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佐々木邦

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
佐々木 邦
誕生 1883年5月5日
静岡県駿東郡清水町
死没 (1964-09-22) 1964年9月22日(81歳没)
職業 作家英文学者
国籍 日本の旗 日本
最終学歴 明治学院
活動期間 1909年 - 1964年
文学活動 ユーモア作家倶楽部
代表作わんぱく少年
主な受賞歴 児童文化功労者(1961年)
紫綬褒章(1962年)
デビュー作 『おてんば娘日記』(1909年)
親族 佐々木林蔵(父)
佐々木順三(弟)
ウィキポータル 文学
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佐々木 邦(ささき くに、1883年明治16年)5月4日 - 1964年昭和39年)9月22日) は、日本作家英文学者慶應義塾大学教授、明治学院大学教授を歴任。弟・順三立教大学総長。

生涯

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静岡県駿東郡清水村(現清水町)生。6歳のとき父(佐々木林蔵)の仕事(明治政府建築技師)で上京、青山学院中等部卒業後、慶應義塾大学予科より明治学院に進み卒業。

卒業後、釜山の商業学校教諭、第六高等学校(現岡山大学)教授、慶應義塾大学教授、明治学院高等学部講師(一時離職後、戦後明治学院大学教授として復職)を歴任、英語英文学を教えた。

1936年辰野九紫らとともにユーモア作家倶楽部を結成、1937年11月より機関誌「ユーモアクラブ」を創刊しユーモア文学の発展に尽力する。国際マーク・トウェイン協会名誉会員。1961年児童文化功労者。1962年紫綬褒章

81歳で心筋梗塞のために逝去。墓所は小平霊園

評価

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日本のユーモア小説の先駆けにして第一人者。学生時代より、夏目漱石マーク・トウェインジェローム・K・ジェローム等の欧米のユーモア作家に影響され、多数執筆。その作風は、良識に裏打ちされたユーモアに富み、昭和初期のサラリーマン階級を舞台に、家庭的な笑いに焦点を当てている。そのうち18作品は映画化されている。1974年に講談社から15巻の佐々木邦全集が出版された。

會田雄次は彼を評して、「佐々木邦氏は、もし日本語という言葉の障壁がなかったら、世界でもっとも知られたユーモア作家の一人になっていただろう。」と書いている[1]

