利用者‐会話:Diagonal/年表
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年表
[編集]年月日 | 項目 | 事項 |
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2012年8月30日 | 主論文公表 | 京都大学数理解析研究所教授の望月新一が、宇宙際タイヒミュラー理論によりABC予想を証明したとする論文を京都大学数理解析研究所の編集する専門誌『Publications of the Research Institute for Mathematical Sciences』 (以下『PRIMS』)に投稿した。また、初稿が同誌のプレプリントで公開された[1][2]。 |
2012年10月 | 指摘事項 | ヴェッセリン・ディミトロフ[3]とアクシェイ・ヴェンカテシュによる数値的有効性に関する指摘[4]があった。この指摘を受けて論文を「弱いABC予想」の証明に修正した。 (なお「強いABC予想」の証明については、2020年11月の記載を参照) |
2015年 | サーベイ | イヴァン・フェセンコによる理論のサーベイ論文[5]が発表。 |
2017年9月 | サーベイ | 京都大学数理解析研究所の山下剛による理論のサーベイ論文[6]が発表。 |
2017年12月 | 報道 | 朝日新聞が「望月新一のABC予想解決論文が雑誌に掲載見込み」と報道[7]。 |
2018年5月 | 指摘事項 | ペーター・ショルツェとジェイコブ・スティックスは、2018年3月の京都での望月および星との議論を受けて、系3.12の証明の反例となるレポート[8]を提示し、「小さな修正が証明戦略を救うことができない、そして望月のプレプリントはABC予想の証明を主張することはできない」と主張した。 望月は、反例においてIUT理論にいくつかの誤った簡略化がおこなわれていると反論し、2018年9月に、質疑のレポート[9]を公開した。 |
2020年4月3日 | 主論文受理 | PRIMSの共同編集委員長である京都大学数理解析研究所(RIMS)の柏原正樹、玉川安騎男より、2020年2月に望月の証明が『PRIMS』の査読を通過したことが発表された。 「ABC予想を証明した望月氏の論文が正しいものであると判断した」[10]。 また、内容に懐疑的な海外の数学者もいるが「望月教授自身が反論もしており、(ショルツェ教授からの)再反論もない」[11]ことの認識を表明し、「反論は出尽くしており、今後も平行線のままではないか」[12]との見方を示した。 |
2021年3月4日 | 主論文掲載 | 望月の論文が『PRIMS』の特別号電子版に4日付で掲載された[13][14]。PRIMS誌の審査のまとめ役である玉川安騎男は「今回掲載されたものが未来に残る最終確定のものだ」とコメントした[15]。また、望月は理論のどの側面が誤解されていると考えるか示したレポート[16]を公開した。 |
2021年7月31日 | レビュー | ヨーロッパ数学会が運営するzbMATHにペーター・ショルツェの書評が掲載され、「このシリーズの最初の3つのパートにおいて、読者は残念ながら実質的な数学的内容をほんの少ししか見出さないだろう。第2部と第3部では、肝心の系3.12に、数行以上の証明を見出さないだろう」という否定的なコメントが付された[17]。 |
2021年11月 | 改良論文受理 | 数値的有効性の問題を回避した「強いABC予想」の証明についても、東京工業大学が発行する数学誌「Kodai Mathematical Journal」が、ヴォイチェフ・ポロウスキ、南出新、星裕一郎、イヴァン・フェセンコ、望月新一らによる宇宙際タイヒミュラー理論の追加論文[18]を受理したことが報道[19]された。この結果により、IUT理論によるフェルマーの最終定理の新たな方法による証明を得た。 |
2022年4月 | レビュー | アメリカ数学会が運営するMath Reviews誌にエクセター大学教授のモハメド・サイディ_(数学者)[20]の書評が掲載され、宇宙際タイヒミュラー理論のCor3.12に関連するTheorem 3.11を肯定するレビューが公表[21]された。 |
2022年7月 | 改良論文掲載 | 東京工業大学が編集する数学論文誌Kodai Mathematical Journalが、従来のIUT理論の不等式を楕円曲線の 6 等分点を用いて数値的に明示的な形(非明示的な「定数」が現れない)に帰結させた、ヴォイチェフ・ポロウスキ、南出新、星裕一郎、イヴァン・フェセンコ、望月新一らの査読論文を掲載[22]した。 |
--Diagonal(会話) 2022年8月29日 (月) 11:08 (UTC)
- ^ “京都大学数理解析研究所 - プレプリント -”. www.kurims.kyoto-u.ac.jp. 2021年4月17日閲覧。
- ^ Mochizuki, Shinichi (2012a), Inter-universal Teichmuller Theory I: Construction of Hodge Theaters
Mochizuki, Shinichi (2012b), Inter-universal Teichmuller Theory II: Hodge-Arakelov-theoretic Evaluation
