中村哲 (計算機科学者)
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中村 哲(なかむら さとし、1958年8月4日 - )は、日本の計算機科学者。工学博士。奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科知能コミュニケーション研究室教授。カールスルーエ大学Honorarprofessor。ATRフェロー (2007年)。
音声認識・合成技術、言語翻訳技術などの要素技術を進展させ、音声翻訳システムの実用化に貢献した。従来のルールベースからコーパスベースへの音声翻訳手法全体に渡るパラダイムシフト、これによる対象となる話題および翻訳対象言語対のポータビリティの実現、さらに雑音のある環境下でのハンズフリー音声認識を実現し、携帯電話で利用可能な日英、日中多言語音声翻訳システムの開発プロジェクトを主導した。
略歴
[編集]- 1981年 京都工芸繊維大学工芸学部電子工学科卒
- 1981~1994年 シャープ株式会社 中央研究所および情報技術研究所
- 1986~1989年 ATR自動翻訳電話研究所に出向
- 1992年 京都大学工学博士
- 1994~2000年 奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科助教授~
- 1996年 米国ニュージャージー州立大学 CAIPセンター 滞在客員教授 (文部省在外研究員)
- 2000~2005年 (株)国際電気通信基礎技術研究所 (ATR) 音声言語コミュニケーション研究所 第一研究室 室長
- 2002年 豊橋技術科学大学、立命館大学 客員教授
- 2003年~ ドイツカールスルーエ大学 Honorarprofessor
- 2005~2009年 (株)国際電気通信基礎技術研究所 (ATR) 音声言語コミュニケーション研究所 所長
- 2006~2010年 (独)情報通信研究機構 (NICT) 知識創成コミュニケーション研究センター 音声言語グループ グループリーダ
- 2006~2009年 (独)NICT上席研究員
- 2007~2008年 (株)ATR取締役
- 2007~2009年 文部科学省 科学政策研究所 客員研究官
- 2007年~ けいはんな連携大学院大学 ユニバーサル対話エージェント講座招聘教授
- 2008年~ (独)NICT知識創成コミュニケーション研究センター MASTARプロジェクト プロジェクトリーダ
- 2009~2010年 (独)NICT知識創成コミュニケーション研究センター 副研究センター長
- 2010年~2011年 (独)NICTけいはんな研究所 所長、知識創成コミュニケーション研究センター 研究センター長
- 2011年~ 奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科 知能コミュニケーション講座 教授
受賞歴
[編集]- 1992年 粟屋学術奨励賞 (日本音響学会)
- 2001年 情報処理学会インタラクション2001ベストペーパ賞 (情報処理学会)
- 2007年 山下記念研究賞 (情報処理学会)
- 2007年 第22回テレコムシステム技術賞 (電気通信普及財団)
- 2007年 AAMT長尾賞 (アジア太平洋機械翻訳協会)
- 2007年 Eurographics 2007 The Animation Theatre Program Committee Award
- 2007年 ドコモモバイルサイエンス賞(モバイルコミュニケーションファンド)
- 2008年 日本音響学会 技術開発賞
- 2008年 平成19年度喜安記念業績賞 (情報処理学会)
- 2010年 平成22年度文部科学大臣表彰
- 2010年 近畿情報通信協議会会長表彰
- 2010年 人工知能学会 研究会優秀賞
主な著書
[編集]- 音声言語処理 -コーパスに基づく音声言語処理-, 森北出版, 1996 共著
- 音声・音情報のディジタル信号処理, 昭晃堂, 1997, 共著
- 音声による人間と機械の対話, オーム社, 1997,共著
- 電子情報通信術語ハンドブック, 電子情報通信学会, 1998, 分担執筆
- Spoken Language Processing, オーム社, 分担執筆
- Topics in Acoustic Echo and Noise Control, Springer, 2006, 分担執筆
- Incorporating Knowledge Sources into Statistical Speech Recognition, Springer, 2009, 共著
- imidas 日本の針路 世界の行方, 集英社, 2009, 分担執筆
- Computer Processing of Asian Spoken Languages, 2010, 分担執筆