作品

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  • 『おてんば娘日記』(内外出版協会) 1909
  • 『当世細君気質』(内外出版協会) 1910
  • 『二人やんちゃん』(女子文壇社) 1911
  • 『英語の基礎 重要語句文例』(丁未出版社) 1917
  • 『英語の精髄 重要語句解説文例』(丁未出版社) 1918
  • 『珍太郎日記』(弘学館) 1921、のち春陽文庫
  • 『ぐうたら道中記』(弘学館) 1923
  • 『ノラクラ倶楽部』(主婦之友社) 1925
  • 『文化住宅』(京文社) 1925
  • 『夫婦者と独身者』(主婦之友社) 1925
  • 『好人物』(京文社) 1925
  • 『文化村の喜劇』(京文社) 1926
  • 『娘の婿たち 諧謔小説』(京文社) 1926
  • 『笑の王国』(京文社) 1926、のち春陽文庫
  • 『親鳥子鳥』(大日本雄弁会) 1926
  • 『世間相人間相』(大日本雄弁会講談社) 1927
  • 『主権妻権』(大日本雄弁会講談社) 1928
  • 『次男坊 諧謔小説』(大日本雄弁会講談社) 1928、のち春陽文庫
  • 『明るい人生 佐々木邦集』(1928(現代ユウモア全集)
  • 『愚弟賢兄 諧謔小説』(大日本雄弁会講談社) 1929、のち春陽文庫
  • 『脱線息子』(大日本雄弁会講談社) 1929
  • 『笑の天地』(現代ユウモア全集刊行会) 1929
  • 『夫婦百面相 諧謔小説』(弘文社) 1929
  • 『新家庭双六』(大日本雄弁会講談社) 1930
  • 『苦心の学友』(大日本雄弁会講談社) 1930、のち少年倶楽部文庫
  • 『全權先生』(大日本雄辯會講談社) 1932
  • 『少女百面相』(大日本雄弁会講談社) 1933
  • 『村の少年団』(講談社) 1933、のち少年倶楽部文庫
  • 『大番頭小番頭』(大日本雄弁会講談社) 1933、のち春陽文庫
  • 『地に爪跡を殘すもの』(大日本雄辯會講談社) 1934、のち春陽文庫
  • 『人生初年兵』(大日本雄弁会講談社) 1935、のち春陽文庫
  • 『勝ち運負け運』(新潮社、昭和長篇小説全集) 1935
  • 『トム君・サム君』(講談社) 1935、のち少年倶楽部文庫
  • 『世路第一歩・求婚時代』(アトリヱ社、現代ユーモア小説全集) 1935
  • 『人生の年輪』(春陽堂) 1938
  • 『青春豪華版』(春陽堂、ユーモア小説傑作全集) 1938
  • 『出世倶樂部』(大日本雄辯會講談社) 1938、のち少年倶楽部文庫
  • 『家庭三代記』(春陽堂) 1938
  • 『紅白うそ合戦』(大日本雄弁会講談社) 1939
  • 『明朗人生』(鱒書房) 1940
  • 『兄弟行進曲』(偕成社) 1940
  • 『嫁とりアルバム』(東成社) 1940
  • 『お隣の英雄』(大日本雄辯會講談社) 1940
  • 『曇のち晴』(偕成社) 1940
  • 『級の人達』(偕成社) 1941
  • 『強情二人男』(東成社、ユーモア文庫) 1941
  • 『小学出と大学出』(東成社、ユーモア文庫) 1941
  • 『変人伝』(長隆舎書店) 1941
  • 『王将聯盟』(博文館) 1941
  • 『豊分居雑筆』(春陽堂) 1941
  • 『村一番早慶戦』(東成社) 1941
  • 『奇人群像』(春陽堂) 1941
  • 『お互の青春』(大都書房) 1942
  • 『負けない男』(大白書房) 1942
  • 『女性は強し』(輝文堂書房) 1942
  • 『嫁とり婿とり』(文松堂) 1942
  • 『ほがらか道中記』(文松堂、1942
  • 『ロマンスの発育』(東成社、1942
  • 『明暗街道』(大白書房) 1942
  • 『文化村綺談』(長隆舎書店) 1942
  • 『青春夢』(博文館文庫) 1942
  • 『凡人大悟』(輝文堂書房) 1942
  • 『正会員生活』(大都書房) 1943
  • 『世間と人間』(白林書房) 1943
  • 『友情の歯車』(輝文堂書房) 1944
  • 『素顔の時代』(国民文庫刊行会、1944
  • 『海兵』(輝文堂書房) 1945
  • 『明朗人生』(コバルト社) 1946
  • 『求婚時代』(リンゴ書院) 1946
  • 『ロマンスの憧れ』(北光書房) 1946
  • 『友情行進曲』(アルス、ユーモア文学選書) 1946
  • 『百万円合戦』(中央社、ユーモア文庫) 1946
  • 『凡人傳』(大日本雄辯會講談社) 1946、のち改題『凡人伝』(講談社文芸文庫) 2014
  • 『人生縮図』(文学社) 1946
  • 『豊分居閑談』(開明社) 1947
  • 『美人自叙伝』(北光書房) 1947
  • 『兄弟行進曲』(偕成社) 1947
  • 『画塾のロマンス』(有楽社) 1947
  • 『ガラマサどん』(太白書房) 1948、のち春陽文庫、講談社大衆文学館文庫
  • 『友情の扉』(光文社) 1949
  • 『仲よし問答』(朝日新聞社) 1949
  • 『心の歴史』(大日本雄辯會講談社) 1949
  • 『僕らの世界』(光文社) 1949
  • 『大ものクラブ』(ポプラ社) 1952
  • 『妻の秘密筥』(東成社、ユーモア小説全集) 1952
  • 『求婚三銃士』(春陽文庫) 1952
  • 『あこがれの都』(ポプラ社) 1952
  • わんぱく少年』(大日本雄弁会講談社) 1952
  • 『冠婚葬祭博士』(春陽堂書店、現代ユーモア文学選) 1953
  • 『奇物変物』(大日本雄弁会講談社) 1953
  • 『明治學院生活 1953年版』(編、現代思潮社、大学生活シリーズ) 1953
  • 『恐妻病者』(東方社) 1954
  • 『人生は七〇%』(大日本雄弁会講談社) 1954
  • 『恋愛早慶戦』(東方社) 1954
  • 『青春三羽烏』(東京文芸社) 1954
  • 『親友アルバム』(ポプラ社) 1955
  • 『人生明朗曲』(東京文芸社) 1955
  • 『おばこワルツ』(東方社) 1955、のち春陽文庫
  • 『人生若旦那』(東京文芸社) 1955
  • 『新家庭双六』(東方社) 1955
  • 『喧嘩人生』(東京文芸社) 1955
  • 『御婦人閣下』(東方社) 1955
  • 『花嫁三国一』(東京文芸社) 1956、のち春陽文庫
  • 『ロマンス時代』(東方社) 1956
  • 『アパートの哲学者』(東方社) 1956
  • 『無軌道青春』(東方社) 1956
  • 『恋愛心理学』(東方社) 1956、のち春陽文庫
  • 『新夫婦日記』(東方社) 1957
  • 『青春文化運動』(東方社) 1957
  • 『赤ちゃん』(中央公論社) 1958
  • 『ユーモア百話』(研究社出版) 1958
  • 『ガラマサ社長』(春陽文庫) 1962
  • 『英米小ばなし』(研究社) 1962
  • 『人生エンマ帳』(東都書房) 1963
  • 『佐々木邦の手紙』(山蔦正躬篇、みちのく豆本) 1971
  • 『いたずら小僧日記・他一編』(新学社文庫) 1975
  • 『佐々木邦 心の歴史』(外山滋比古編、みすず書房大人の本棚) 2002
  • 『苦心の学友 少年倶楽部名作選』(講談社文芸文庫) 2016

