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第1戦
[編集]試合経過
[編集]先発投手は、ソフトバンクが千賀滉大、巨人が山口俊と、両チーム共に今季のレギュラーシーズンの最多奪三振に輝いた「エース級」同士の対決になった[1]。
先制点は巨人。2回表、「5番・指名打者」でスタメン出場の阿部慎之助が、千賀の152kmの外角高めに甘く入ったストレートをフルスイングしてライナー性の弾道を描いて右中間スタンドにソロ本塁打を放つ[1][2][3][4][5]。2回裏、ソフトバンクはジュリスベル・グラシアルが山口俊の146kmの内角高めのストレートを、右ひじを畳んで捌いて、左翼テラス席への2点本塁打を放ってすぐさま逆転[1][2][6]。3回表、2つの四球と暴投が絡んで「2死一、三塁」になった場面で、巨人の4番打者である岡本和真を迎えるが、千賀が内角をえぐる156kmのストレートで遊ゴロに打ち取る[1][7]。6回裏に2つの四死球が絡んで1死満塁の場面になり、中村晃が中堅への犠飛を放ってソフトバンクが1点を追加したが、この時点ではソフトバンクが「3対1」とリードしていたとはいえ、僅差のロースコアで試合が進んでいた[1][2]。
試合が大きく動いたのは7回の攻防。7回表、巨人は失策絡みで「2死二、三塁」と「一打で同点」の場面をつくり、代打に重信慎之介を起用するが、膝元のカットボールを見逃して三振に終わる[2]。7回裏、巨人は、山口俊からスコット・マシソンへと継投したが、先頭打者の松田宣浩が左翼に二塁打を放つと、松田宣の代走に周東佑京を起用する。次打者の内川の送りバントは投手正面であったが、周東の快足が生きてバント成功、1死三塁とする[8][9][10][11]。ここでソフトバンクは長谷川勇也を代打で起用、巨人は左腕投手である田口麗斗に継投する。するとソフトバンクは「代打の代打」として川島慶三を起用。川島は冷静に田口の低めのボールを見極めて四球を選んで「1死一、三塁」の局面をつくる[1][9][10][11]。次打者の牧原大成の場面で、ソフトバンクは初球に「偽装スクイズ」のサイン[1][9][10][11]。これに牧原が応えて「わざとバントを空振り」、スクイズと判断してしまった巨人の捕手の炭谷銀仁朗が三塁走者・周東の動きをけん制している間に、一塁走者・川島がまんまと二塁への盗塁に成功で「1死二、三塁」、つまり「一打で2点」の場面をつくる[1][9][10][11]。牧原は2球目に田口の真ん中低めのスライダーをうまくすくい上げて中前安打にして「2点適時打」にする[1][9][10][11]。その後、今宮健太も安打でつないで「1死一、三塁」の場面で打席には柳田悠岐。柳田は走者一掃の2点適時打を右前に放ち、この回は4点を挙げるビッグイニングになって試合を決定付けた[1][2][12]。その後、ソフトバンクは8回表に甲斐野央、9回表に森唯斗と継投する。巨人は9回表、1死から大城卓三が森のナックルカーブを捉えて右翼テラス席にソロ本塁打を放って意地を示す[1][13]。
最終的にはソフトバンクが「7対2」で快勝、1勝0敗にした[1][2]。
評価・解説
[編集]週刊ベースボールは、ソフトバンクの7回裏の攻撃について「試合を決定付けた見事な攻撃」と評価[1]。7回1失点と好投したソフトバンクの先発の千賀については「4回表以降に高い修正力を示した」[7]、6回3失点でまとめた巨人の先発の山口俊については「冷静な投球を示したが、2回裏にグラシアルに2点本塁打を浴びたときの甘く入ったストレートは、慎重さを欠いた悔やまれる1球になった」[14]、2回表に先制本塁打を放った阿部については「引退撤回を表明しても文句のない打撃」[3]とそれぞれ分析している。朝日新聞は、7回表の「2死二、三塁」の場面で千賀が重信に対して「ピンチに動じない投球」ができたことが勝負を分けたと評価[2]した一方で、山口俊が6回裏に中村晃の中犠飛で喫した1失点について「悔やまれる失点になった」[2]とそれぞれ分析している。