Mochizuki, Shinichi (2012c), Inter-universal Teichmuller Theory III: Canonical Splittings of the Log-theta-lattice
Mochizuki, Shinichi (2012d), Inter-universal Teichmuller Theory IV: Log-volume Computations and Set-theoretic Foundations, オリジナルの2016-12-28時点におけるアーカイブ。 2012年9月9日閲覧。 - ^ “Vesselin Dimitrov”. math.toronto.edu. トロント大学数学科. 2021年6月3日閲覧。
- ^ この議論の発端は、MathOverflowの記事 Philosophy behind Mochizuki’s work on the ABC conjecture である
- ^ Ivan Fesenko. (2015) "Arithmetic deformation theory via arithmetic fundamental groups and nonarchimedean theta functions, notes on the work of Shinichi Mochizuki."
- ^ Go Yamashita, A Proof of abc Conjecture After Mochizuki
- ^ “数学の超難問・ABC予想を「証明」 望月京大教授”. 朝日新聞デジタル. 2022年8月27日閲覧。
- ^ “why abc is still a conjecture”. 2021年11月13日閲覧。
- ^ “REPORT ON DISCUSSIONS, HELD DURING THE PERIOD MARCH 15 – 20, 2018, CONCERNING”. 2021年11月13日閲覧。
- ^ INC, SANKEI DIGITAL (2020年4月3日). “数学の難問「ABC予想」証明 望月京大教授の論文、学術誌に掲載”. 産経ニュース. 2021年11月13日閲覧。
- ^ “望月教授「ABC予想」証明 斬新理論で数学界に「革命」 京大数理研「完全な論文」”. 毎日新聞. 2021年11月13日閲覧。
- ^ “難問「ABC予想」論文が掲載 京都大の望月教授が証明(共同通信)”. Yahoo!ニュース. 2021年11月13日閲覧。
- ^ “EMS Press | Publications of the Research Institute for Mathematical Sciences Vol. 57, No. 1/2” (英語). ems.press. 2021年11月13日閲覧。
- ^ "難問「ABC予想」論文が掲載". 共同通信. 5 March 2021. 2021年4月4日閲覧。
- ^ “「数学史に刻まれる」偉業、難問「ABC予想」証明成功の論文掲載…京大教授 : 科学・IT : ニュース”. 読売新聞オンライン (2021年3月7日). 2021年11月13日閲覧。
- ^ “ON THE ESSENTIAL LOGICAL STRUCTURE OF INTER-UNIVERSAL TEICHM ̈ULLER THEORY IN TERMS OF LOGICAL AND “∧”/LOGICAL OR “∨””. 2021年11月13日閲覧。
- ^ https://zbmath.org/pdf/07317908.pdf
- ^ “京都大学数理解析研究所 - プレプリント -”. www.kurims.kyoto-u.ac.jp. 2021年11月13日閲覧。
- ^ “フェルマーの最終定理「おまけで証明」 IUT理論、京大・望月教授:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル. 2021年11月27日閲覧。
- ^ “Prof Mohamed Saidi”. emps.exeter.ac.uk. University of Exeter. 2022年5月8日閲覧。
- ^ “Mochizuki, Shinichi Inter-universal Teichmüller theory IV: Log-volume computations and set-theoretic foundations. Publ. Res. Inst. Math. Sci. 57 (2021), no. [1-2, 627–723.]”. 2022年4月29日閲覧。
- ^ Mochizuki, Shinichi; Fesenko, Ivan; Hoshi, Yuichiro; Minamide, Arata; Porowski, Wojciech (2022-06). “Explicit estimates in inter-universal Teichmüller theory”. Kodai Mathematical Journal 45 (2): 175–236. doi:10.2996/kmj45201. ISSN 0386-5991 .
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