作品集

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  • 佐々木邦全集」全10巻(大日本雄弁会講談社) 1930 - 1931
  • 佐々木邦傑作選集」全12巻(太平洋出版社) 1950 - 1952
  • 『佐々木邦、獅子文六』(講談社、大衆文学大系22 ) 1973
  • 佐々木邦全集」全10巻・補巻5(講談社) 1974 - 1975
  • 『佐々木邦、サトウ・ハチロー集』(三一書房、少年小説大系21) 1996

翻訳・翻案

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  • 『いたづら小僧日記』(メッタ・ヴィクトリア・フラー・ヴィクター、内外出版協会) 1909
    のち春陽文庫
  • ドン・キホーテ物語』(セルバンテス、内外出版協会) 1909
  • 法螺男爵旅土産』(内外出版協会) 1909
  • 『当世良人気質』(内外出版協会) 1910
  • 『グッドボーイ日記』(内外出版協会) 1910
  • 『簡易生活』(シャルル・ワグネ、内外出版協会) 1911
  • 『独身者の独思案』(イク・マーベル、内外出版協会) 1912
  • 『少年少女基督伝』(ジャネー・ハーヴェー・ケルマン、内外出版協会) 1913
  • 『夢想生活』(ドナルド・ジー・ミツチヱル、内外出版協会) 1913
  • 『ピックウイック倶楽部物語』(ヂツケンス、内外出版協会) 1913
  • 『ドン・キホーテ 全訳』(セルヴァンテス、東亜堂) 1914
  • 『ユーモア十篇』(マーク・トウエーン、丁未出版社) 1916
  • 『姑め采配記 風刺諧謔』(ジョージ・ロバート・シムズ、弘学館) 1919
  • トム・ソウヤー物語』(マーク・トウエーン、家庭読物刊行会、世界少年文学名作集)1919
  • 『あべこべ物語』(アンスチイ、家庭読物刊行会、世界少年文学名作集 1920
  • ハツクルベリー物語』(マーク・トウエーン、精華書院、世界少年文学名作集) 1921
  • 『七転び八起き物語』(ラ・サージ、弘学館書店) 1922
  • ミユンヒハウゼンほら物語』(京文社) 1926
  • 『貴族病患者』(マーク・トウエーン、東西出版社) 1946
  • 『わんぱく少年』(オールドリッチ、大日本雄弁会講談社) 1952

脚注

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  1. ^ 『いたずら小僧日記・他一編』( 新学社文庫48、1975) - 「すいせんのことば」

外部リンク

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  • 佐々木 邦:作家別作品リスト - 青空文庫
  • 佐々木 邦 | 明治学院大学 “Do for Others”
  • 佐々木 邦 - 吉備路文学館
  • 佐々木 邦 - allcinema
  • A bad boy's diary(『いたづら小僧日記』の原著) - インターネットアーカイブ
  • 堀部功夫「「いたづら小僧日記」の原書」『同志社国文学』第35巻、同志社大学国文学会、1991年3月、92-103頁、CRID 1390290699887006592doi:10.14988/pa.2017.0000005059ISSN 0389-8717NAID 120005632873 
  • 『いたづら小僧』(1935年10月1日・P.C.L.・山本嘉次郎)