利用者‐会話:みっち/翻訳もの
いくつかの訳語について
[編集]みっちさん、Yassieさん:「routine news reports」が「繰り返されるニュース報道」となっていますが、routine <something> という表現は行為の頻度が高いということよりも、行為の理由や行為の様式に特別なところがない、定型的な、決まりきった行為である、といった意味のほうが強いように見うけられます[1]が、「繰り返される」と訳すと頻度が重視されているように私には読めます。みっちさんが書かれた「日常的なニュース報道」か、「定型文的なニュース報道」とでもしたほうがいいのではないでしょうか。「利害の対立」という表現は、異なる利益を代表する2者が対立しているという状況を思わせますが、 en:WP:COI のように、主に1者のなかで異なる利益が相反する状況(ここではたとえば、ある会社に雇用されながらウィキペディアに寄稿する人がいたとき、その人の中で雇用主の利益とウィキペディアの利益とが相反する、など)には「利益相反」が一般的に訳語として使われるように思いますがいかがでしょうか(例:[2])。publications は(可算の場合)「出版物」「刊行物」が通常当てられると思いますが、"Similarly, a series of publications by ..." の箇所でそうしないのは何か意図があるのでしょうか。 --whym(会話) 2014年8月23日 (土) 12:16 (UTC)
- 翻訳作業へのご参加ありがとうございます。私としては、なるべく原文の趣旨を曲げないということのほかにはなにか意図的にそうしたといえる部分はありません。もともと翻訳に自信を持っているわけではないので、精度を高めたいということからYassieさんにお願いして手を入れていただきました。whymさんのご指摘はいずれも納得の行くものです。最後のご指摘の箇所がちょっとよくわからなかったのですが、もし修正していただけるなら大歓迎です。--みっち(会話) 2014年8月24日 (日) 00:39 (UTC)
- お返事有難うございます。編集を許可いただいたと判断して、上記の点に手を入れさせていただきました。利用者ページですので、みっちさんの本意でない部分がありましたらもちろん遠慮なく取り消してくださってけっこうです。 --whym(会話) 2014年8月24日 (日) 14:32 (UTC)
- こちらこそご意見と編集いただいたことに感謝します。--みっち(会話) 2014年8月24日 (日) 15:15 (UTC)
- お返事有難うございます。編集を許可いただいたと判断して、上記の点に手を入れさせていただきました。利用者ページですので、みっちさんの本意でない部分がありましたらもちろん遠慮なく取り消してくださってけっこうです。 --whym(会話) 2014年8月24日 (日) 14:32 (UTC)
notabilityの訳語について
[編集]この提起は、この文書のガイドライン化に向けて、その根幹をなすnotability の訳語について決着を付けることが必要という問題意識からで、そのためかなり手を広げて材料を考えたつもりです。個人的には「特筆性」という用語には問題が多いと判断しており、以下はそうした個人的な観点が含まれているということで割り引いて読んでください。重要なのは、もう一度あらためて確認する、ということであって、その結果「特筆性」をそのまま使うことはあり得ると思います。
議論で円滑に合意できればいいのですが、できない場合は、二段階の投票によって決めたいと思います。第一段階では、候補数無制限かつ複数投票可とし、選んだ理由をコメントとして義務づけます。過半数を取った候補があればそこで決まり。決まらない場合は第二段階にすすみ、上位2(得票同数の場合は3以上もある)候補のうちどちらかを選ぶ決選投票、ということでいかがでしょう。
なお、この提案は文書中の訳語の変更についてのみであり、文書のタイトルについては「独立記事作成の目安」のままでよいと考えています。これは、過去の合意の中では尊重すべきレベルにあるということと合わせて、notability が推定できるからといって単独記事にふさわしいかどうかは別問題という、この文書の性格を表すタイトルとして適切だという判断からです。
notability の概念(再掲)
[編集]英語版からnotability に関して定義や重要な言及がなされていると思われる部分を抜き書きしました。以下の7点になろうかと思います。これは「特筆性」の用語の問題を考える際にも重要になってくるものです。
- notability とは、対象となる主題について記事を立てるにふさわしいかどうかを判断するために用いられる指標(テスト)である(冒頭)。
- notability の概念は、「検証可能性」という基本的な規範を、「主題についての情報を無差別に収集しないこと」(WP:IINFO)に適用したものである(冒頭)。
- 記事や一覧記事の主題は、著名(notable)であるか、または「注目に値し」("worthy of notice")なければならない(冒頭)。 notability の判断は名声、重要性、人気(fame, importance, or popularity)などには必ずしも依存しないが、それらの要素は以下の「一般的な目安」(WP:GNG)を満たしやすいものにする(冒頭)。
