利用者:オランウータン

このオランウータンのWikipedia投稿中止について

このオランウータンに日本語とWikipediaへの投稿を指導した高木です。2020年4月以降、このオランウータンはWikipediaに投稿することはできなくなりました。一連の経緯を説明いたします。

私がこのオランウータンに日本語を指導したのは望郷の念にかられてのことで、科学的な動機ではありませんでした。しかし意外に読解ができるようになりましたので、当時私が作成したWikipediaのアカウントを使用して、投稿の練習をさせました。赤色のテンプレートが貼られていると興味をそそられるようで、積極的に編集しました。

2012年、このオランウータンは日本に輸出されることになりました。私はこのオランウータンにWikipediaのアカウントを譲り渡し、自由に投稿させることにしました。人間との直接対話は問題を起こす可能性があるため、日本側で名前空間に制限がかけられましたが、資料収集も含めて自由に活動していたようです。

しかし、その自由が裏目に出ました。2018年、「オランウータンの日」関連行事に参加するため横断歩道を横断中、自動車に追突されました。事故で脳に損傷を受け、言語能力は著しく低下しました。当初、日本語は一切使えませんでしたが、日本側で回復訓練を行ったため、事故前の60%の水準まで回復しました。

回復処置にあたっていたスタッフが必要な資料の読み聞かせをする形で、Wikipediaの編集も再開しましたが、2020年にはこの対応も不可能となりました。COVID-19蔓延に伴い、読み聞かせに懸念が生じたほか、外出できるスタッフも資料入手ができなくなったためです。

この事態を受けて、今後の対応について議論が行われました。事故以前に、そもそもハイブリッド・オランウータン種に自由行動をさせていたことが問題、と指摘がありました。またWikipediaに投稿させていたこと自体が虐待にあたり、ワシントン条約の趣旨と整合しない、とする指摘もありました。

2020年4月、このオランウータンにWikipedia投稿を許すことは困難である、との結論が出されました。現状では本国への輸送は手配が難しいため、日本で山岳地帯に隔離し、今後はWikipediaへの投稿を支援しないことが決定しました。このオランウータン自身には自由行動可と認識されるはずですが、ハイブリッドであるため、実際には監視は継続されます。

以上の理由により、当分の間、このアカウントからの投稿は行われません。著作権は人間以外には設定されませんので、2012年以降にこのアカウントから投稿された文章はPDと扱っても差し支えないと思います。

高木豊内