利用者‐会話:240D:1A:F97:A600:C5A0:3C84:1BD7:9D9D

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名誉領事館?[編集]

在フランス日本国大使館に「在パペーテ日本国名誉領事館」について加筆されていましたが、これは本当に実在しますか?というのは、在仏日本大使館のサイトにも外務省のリストにも、Consuls honoraires「名誉領事」という記述はありますが、Consulats honoraires「名誉領事」という記述が見当たらないためです。こちらに記載されているお二人は確かに名誉領事には任命されたのかもしれませんが、その住所が「名誉領事館」と呼んでいいのか疑問があり、お伺いした次第です。--むじんくん会話2023年4月3日 (月) 18:14 (UTC)[返信]

ご質問ありがとうございます。まず結論から申し上げると、在パペーテ日本国名誉領事館は実在する名誉領事館です。
むじんくんさんのご質問は、領事館や大使館などといった日本語表記を見れば当然思い至るべきもっともな疑問だと思います。以下、順を追ってご説明させていただきます。
  1. まず、領事館に相当するフランス語は consulat、英語は consulate ですが、consulat/consulate と領事館は厳密には意味する範囲が異なります。consulat/consulate は、「ある領事が率いる使節団の場所(住居や事務所)」というのが定義です(参照: )。ここで留意すべきは、consulat/consulate という単語は必ずしも事務所や豪勢な建物に限定されず、単なる領事の住居も含まれるという点です。日本語で使われる「領事館」という字面を見ると何となく事務所やそれなりに立派な建築物を連想してしまいますが、フランス語 consulat や英語 consulate は領事が率いる使節団という点に意識が向いています。一例を挙げると、幕末にアメリカ合衆国のハリス総領事が下田にある玉泉寺を間借りしていましたが、このように独自の建築物がなくてもれっきとした consulat/consulate なのです。
  2. 同じく、大使館に相当するフランス語は ambassade、英語は embassy ですが、ambassade や embassy と大使館も厳密には意味する範囲が異なります。フランス語 ambassade や英語 embassy は ambassadeur〈仏男〉/ambassadrice〈仏女〉/ambassador〈英〉に率いられる集団という意味が定義で、大使館という単語よりもかなり意味が広くなります。例えば、江戸時代初頭の慶長遣欧使節や明治初頭の岩倉使節団なども ambassade/embassy に含まれます。英語では、embassy のうち建物だけを特に指したい場合に chancery という単語を使います(参照: en:Chancery (diplomacy))。“Chancery of the Embassy” と表現すれば、日本語の「大使館」が持つ意味合いとほぼ一致させることができます。
  3. 「ここはウィキペディア日本語版なのだから、フランス語や英語に捉われず日本語に準拠すべきだ」という意見も考えられます。しかし、幸か不幸か現今(21世紀前半時点)の国際法や外交用語はウェストファリア条約ないしそれ以前からのヨーロッパの歴史に源流を持つ条約や慣習法の集大成であるため、フランス語や英語を無視することは難しいのが現状です。そもそも「国際法」なる単語自体が英語 “International Law” に由来しており、かつては「万国公法」と翻訳されていたくらいです。
  4. ここからは「名誉領事館」の具体的を挙げましょう。実のところ、日本国外務省も「ある領事が率いる使節団の場所(住居や事務所)」という原義に基づいた consulat/consulate を採用した上で情報を公開しています。公式ウェブサイト内の駐日外国公館リストで複数の例を確認ができますが、ここで一例を挙げると「在福岡モンゴル国名誉領事館」が該当します。現職の名誉領事の住所は賃貸マンションの一室です。(参照: 駐日外国公館リスト アジア | 外務省
  5. フランス語 « Consulat honoraire du Japon à Papeete » の使用例。(参照: 例1例2
  6. 英語 “Honorary Consulate of Japan in Papeete” の使用例。(参照: 例1例2

ご説明は以上です。上記の理由を総合的に考えて「在パペーテ日本国名誉領事館」という表記を採用しましたが、納得できないということであれば「ノート:在フランス日本国大使館」にて議論を深めるという選択肢も考えられるでしょうし、私としても議論や質問を妨げるものではありません。ご理解のほど、よろしくお願い致します。--240D:1A:F97:A600:D82:179B:4A84:10D9 2023年4月3日 (月) 19:53 (UTC)[返信]

