利用者:はかいし/sandbox
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AR詩とは、ARすなわち拡張現実(Augmented Reality)を用いた詩のことである。ここではni_kaのAR詩を取り上げる。
概要
[編集]AR詩は北園克衛や新国誠一を意識した詩作品である。北園克衛は写真=詩という図式を打ち立てた人物であり、新国誠一とともに具体詩の宣言を出しており、その流れを汲むものとなっている[1][2]。
AR詩はセカイカメラによって製作された作品であり、ハローキティを中心とするキャラクターや文字がスマートフォンの画面を通してふわふわと浮かんでいるように見えることが特徴である。セカイカメラの2014年のサービス終了とともに見えなくなった。作品の文字をタップするとそこに文字を書き加えることができ、そのようなリレーショナル性が重要である。
ni_kaの作品は東日本大震災以降、薔薇をモチーフとするARが見えるようになった。これはパウル・ツェランの『誰でもない者の薔薇』を意識した、喪の表現となっている[3]。
『DOMMUNE オフィシャルガイドブック2』にて「2012年の日本を発電させるカルチャーエネルギーベスト100!!!!!!」のひとつに「AR詩」が選ばれたことは、AR詩を社会に認知させるきっかけとなった[4]。柴田元幸によるNHKラジオテキスト「英語で読む村上春樹」の「それがTVピープル」――視覚表現あれこれにて、最果タヒとAR詩が紹介されている[5]。また、震災以降の表現の形態として、和合亮一と並んで評価されている[6]。
2016年には、Layarを用いたAR詩を、静岡大学にて展示した[7]。これを含めると、ni_kaはこれまでにAR詩を5回発表している。
門林岳氏は、セカイカメラによる詩作品を2回体験し、ベンヤミンに触れながら批評し、都市空間と作品世界の境界について、京都国際舞台芸術祭のAR詩劇「キャラクターズ・リブ」は、現実の都市空間と作品世界の境界が曖昧になっていくような経験を与えられず、鑑賞者はテクストを探し求めることに必死でセカイカメラの画面に没入し、結果として都市空間をないがしろになってしまった、としている。しかし一方で、東京の「floating view "郊外"からうまれるアート」展(トーキョーワンダーサイト本郷)で体験したAR詩についても触れ、都市空間にあるセカイカメラのエアタグの、他のノイズさえもが作品なのかもしれないと語っており、門林はそこに喪を見出している。すなわち、都市空間と作品世界とを区切ろうとする鑑賞者の姿勢そのものが問われている、と取ることもできる[8]。実際、京阪地域は1995年の阪神・淡路大震災で被害を受けており、震災による都市空間の変貌を強く意識した土地柄であったことは、想像に難くない。
作品
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- ^ 慶應義塾大学文学部設置総合教育科目公式ブログ の講義での言及がある。
- ^ https://camp-fire.jp/projects/view/3955 のトークにて言及がある
- ^ インタビュー「喪の限界を超えるAR詩の時間と空間」『Panic Americana』vol.17
- ^ 『DOMMUNE オフィシャルガイドブック2』河出書房新社 2011年 p49-50
- ^ 日本放送協会 「英語で読む村上春樹」2015年4月号
- ^ 『世界文学比較研究』第48集(世界文学比較学会、2014年9月)
- ^ https://www.shizuoka.ac.jp/sp/event/detail.html?CN=3300
- ^ http://10plus1.jp/monthly/2014/01/enq-2014.php#16742