保健センター
保健センター(ほけんセンター)、ヘルスセンター(health center)、地域保健センター(ちいきほけんセンター、community health center)とは、総合診療医および看護師らが勤めている診療所である。一般的には家庭医療および歯科医療を行っており、一部ではさらに内科・小児科・婦人科・家族計画・薬局・臨床検査なども行うところがある。
各国の制度
[編集]アイルランド
[編集]アイルランドでは政府機関Health Service Executive(HSE)によって運営され、プライマリケアおよびコミュニティケアが提供される。
米国
[編集]米国では2006年にNational Association of Community Health Centersが、13~64歳の総合診療および歯科診療者に対して、即時で無料のHIV検査を機械的に行っている[1]。
イギリス
[編集]イギリスの地域保健は全国10ブロックのNHS strategic health authority(SHA)が担っており、現場のサービスはSHA配下の組織より提供される[2][3]。
カナダ
[編集]オンタリオ州ではCommunity Health Centers (CHCs)が40年以上運営されている[4]。CHCは、市民が病気になった時に治療するのではなく、人々の健康状態を保つことに努めている。多くのCHCは電子カルテシステムを活用し、医療に対し学際的アプローチにて取り組んでいる[4]。
ケベック州においては、地域サービスセンター(local community services centres)がCLSCとして知られている。CLSCは定期的に保健・ソーシャルサービスを提供し、また予約があるなしにかかわらない総合診療医の診察も提供する[5]。
日本
[編集]日本では地域保健法に基づく。保健所は都道府県・特別区・政令指定の都市(保健所政令市)レベルの事業である。一方で市町村保健センターは市町村の事業とされる。
中国
[編集]中国では、2011年時点では地域保健センターは32,821施設存在し、また郷レベルにおいては37,374の保健センターが存在する[6]。
フィンランド
[編集]フィンランドでは各自治体がセンターを設置運営する義務を負っており、センターに勤務する総合診療医(GP)、保健士、歯科医によってプライマリケアが提供される[7]。GPの住民受け持ちは、医師一人あたり約307人ほど[8]。
脚注
[編集]- ^ “Community Health Centers Integrate Rapid HIV Screening Into Routine Primary Care, Leading to Significant Increases in Testing Rates”. Agency for Healthcare Research and Quality (2013年5月8日). 2013年5月10日閲覧。
- ^ 「イギリスにおける地域包括ケア体制の地平」『海外社会保障研究』第162巻、国立社会保障・人口問題研究所。
- ^ 2011~2012年 海外情勢報告 (Report). 厚生労働省. 2013. Chapt.3.3.
- ^ a b “Association of Ontario Health Centres”. Association of Ontario Health Centres (2013年9月24日). 2013年9月24日閲覧。
- ^ “Local Community Services Centres (CLSCs)” (英語). Santé Montréal Portal. Gouvernement du Québec (2014年). 2014年8月10日閲覧。
- ^ “Statistical Communiqué on the 2011 National Economic and Social Development”. stats.gov.cn. National Bureau of Statistics of China (2012年2月22日). 2012年4月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年9月5日閲覧。
- ^ イルッカ・タイパレ『フィンランドを世界一に導いた100の社会改革―フィンランドのソーシャル・イノベーション』公人の友社、2008年8月。ISBN 978-4875555315。
- ^ “Health (2004)”. Statistics Finland. 2007年1月22日閲覧。
関連項目
[編集]- 公衆衛生 / ユニバーサルヘルスケア
- プライマリケア / チーム医療