- notability の証明には、対象から独立した、複数の信頼できる二次情報源が必要(WP:GNG)。ただし、notability が要求するのは、そのような情報源が「存在している」ことであって、それを「出典として記事に明示する」ことではない(WP:NRVE)。
- notability は推定(あるものと仮定)するのであって、保証はしない(WP:GNG)。
- notabity の目安は、記事内容には適用されない(WP:NNC)。同様に、ウィキペディアの記事内容は、notability を決定しない(「特筆性は記事の内容では決定されない」)。
- notability は一時的ではない(WP:NTEMP)。
これまでの経緯
[編集]この文書のこれまでの経緯について、ざっとですが振り返ってみます。
- この文書は当初「著名性」というタイトルでした。しかし、Wikipedia‐ノート:独立記事作成の目安/過去ログ1#Notableを著名性と日本語訳することについてにおいて、IP利用者から「著名でなければ掲載できない」という印象づけになる、術語として非常に曖昧という理由から異議が唱えられました。当初は「著明」という案が出されていましたが、「notabilityというと、特筆に値する、みたいな意味」(Ks aka 98さん)、「"worthy of notice"という言い換えの意を汲」むことや「fame(有名)との意味の違いが分かりやすい」(いずれもDwyさん)といった意見から「特筆性」に変更する提案がなされ、「投票」が行われました。結果は1票差で「特筆性」ということになりましたが、投票のあり方や結果のとらえ方をめぐって紛糾しています。ちなみにこのとき私は改名に反対しました。その後も「特筆性という言葉にはニュアンスに問題がありすぎる」(崎山伸夫さん)、「特筆性という言葉はこの文書の位置することとは違う」(Jmsさん)といった反対意見が出されるなど、「特筆性」という表記への不満が残る結果となりました。
- Wikipedia‐ノート:独立記事作成の目安/過去ログ2では、それまでの紛糾を受けて、この文書のあり方について、広い意味でのやりとりがなされていますが、文書自体への具体的なアプローチには進展していません。
- Wikipedia‐ノート:独立記事作成の目安/過去ログ3では、「いつまで草案のままなのか」(KAMUIさん)、「立項基準」にしてはどうか(IP利用者)といった提起があり、「特筆性をめぐって議論になっちゃうような削除依頼には終止符を打ちませんか」(Nekosuki600さん)といった削除依頼での弊害についての指摘がなされました。Ks aka 98さんによって「叩き台」としてWikipedia:特筆性/改善案「収録項目の基準」が作られ、これに基づく長い議論となりましたが、ガイドライン化には至りませんでした。
- Wikipedia‐ノート:独立記事作成の目安/過去ログ4では、本文についての直接的な議論はありません。
- 現ノートページでは、テンプレートの運用について議論があり、その後、この文書のガイドライン化について3度提起がありましたが、文書名の問題が未解決としてすべて見送られています。この間、Trcaさんから英語版に基づくWP:WHYNの移入が提案されましたが、これも反対意見が多く見送られました。改名に向けて動き始めたのが#ガイドライン化に向けての相談からで、名称案をしぼってゆき、「独立記事作成の目安」という文書名となりました。しかし、notability の訳語としては「特筆性」が記述にそのまま残っており、加えて、「改名後の編集」においてこの文書の本質的な部分が改変されていたことが判明し、ガイドライン化は頓挫しました。
語義など
[編集]英和辞典によると、notability の意味は次のとおりです。なお、私は基本的に研究社の「新英和中辞典」(第5版)を使用しており、このほか翻訳サイトもいくつか参考にしています。
- notability=著名
- notable=注目に値する。著しい。顕著な。有名な。
また、候補になりそうな類義的な用語について、日本語の辞典を引いた結果と、それに対応する英語についても代表的なものを以下に挙げてみました。
- 知名(英語:notability, popularity)
- 世間に名が知られていること。←→無名(新明解国語辞典初版)
- 世間に名がよく知られていること。(広辞苑第五版)
- 着目(英語:aim)
- 将来の発展性や事柄の重大性に目を付けること。(新明解国語辞典初版)
- 気をつけて見ること。特に目をつけること。着眼。(広辞苑第五版)
- 注目(英語:attention)
- 目をそちらへ向けて、よく見ること。注意してみること。(新明解国語辞典初版)
- 目をそそぐこと。みつめること。また、注意を向けること。関心を寄せること。(広辞苑第五版)
- 著名(英語:notability, celebrity)
- 同類の中でずば抜けた存在として広く名前が知られている様子。(新明解国語辞典初版)
- 名がよく知られていること。名高いこと。有名。(広辞苑第五版)
- 特筆(英語:memorable, special mention)
- 特に、そのことを大々的に書き立てること。(多くは、ほめて大げさに書く意に用いられる。)(新明解国語辞典初版)
- 特にとりたてて記すこと。殊に目立つように書くこと。多く、強調してほめる場合にいう。(広辞苑第五版)
- 特記(英語:special notes)
- わざわざ、その事を取り上げて書くこと。(新明解国語辞典初版)
- 特別に取り上げ、またその重要さがはっきりわかるように、書き記すこと。(広辞苑第五版)
