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井上辰夫

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

井上 辰夫(いのうえ たつお、1916年 - 1997年)は、福島県出身の日本画家京都府船井郡瑞穂町(現・京丹波町)で暮らしながら、隣町に建設予定の日吉ダムで沈むことになった天若地区に3年通いつめ、住民や民家の情景を油絵で描写したことで特に知られている。

経歴

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1916年、福島県岩瀬郡稲田村(現・須賀川市)で生まれる。1934年、福島県立岩瀬農学校(現・福島県立岩瀬農業高等学校)卒業後、画家を志して上京、東京の本郷絵画研究所に入り岡田三郎助東京美術学校教授)に師事した。翌年、日本大学専門部芸術科(現・日本大学藝術学部)に入学、木村荘八に指導を受けたが1937年に大学を中退し兵役に就かざるをえなかった。

太平洋戦争後の1946年に復員すると妻の実家のある京都府船井郡瑞穂町(現・京丹波町)に移住。京都美術研究所で須田国太郎に師事し、さらに1954年には中央美術学園に入り郡山三郎から指導を受け、1955年に卒業した。1985年頃から日吉ダム建設で沈む予定の天若地区の風景を描き始め、1997年、ダム完成を待たず病気により死去[1]

主な作品

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※出典は日吉町郷土資料館『井上辰夫-消えゆく風景をキャンバスに-』による。

  • 『万燈山』(第17回独立展入選)
  • 『兎のマラソン』(第2回スポーツ芸術展入選)
  • 『聖火を運ぶ兎』(第3回アジア競技大会芸術展入選)
  • 『ダリヤ』(第19回福知山市展奨励賞受賞)
  • 『日吉ダムで消える天若の民家』(サロン・ド・パリ賞受賞)
  • 『日吉ダムで消える天若の学舎』(南丹市日吉町郷土資料館所蔵)

脚注

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  1. ^ 『井上辰夫-消えゆく風景をキャンバスに-』(南丹市日吉町郷土資料館展示会図録)日吉町郷土資料館, 2007

参考資料

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  • 『井上辰夫-消えゆく風景をキャンバスに-』(南丹市日吉町郷土資料館展示会図録)日吉町郷土資料館, 2007
  • 井上辰夫「日吉ダムで消える天若の家」『丹の街』6号 pp.46-47 亀岡市: 岡崎写真企画,1986
  • 井上辰夫「天若の風景『丹の街』9号 pp.91-93 亀岡市: 岡崎写真企画,1987