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伊庭靖弘

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
伊庭靖弘
生誕 東京都
居住 日本の旗 日本
研究分野 古生物学
画像解析
研究機関 北海道大学
出身校 東京大学大学院理学系研究科
博士課程
指導教員
棚部一成
主な受賞歴 2008年東京大学大学院理学系研究科研究奨励賞
2009年井上科学研究奨励賞
2017年北海道科学技術総合振興センター理事長賞
プロジェクト:人物伝
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伊庭 靖弘(いば やすひろ、1981年 - )は、日本の古生物学者北海道大学大学院理学研究院准教授。日本地質学会日本古生物学会会員。

アンモナイト二枚貝およびベレムナイトといった古生物研究のほか、超高解像度トモグラフィー技術開発にも携わる。

来歴

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1981年に東京都で生まれる[1]。古生物学者棚部一成が在籍していたことから、東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻に進学。化石が豊富に残されていて研究がしやすいという理由で軟体動物を研究対象に選び、日本国内や北アメリカでのフィールドワークを行い、生物群集の変遷やその要因を研究し博士号を取得した[2][3]。東京大学で研究フェローを務めたのち、国士舘大学国立科学博物館ルール大学ボーフム日本大学で研究員・講師を歴任[4]。2011年4月から2012年9月まで北海道教育大学で講師を担当し、2012年10月より北海道大学助教、2017年4月より北海道大学准教授に就任[4]

2012年10月には宮城県南三陸町で産出した2種のベレムナイトの分類学的研究を行い、ベレムナイトが後期三畳紀には既に出現し、T-J境界での大量絶滅を生き残り、前期ジュラ紀の時点で大型化など多様化を遂げていたと発表した[5]。その後は化石研究におけるX線CTの欠点[注 1]を指摘し、薄く研磨した試料を高性能デジタルカメラで繰り返し撮影して蓄積したデータから3Dモデルを作成するという手法を採用し、従来の手法よりも高解像度かつカラーの情報を得ることに成功した[6]。この技術の医療分野への導入も検討されている[7]

受賞

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  • 2008年東京大学大学院理学系研究科研究奨励賞[1][8]
  • 2009年井上科学研究奨励賞[1][8]
  • 2009年日本古生物学会優秀ポスター賞[8][9]
  • 2017年北海道科学技術総合振興センター理事長賞[8][10]

出版物

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いずれも分担執筆。

脚注

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注釈

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  1. ^ 解像度が低い、得られる画像がモノクロである、母岩と化石の密度差が小さいため化石が明瞭に確認できない、など。
  2. ^ 第2版。

出典

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  1. ^ a b c 地球と生命のれきし ─北海道が熱帯だった !?─”. 苫小牧市. 2020年12月23日閲覧。
  2. ^ 山本玲子. “フィールドワークで古生物の生態を追究”. 東京大学大学院理学系研究科広報委員会. 2020年12月23日閲覧。
  3. ^ 学位論文要旨”. 東京大学附属図書館・情報基盤センター. 2020年12月23日閲覧。
  4. ^ a b 経歴”. researchmap. 科学技術振興機構. 2020年12月23日閲覧。
  5. ^ 被災地の化石が古代生物の進化の歴史を塗り替えた』(PDF)(プレスリリース)北海道大学総務企画部広報課、2012年10月26日https://www2.sci.hokudai.ac.jp/faculty/wp/wp-content/uploads/2019/03/121026_pr_sci.pdf2020年12月23日閲覧 
  6. ^ 北海道大学の次世代3Dイメージング技術に8K技術が貢献 情報量1億倍の化石探査が実現”. キヤノン (2019年12月19日). 2020年12月23日閲覧。
  7. ^ 開催概要”. 第16回日本病理学会カンファレンス. 日本病理学会. 2020年12月23日閲覧。
  8. ^ a b c d 受賞”. researchmap. 科学技術振興機構. 2020年12月23日閲覧。
  9. ^ 学会賞”. 日本古生物学会. 2020年12月23日閲覧。
  10. ^ 若手研究人材育成事業 若手研究人材・ネットワーク育成補助金(タレント補助金)”. 北海道科学技術総合振興センター. 2020年12月23日閲覧。
  11. ^ 書籍等出版物”. researchmap. 科学技術振興機構. 2020年12月23日閲覧。

外部リンク

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