乳の親
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乳の親(ちーのうや[1]、ちちのうや[2]、ちちのおや[3])は、沖縄県に伝わる女の妖怪。外見は優しい顔立ちの女性で、洗いざらしのような黒髪を長く垂らしており[3]、乳房が非常に大きい[4]。国頭村や大宜味村には、小児を葬るための
一方で今帰仁村などでは、童墓や水中にいる乳の親が、まだ生きている子供を奪い去るといわれる。幼児に鏡を見せると、水面を鏡と思って水面に行きたがり、その挙句に乳の親に引きずり込まれるので、鏡を見せるべきではないとされている[1]。
沖縄には以下のような話もあり、これらは乳の親によるものといわれている。
- ある子供が病床から回復しかけていた頃、乳の大きな女が現れ「こっちおいで」と招きながら姿を消した。とたんに子供は容態が急変し、やがて命を落とした[5]。
- 素性の知れない洗い髪の女が子供を抱いて、店に菓子を買いに来ていた。その頃、里外れの墓からよく赤ん坊の声が聞こえたが、その女が店を訪れているときのみ声は聞こえなかった。人々が墓を開けてみると、中では生きている赤ん坊が泣いていた[6]。
脚注
[編集]出典
[編集]参考文献
[編集]- 島袋源七 著「山原の土俗」、池田彌三郎et al. 編『日本民俗誌大系』 第1巻、角川書店、1974年、348頁。ISBN 978-4-04-530301-2。
- 中山太郎 編『日本民俗學辭典』昭和書房、1933年、149頁。 NCID BN05961778。
- 島袋源七『山原の土俗』鄉土硏究社、1929年、159-161頁。 NCID BN14777805。
- 崎原恒新「沖縄の妖怪変化」『南島研究』、南島研究会、1998年10月1日、全国書誌番号:00094446。