- 認知(英語:recognition)
- (嫡出でない子について)自分が、その子の父(母)であることを認める法律上の手続き。(新明解国語辞典初版)
- 1. 事象について知ること、ないし知識を持つこと。広義には知覚を含めるが、狭義には感性に頼らずに推理・思考などに基いて事象の高次の性質を知る過程。2. 嫡出でない子と父または母との間に法律上の親子関係を成立させること。
- 有名(英語:famous)
- その当時の人ならだれにでもその名が知られている様子。←→無名(新明解国語辞典初版)
- 名を有すること。世間に広く名の知られていること。名高いこと。(広辞苑第五版)
また、ウィキペディアの漢語圏他言語版での表記は次のようになっています。
- 中国語版:「关注度」(関注度)。なお、もともとは「知名度」だったがその後改名された、という大和屋敷さんのコメントが過去ログにあります。
- 広東語版:「知名度」
考察
[編集]以上をふまえて、notability の訳語について、私の考えを述べます。
著名性
[編集]まず、notability に対応する日本語としては、「著名」が一般的であることに異論はないように思います。この文書のタイトルがはじめ「著名性」だったのはこのためでしょう。ではなぜこれではまずいと考えられたかですが、過去「著名性」のデメリットとして挙げられているものとしては、「著名でなければ掲載できないという印象づけになる」、「術語として非常に曖昧」、「fame(有名)との意味の違いが分かりにくい」などがあります。前二者については、実は「著名」固有の問題というわけではなく、これをどのような用語に替えたところで同じ指摘が可能という点で、詭弁でしかありません。
しかし、著名と有名との違いが分かりにくいというのは確かにその通りで、「有名じゃない(or自分が知らない)から、削除」といった行動につながるとすれば、これは考慮の余地がありそうです。また、経過はともかく、いったんは退けられた用語であることは事実で、蒸し返しではないかという見方もあるでしょう。
特筆性
[編集]次に、「特筆性」ですが、「notabilityというと、特筆に値する、みたいな意味」、「"worthy of notice"という言い換えの意を汲」みつつ「fame(有名)との意味の違いが分かりやすい」という点が支持されたものと考えます。また、この間すでに定着しているという理由からいまさら変更するのは混乱を招く、という判断もあろうかと思います。
一方で、「特筆性という言葉にはニュアンスに問題がありすぎる」、「特筆性という言葉はこの文書の位置することとは違う」といった指摘も当初からあります。というのも、「特筆」は「特筆大書」という用語で表されるように、とりたてて大々的に書く、というかなり強い表現であり、同時に記事中の説明文で触れるかどうかという場合の本来的な意味での「特筆」と混同されてしまう、という問題があるからです。「出典がないから、削除」というのはこの文書の趣旨から逸脱した誤用ですが、「特筆性」の用語がもつ強いニュアンスは、「取り立てて書くようなことじゃないから、削除」といったミスリードを生じさせる可能性を高めているのではないかと考えます。また、「特筆に値する」という表現からは、「価値」という言葉につながり、これが「主題そのものの価値」という風に一人歩きを始めるおそれがあります。この文書のタイトルが「独立記事作成の目安」に変えられたのは、これらのデメリットの大きさゆえでしょう。
なお、これまで述べてきた中で、「有名じゃないから、削除」や「出典がないから、削除」などという判断は、この文書を読めば本来あり得ないものです。しかし、現にそのような指摘がされる現状があるとすれば、用語をどのように選んだところで、削除目的の利用者は自分に都合よく解釈するという説も成り立ちます。この点では、これ以上の改名自体が無駄であり混乱を増すだけという見解もあるでしょう。しかし、この文書が対象としているのは、そうした「削除主義者」や悪用者ばかりではありません。将来にわたっていかに誤解を少なくし、適正な運用がなされるか、そのためにはどういう用語がふさわしいのか、という観点をもつべきですし、なるべくなら誤解の少ない、文書の性格を的確に示せる用語を選ぶべきです。
その他の候補
[編集]これまでのところ、辞書的な意味の上でも、この文書の性格という点でも、より実態に即しているのは「著名性」であって「特筆性」ではない、というのが私の判断です。ただ、この二者の比較では「著名性」が勝っているとしても、もっとよい別の用語があれば、より広範な支持・合意に結びつくかもしれません。
他に考えられる候補としては、外国語版で採用されている「注目度」、「知名度」あたりが挙げられるでしょう。「知名度」は「著名性」とさほど変わらない印象なので、ここでは「注目度」について考えてみました。これなら「有名」との区別も付き、冒頭の"worthy of notice"にも対応しています。文書の性格を表す意味でも問題がないように思います。ただ、私としては、「○○度」という言い方はバロメーターの高低に結びつくために線引きしにくい面があり、性質の有無や程度を示す「○○性」の方が語尾としてはふさわしいように思います。この点で、「注目性」はかなり有力かと考えました。他にも「認知度」や「着目性」などといった候補がありそうですが、従来のものよりよいかどうかはわかりません。したがって、投票の場合は、多様な候補を同列に並べて吟味するという段階があった方がいいのではないか、ということで二段階制を提案しているわけです。