利用者:和太郎/胡麻和え
石焼き(いしやき)とは、石板(石焼プレート)や小石等を熱して、その伝導熱で材料を焼く調理方法、およびこの方法で調理された料理。代表的な料理としては次のものがある。
石焼きに利用される石は、熱すると遠赤外線を発して材料を内側から加熱するため、ふっくらとした焼き上がりになるとされる。
小石を使用する石焼き
[編集]小石を使用する石焼きは、中国やインドでは露天商が栗や落花生を焼くのに広く用いている加熱法である。日本では焼き芋屋が屋台や軽トラックに専用の釜を積み売り歩く姿は冬の風物詩のひとつである[1]。
石焼き芋
[編集]密閉容器の底に那智黒石などの小石を引き、その上にサツマイモを乗せ容器の下から過熱すると小石から遠赤外線が放射される。放射された遠赤外線は容器内で反射しサツマイモの表皮1ミリ付近で吸収され、デンプンなどの分子が振動し、その摩擦熱が熱源となる。遠赤外線加熱での調理によって、サツマイモの表皮付近の温度は250℃に達し、水分は急速に蒸発する。しかし、内部の温度は65-75℃に維持され水分を損なうこと無くゆっくりと加熱される。[2]
サツマイモ内部の温度が60℃に達すると、デンプンが水分を吸収し糊化(α化)する。サツマイモに含まれるβ-アミラーゼ(デンプン分解酵素)が、糊化したデンプンを加水分解し麦芽糖に変える。そのため、通常の焼き方よりも甘く仕上がる。[3]
デンプンが糊化する100℃前後の比較的高い温度帯にサツマイモを長時間保つ必要があるため、石には、重く、比熱容量の大きいものが適している。また、イモの凹凸に沿えるように小さく、イモを傷つけないように丸い石が使用される。このような小さい石を多く使うことで、総体としての熱容量が大きくなる。[4]
焼き栗
[編集]黒砂で満たした大きな中華鍋で高温に加熱する。栗を熱した小石の中に埋め、適宜へらで返す。小石と栗とは金網でふるいにかけて分ける。
中国では西暦13世紀ごろ麦芽糖に栗を混ぜて砂と一緒に釜で焼く「糖炒栗子」が存在し、麦芽糖によって栗の皮を甘くし、見映えをよくするという工夫がなされていた。これは、原理的には現在の甘栗とほぼ同じである。宋代に流行し、都の開封には名物として知られた焼栗屋があったことが『老学庵筆記』という書物に見えている。[5]
脚注
[編集]- ^ “増殖する俳句歳時記 焼藷”. 清水哲男 (2005年10月20日). 2017年3月8日閲覧。
- ^ 日本いも類研究会 2015, pp. 80–81.
- ^ 日本いも類研究会 2015, p. 83.
- ^ 佐藤秀美 2007, pp. 187–188.
- ^ 宮崎市定 2003, p. 66.
参考文献
[編集]- 日本いも類研究会「焼きいも研究チーム」『焼きいもが、好き!』農山漁村文化協会、2015年。ISBN 9784540142505。
- 宮崎市定『中国に学ぶ』中公文庫BIBLIO、新版2003年。ISBN 9784122042810。
- 佐藤秀美『おいしさをつくる「熱」の科学』柴田書店、2007年。ISBN 9784388251131。
関連項目
[編集]{{food-stub}} {{DEFAULTSORT:いしやき}} [[Category:調理法]] [[Category:石]]