不偏ゲーム
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(公平ゲームから転送)
不偏(impartial)ゲームとは、二人零和有限確定完全情報ゲームのうち、各状態でどちらのプレーヤが手を打つにしても、動かす選択肢の集合が常に等しいゲームのことを指す。そうでない二人零和有限確定完全情報ゲームは、非不偏ゲーム(英語: Partisan game)と呼ばれる。ゲームは、二人零和有限確定完全情報ゲームであるため、これ以上の移動が不可能な局面(terminal position)まで進められ、その結果、勝者、敗者が定まる。また、お互いに全ての情報を知り合っていて、偶然性に左右されることがない。
不偏ゲームには、ニム、スプラウト(ゲーム)(英語: Sprouts (game))、クアルト (ボードゲーム)、クラム(ゲーム)(英語: Cram (game))、チョンプ(英語: Chomp)、ノタクト(英語: Notakto)などがある。チェスや囲碁は、黒と白でお互いが動かす色が異なるので、不偏ゲームではない。また、ポーカーなどはお互いの手札が分からないので、不偏ゲームではない。
不偏ゲームは、スプレイグ・グランディの定理を用いて解析することができて、先にterminal positionに動かしたプレーヤーの勝ちとなる正規型のゲームでは常にニム数(英語: nimber)と等価であることが示されている。
条件
[編集]- 2人のプレーヤーは、terminal positionに達するまで交互に交代しなければならない。
- 1人のプレイヤーがterminal positionに達したとき、勝者が決まる。
- 有限回の操作でterminal positionに達する。
- 各状態でどちらのプレーヤが手を打つにしても、動かす選択肢の集合が常に等しい。
- 常にお互い全ての情報を持っていて、偶然性に決して左右されない。
参考文献
[編集]- Michael H. Albert, Richard J. Nowakowski, David Wolfe, 川辺治之(2010). 組合せゲーム理論入門
- https://www.math.s.chiba-u.ac.jp/~yasuda/open2all/game_Main.pdf