井口資仁は、千賀が丸佳浩に対してカットボールを使った内角攻めの投球をしたことを評価[15]。2回裏のグラシアルの本塁打は、「センター中心に着実に打ち返してくる打者なので、山口俊の紙一重の制球ミスを逃さずに本塁打にできた」と分析[16]。そして、7回裏の無死2塁から、内川の投手正面へのバントの際に三塁への進塁に成功したことが「試合の流れを決めた」と分析している[8]。
梨田昌孝は、松田宣の代走で周東を起用したこと、及び牧原に偽装スクイズのサインを出した工藤公康監督の采配が、試合の分岐点になったと分析[9]。谷繁元信は、ソフトバンクの「千賀ー甲斐拓也」のバッテリーの、1回表の坂本勇人の打席での内角攻め、及び3回表の岡本和真の打席でのフルカウントからの意表を突いた内角へのストレートを「相手に意識付けをする攻めの投球」と評価した一方で、巨人の「山口俊ー小林誠司」のバッテリーが、グラシアルに2点本塁打を浴びた後に「もう点を与えられない思いが強すぎて、無難な攻めに終始してしまった」と分析している[17]。江本孟紀は、千賀の投球について「1番打者の亀井善行にやられたら、坂本、丸、岡本に続くということをものすごく頭に入れたピッチングができていて、巨人の打線を分断できた」と評価している[18]。野口寿浩は、「7回裏に代走で周東を起用していたことで、内川が楽な気持ちで犠牲バントができた」と分析している[19]。また野口は、7回表の「2死二、三塁」での代打に重信が起用されたことについて「左の代打が不足していると感じた」とも述べている[19]。
第2戦
[編集]試合経過
[編集]先発投手は、ソフトバンクが右のアンダースローの高橋礼、巨人が左腕投手のクリストファー・クリソストモ・メルセデス。
試合は5回裏、ソフトバンクの2死まで、両チーム合計で29人目まで走者が全く出ない(投手から見た場合、いわゆる「パーフェクト」)投手戦で試合が進む[20]。初めての走者は5回裏の2死からの松田宣の左前安打であった[20]。その後も7回表まではスコアレスドローで試合が進む。
先制点は7回裏、ソフトバンクに入る。先頭打者のアルフレド・デスパイネの場面で、三塁手で途中出場の山本泰寛がアルフレド・デスパイネの三ゴロを後逸して失策にしてしまい、これがきっかけで「無死一、三塁」でソフトバンクが得点圏の場面をつくる[21]。ここで松田宣が、巨人の2番手投手の大竹寛の甘く入ったシュートを仕留めてバックスクリーンに放ち、3点本塁打になる[22][23]。8回裏も柳田悠岐の左翼テラス席へのソロ本塁打[24]、福田秀平の右翼席への2点本塁打[25]で加点して「6対0」にする。巨人は9回表に、ソフトバンクの3番手投手の高橋純平の制球難に乗じて3つの四球を絡めて3点を返したが、時すでに遅しであった[22]。
最終的にはソフトバンクが「6対3」で勝利、2勝0敗にした[22]。
評価・解説
[編集]7回裏に決勝の3点本塁打を放った松田宣は、「メルセデスはパ・リーグにはあまりいない『ゴロアウト型の投手』であったので難しかったが、投手が交代したチャンスをものにできた。最高の舞台で最高の場面で、最高の当たりができた」と述べている[22]。メルセデスは6回を「76球、被安打1、無失点」でまとめたものの、「足が張った」ために降板になったとのことだが、結果的にはメルセデスの降板が試合の流れを変えることになってしまった[22][26]。
7回裏の松田宣の本塁打の場面について、槙原寛己及び野口は、「代走の周東がいることで、(巨人の2番手投手の)大竹にいつものリズムで投げさせなかった。その結果、大竹の決め球であるシュートの曲がりがわずかに早くなって本塁打になった」と分析している[27][28]。
高橋礼の投球について、朝日新聞は「沈んで落ちるシンカーに巨人打線がタイミングを外された」[22]、槙原は「高橋礼のストレートは球速表示以上に威力がある。捕手の甲斐は内角に加えて高めの直球を意識させていた。それに対して巨人の左打者は工夫をせずにただ引っ張る打撃に終始してしまった」[29]、谷繁は「アンダースローだが140km程度の速球があることで、巨人打線が内角の球に詰まらされる場面が目立った」[30]とそれぞれ分析している。
