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中心 (代数学)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

数学の分野である代数学において、多元環などの中心 (: center, : Zentrum) は考えている構造の部分集合であって、乗法に関してすべての元と交換する元全体からなる。

群の中心

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を群とすると、その中心は集合

である。

性質

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の中心は部分群である。なぜならば、 の元とすると、任意の に対して、

なので、 も中心に入る。同様にして、 も中心に入る。

.

群の単位元 は常に中心に入る。.

中心はアーベル群正規部分群である。特性部分群でもある、つまりすべての自己同型で不変である。中心は強特性 (strictly characteristic) でさえある、つまりすべての全射自己準同型で不変である。 がアーベル群であることと は同値である。

中心はちょうど、 による共役、すなわち が恒等写像であるような、 の元 からなる。したがって中心を中心化群の特別な場合としても定義できる。 である。

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  • 3次対称群英語版 の中心は単位元 のみからなる、なぜならば:
  • 二面体群 は正方形が全く動かないような平面の動きからなる。それは正方形の中心を中心とする角度 0°, 90°, 180°, 270°の回転と、2つの対角線および正方形の平行する辺の中点を通る2つの直線による4つの鏡映からなる。この群の中心はちょうど 0°と 180°の2つの回転からなる。
  • 実数を成分に持つ可逆 n×n-行列の乗法群の中心は単位行列の(0 でない)実数倍からなる。

環の中心

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R中心は環の元であってすべての元と交換するものからなる。

中心 R可換部分環である。環が中心と等しいことと可換であることは同値である。

結合多元環の中心

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結合多元環 A中心は可換な部分多元環

である。多元環がその中心と等しいことと可換であることは同値である。

リー代数の中心

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定義

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リー代数 中心は(可換な)イデアル

である。ただし はブラケット積、つまり の積を表す。リー代数がその中心に等しいことと可換であることは同値である。

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参考文献

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外部リンク

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