王異。
- 白地将軍(『コミック三国志マガジン Vol.13』、2007年1月) - 主役は夏侯淵。
- 剛毅朴訥、仁に近し(『コミック三国志マガジン Vol.15』、2007年5月) - 主役は王平。
- 蜀の甘寧(yahoo!コミック『コミック三国志マガジン』) - 前後編で掲載。主役は甘寧と法正。
アンソロジー
[編集]- コミック 真・三國無双3 バトルイリュージョンVol.1、3、4、5、6、7(コーエー、2003年 - 2004年)
- 三国志 天下三分計画(「天涯に領る」、ジャイブ、2004年3月)主役は馬超。
- コミック 真・三國無双3 アンソロジー 人の巻(「西南邂逅」、コーエー、2004年5月)
- コミック 戦国無双 サムライウォーズVol.2(コーエー、2004年6月)
- コミック 真・三國無双3 赤壁の章(「孫呉の気風」、コーエー、2004年10月)
- DIGITAL DEVIL SAGA アバタール・チューナー コミックアンソロジー(光文社、2004年9月)
- 九龍妖魔學園紀 コミックアンソロジー(一迅社、2004年)
- コミック 真・三國無双4 ワンダーエボリューションVol.1、4、5、9(コーエー、2005年 - 2006年)
- コミック 三國志 トゥルーエピソード①(「董卓、上洛(正史『後漢書 董卓伝』より)」、コーエー、2005年5月)
- コミック 三國志 トゥルーエピソード②(「周瑜起つ」、コーエー、2005年7月)
- コミック 三國志 トゥルーエピソード③(「馬超の決起(正史『蜀志 馬超伝』より)」、コーエー、2005年10月)
- コミック 三國志 トゥルーエピソード列伝① 〜我が君のために〜(「凡庸なる勇将 趙雲(正史『蜀志 趙雲伝』より)」、コーエー、主役は趙雲と諸葛亮と公孫瓚、2006年3月)
- コミック 三國志 トゥルーエピソード列伝② 〜きみと共にあれば〜(「分かれ道―袁紹と曹操(正史『魏志 袁紹伝』より)」コーエー、主役は曹操と袁紹、2006年7月)
- コミック 三國志 トゥルーエピソード列伝③ 〜乱世をめぐる想い〜(「仲達出廬―張春華と司馬懿」、コーエー、主役は司馬懿と張春華、2006年9月)
- ラスト・エスコート〜深夜の黒蝶物語〜 コミックアンソロジー(一迅社、2006年7月)
- コミック 真・三國無双5 ランブルミッションVol.3(コーエー、2008年)
- エディス[要曖昧さ回避] vol.4 短編集(まんだらけ、2009年10月)
その他
[編集]- 魔女っ子イラスト(『月刊コミックフラッパー』2010年6月号[11])
出典
[編集]- ^ a b c d “中島 三千恒(漫画家)”. マンガペディア. 2022年1月13日閲覧。
- ^ “軍靴のバルツァー外伝 銀灰のユーリ”. くらげバンチ. 新潮社. 2022年1月13日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k “中島三千恒『軍靴のバルツァー』インタビュー【前編】 キャラとコミュニケーションをとって作品を作っていく【総力リコメンド】”. このマンガがすごい!WEB. 宝島社 (2014年12月9日). 2022年1月13日閲覧。
- ^ a b “@バンチ本日創刊、中村珍・松本次郎ら新戦力てんこもり”. コミックナタリー (ナターシャ). (2011年1月21日) 2022年1月13日閲覧。
- ^ a b “長崎尚志×中島三千恒の古代冒険譚、ジャンプ改で始動”. コミックナタリー (ナターシャ). (2012年12月10日) 2022年1月13日閲覧。
- ^ a b c “「軍靴のバルツァー」中島三千恒がモーニング初登場、戦場で美食を追求する男たち描く”. コミックナタリー (ナターシャ). (2022年1月13日) 2022年1月13日閲覧。
- ^ “「軍靴のバルツァー」別マガで移籍連載開始、電子書店で既刊配信&マガポケ無料公開”. コミックナタリー (ナターシャ). (2022年8月9日) 2022年8月9日閲覧。
- ^ a b “「軍靴のバルツァー」ユーリが主人公のスピンオフ始動、諜報員になるまでを描く”. コミックナタリー (ナターシャ). (2021年4月20日) 2022年1月13日閲覧。
- ^ “ミツルギの河田雄志&行徒、ジャンプ改で美麗絵ギャグ連載”. コミックナタリー (ナターシャ). (2012年11月9日) 2022年1月13日閲覧。
- ^ “【新連載】 本格ミリタリー漫画『軍靴のバルツァー』の中島三千恒、講談社初登場! 戦場の「食」を描く『鉄血キュッヒェ』本日開幕”. モーニング公式サイト. 講談社 (2022年1月13日). 2022年1月13日閲覧。
- ^ “フラッパーで魔女っ子サミット。石黒正数、倉薗紀彦ら描く”. コミックナタリー (ナターシャ). (2010年5月6日) 2022年1月12日閲覧。
外部リンク
[編集]- 雪中送炭 - ウェイバックマシン(2016年3月9日アーカイブ分)
- 中島 三千恒 (@mititune_n) - X(旧Twitter)