歴史的経緯も含めて詳細にご説明いただきありがとうございます。外交分野は多くの慣行の積み重ねで成り立っており門外漢には理解が難しく、大変勉強になります。そのご説明を踏まえて改めて疑問を出したいのですが、国際法上の取り扱いはご説明いただいたとおりだとして、日本の実定法上は外務省設置法において第6条で「在外公館の種類は、大使館、公使館、総領事館、領事館及び政府代表部とする」と在外公館の種類を定め、その中に「領事館」Consulatも含まれていますが、第14条において「外務大臣は、外国において外務省の所掌事務の一部を遂行するため必要と認めるときは、名誉総領事又は名誉領事を任命し、これを所要の地に置くことができる」として名誉領事Consul honoraireの任命について定めているものの、名誉(総)領事に対応して在外公館を置くことについては規定がありません。日本政府は外国人を名誉(総)領事に任命することはあっても、ウェブサイト上などでも日本政府が「名誉(総)領事館」を置くといった表現をしているのは見たことがありません。ご紹介いただいたとおり、外国政府が日本人を名誉領事等に任命し、名誉領事館等を置いている例があることは確かですが、それはその国の法制度に基づくものでしょう。国際法と国内法の関係一般については国際法が優位するというのが一般的な考え方だと思いますが、こと日本政府の外交組織に関わる部分については、日本法に基づいた記述を行うのが望ましい、というのが私の考えです。
なお、この会話ページは可変IPV6利用者のもので同一性の担保や対話の継続が困難となることも想定されますので、そのように判断された場合にはノート:在フランス日本国大使館などに場所を移したいと思います。--むじんくん会話2023年4月4日 (火) 12:08 (UTC)[返信]
ご回答およびご意見ありがとうございます。結論から申し上げると、日本国政府は方々で「名誉(総)領事館」と表記しておりまして、むじんくんさんの事実認識は誤っています。
抽象論を述べても非生産的なので、日本国政府が「名誉(総)領事館」と表記している実例を以下に列挙します。
※なお、日本が名誉(総)領事を任命する形での「名誉(総)領事館」は大日本帝国時代から既に使われており、“帝国名誉領事館”(帝國名譽領事館)でウェブ検索すれば複数の事例がヒットします。煩雑になるので、戦前や戦時中の「名誉(総)領事館」の列挙は割愛させていただきます。
パペーテの名誉領事館を筆頭に、現実に日本国政府が「名誉(総)領事館」という表記を採用し、公開しているという点にご留意ください。「こと日本政府の外交組織に関わる部分については、日本法に基づいた記述を行うのが望ましい」という認識を踏まえた上で、在パペーテ日本国名誉領事館は実在する名誉領事館なのです。
以上、ご理解のほどよろしくお願い致します。--240D:1A:F97:A600:55F2:C54:B5B7:F367 2023年4月5日 (水) 16:24 (UTC)[返信]
 追記ノート:在フランス日本国大使館」にて、“「在パペーテ日本国名誉領事館」という呼称の妥当性について” という節を立てました。今後もし追加でのご質問や議論などございましたら、そちらで提議してくださいますよう、よろしくお願い致します。--240D:1A:F97:A600:55F2:C54:B5B7:F367 2023年4月5日 (水) 16:30 (UTC)[返信]
横から失礼 横から失礼 本題とは関係ありませんが、「同一性の担保」については、こちらのIPユーザがIP:240D:1A:F97:A600::/64会話 / 投稿記録 / 記録 / Whoisの帯域である事を踏まえるとある程度は保証されると思います。尚、個人的に気になった事をIPユーザさんにお尋ねしますが、IP:2404:7A82:560:A700::/64会話 / 投稿記録 / 記録 / Whoisの投稿記録にお心あたりはありますでしょうか?先に申しました通り、「個人的に気になった事」ですので、お答えしたくなければお答え戴くなくても結構ですが。--125.170.218.72 2023年4月11日 (火) 11:35 (UTC)[返信]