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八代市厚生会館

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
八代市厚生会館

八代市厚生会館(やつしろしこうせいかいかん)は、熊本県八代市にあった多目的ホール2023年(令和5年)7月の八代市議会での廃止条例案可決により廃止された[1]

概要

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芦原義信の設計により、1962年(昭和37年)に八代城跡の西側に熊本県内初の公共ホールとして開館した[1][2]。ともに鉄筋コンクリート造の本館と別館で構成され渡り廊下で結ばれていた[2]。本館は地上3階、地下1階で964席のホールがあった[2]。また別館は2階建てで各種集会室があった[2]日本におけるモダン・ムーブメントの建築に選ばれている[3]

最盛期の1967年(昭和42年)には44万9千人が利用した[4]

2019年の八代市民俗伝統芸能伝承館(お祭りでんでん館)建設に伴い休館[1]。同年7月に別館は解体工事に入った[2]。一方、本館は民俗伝統芸能伝承館(お祭りでんでん館)の完成後に再開するとされていた[1]。しかし、老朽化などを理由に2021年(令和3年)2月に厚生会館のホールの再開中止が決定され、八代市は2023年(令和5年)4月に解体方針を公表した[1]。2018年度の人件費を含めた維持管理費が数千万円となる一方、利用者は6万6千人と低迷した[4]

一方、日本建築学会九州支部は2023年6月8日に八代市に建物の保全と活用を求める要望書を提出した[5]

2023年7月25日、八代市議会定例会で廃止条例案が賛成17、反対9の賛成多数で可決され、この議決により解体を含む施設処分が可能になった[1]

脚注

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  1. ^ a b c d e f 市厚生会館の廃止条例を可決 八代市議会”. 熊本日日新聞 (2023年7月25日). 2023年7月25日閲覧。
  2. ^ a b c d e 八代市厚生会館別館 7月から解体 故芦原氏設計、惜しむ声も”. 熊本日日新聞 (2019年7月7日). 2023年7月25日閲覧。
  3. ^ 八代市厚生会館”. docomomo. 2023年8月4日閲覧。
  4. ^ a b 八代市厚生会館解体へ 市長が方針表明 市民団体は反発”. 朝日新聞 (2023年4月28日). 2023年7月25日閲覧。
  5. ^ 八代市厚生会館「残して」 日本建築学会支部が保全・活用を要望”. 熊本日日新聞 (2023年6月9日). 2023年7月25日閲覧。