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別海ミルク王国

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

別海ミルク王国(べつかいミルクおうこく)は、北海道別海町で1986年から2023年まで存在したミニ独立国

概要

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供給過剰による生乳廃棄問題を背景として[1]、「日本一の酪農地と消費者を結び自然の豊かさを訴える」「未来を担う子どもたちに牛乳を飲んで欲しい」といった思いのもと[2]佐野力三(後の別海町長)らの呼びかけで[3]、別海町内の22戸の酪農家により[2]、1986年3月に建国[3]。町内の中春別地区で酪農を営んでいた佐々木茂成が国王となり[3]、ホクレンや地元農協や別海町のバックアップを受けつつ参加メンバーからの会費をもとに運営した[4]。また乳製品消費拡大のPRと合わせ地元の環境保全への協力も行っていた[1]

活動内容

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主なイベントとして乳搾り教室[5]、別海町産業祭でのジャンボアイスクリーム早食い大会[6]や牛肉料理の提供[7]、牛肉料理・焼肉・野菜などを振る舞う家族交流会などを展開[4]

1988年からは毎年12月に別海町内すべての幼稚園や保育所を巡り園児に乳製品や文房具を配る訪問活動も行っており[8]、佐々木が国王を象徴する赤いガウンと王冠の姿で訪問していた[2]。また末期の2021年には中春別農業協同組合元組合長の小湊保が国王代理として訪問を行った[2]

2022年11月には長年のミルク王国の活動で魅力ある地域づくりに尽力したとして国王の佐々木が別海町善行賞を受賞[9]。しかし当初は20数軒の参加があったものの末期には7-8人程度の参加に縮小し70代以上がほとんどを占め「エネルギッシュな活動が難しくなった」として、2023年3月16日に佐々木の善行賞の祝賀会とあわせて解散の会合を行い、37年間の歴史に幕を閉じた[2]

関連項目

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出典

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  1. ^ a b 風論説委員室から 森川純「ミニ独立国に学ぶこと」 - 北海道新聞2018年1月14日朝刊
  2. ^ a b c d e 別海ミルク王国37年で活動終了国民が高齢化 - 北海道新聞2023年4月13日夕刊釧路根室版
  3. ^ a b c この道の先に根室原野酪農4 PF床丹第二 佐々木茂成さん -北海道新聞2020年7月21日朝刊釧路根室版
  4. ^ a b 生きる 正装で自然保護訴える ミニ独立国別海ミルク王国の国王佐々木茂成さん(72) - 北海道新聞2006年11月13日夕刊
  5. ^ フレフレ酪農豊作旗試作 別海 -北海道新聞1993年10月2日朝刊
  6. ^ こだま - 北海道新聞2014年9月22日朝刊
  7. ^ 秋の味覚味わって別海18日、19日に産業祭 - 北海道新聞2010年9月14日夕刊
  8. ^ 国王サンタ贈り物はヨーグルト 別海ミルク王国町内の園児に - 北海道新聞2007年12月12日夕刊釧路根室版
  9. ^ まちのできごと 別海町表彰式 - 広報別海2023年1月号(別海町役場)
  10. ^ 生産者自ら牛乳消費拡大 別海・中春別農協アイス店を開業 - 北海道新聞2006年5月27日朝刊