大島康徳は、7回裏の山本の失策がきっかけで試合の流れをソフトバンクに明け渡したと述べた上で「(山本の失策は)イージーミスで、巨人の脆さが出た試合になった」と分析[21]。また、この試合でも巨人の救援投手陣の失点が試合のポイントになったが、これについて「先発投手が早い回で降りると救援投手が持ちこたえられない弱点が解消されなかった(結果である)」と述べている[21]。野口は、甲斐のリードに着目して、「巨人打線に対して狙い球を絞らせない絶妙なリードができていて、頼みの綱である上位打線を分断できている」と評価している[31]。若松勉は、坂本の打撃内容に着目して、「第1戦、第2戦を通して、狙い球を絞れていないように見える」と分析(この試合で坂本は「3打数0安打」であった)[32]。
第3戦
[編集]試合経過
[編集]先発投手は、巨人が左腕投手(大卒1年目)の高橋優貴、ソフトバンクが右腕投手のリック・バンデンハーク。この試合からセ・リーグ球団の本拠地開催になるために指名打者がない試合になることから、ソフトバンクのデスパイネの起用法が注目されていたが、デスパイネは「4番・左翼手」でスタメン出場した[33][34]。
先制点は巨人。1回裏、先頭打者の亀井が、バンデンハークの154kmの内角高めのストレートを振り抜いて右中間スタンドの上段にソロ本塁打を放つ[33][35][36]。2回表、ソフトバンクはグラシアルが高橋のスライダーをとらえてバックスクリーンにソロ本塁打を放ち同点にする[37]。3回表、ソフトバンクは「2死一、二塁」からデスパイネが中前に適時打を放ち1点を勝ち越す[33][38]が、3回裏、巨人は1死から亀井が、2打席連続本塁打になる右翼ポール際のバルコニー席への特大のソロ本塁打を放ち、「2対2」の同点にする[33][36]。
4回表のソフトバンクの攻撃で、試合が大きく動く。巨人は3番手投手として、高卒1年目の戸郷翔征を投入するが、この回2人目の打者である内川が、外角低めのカットボールを左手一本で技ありの左前安打を放つ[39][40][41]。これで戸郷は精神的にリズムを乱してしまい、次打者の甲斐に死球を与えて「1死一、二塁」、さらにその次打者であるバンデンハークは投前に送りバントをするが、戸郷は三塁に悪送球をしてしまって失策になり「1死満塁」の場面をつくってしまう[33][39][40][41]。この場面で巨人は戸郷の続投を選択するが、代打で登場した長谷川勇に勝ち越しになる中堅への犠牲フライを許して[34][40][41]、柳田に押し出しを与える[33][40][41]。なおも「2死満塁」の場面で、デスパイネに左翼に2点適時打を浴びて、この回ソフトバンクが4点を挙げて「6対2」になり、試合の流れが決した[33][39][40][41][34][38]。
その後は両チーム共に得点が入らないまま、試合終盤を迎える。9回裏、巨人は先頭打者の阿部が右前安打で出塁すると、増田大輝を代走に起用。ソフトバンクの5番手投手の森の暴投での進塁時に三塁への進塁を欲張ってしまって憤死(いわゆる「暴走」)してしまい[42][43]、その後も巨人は得点を挙げられずに試合終了。
最終的にはソフトバンクが「6対2」で勝利、3勝0敗にして日本一に王手をかけた[33]。巨人は、坂本勇が「11打数1安打」、丸が「9打数0安打」と封じられた状況で第3戦を終えることになってしまった(第3戦は坂本勇、丸はいずれも無安打に終わった)[44][45]。
評価・解説
[編集]デスパイネのスタメン起用について、監督の工藤はデスパイネは交流戦でも左翼手としての守備の経験(5試合)があるので、問題ないと思っていた」[34]、ヘッドコーチの森浩之は「デスパイネを先発で使うということは、『先に点を取る』ということ」[33]とそれぞれ述べている。この試合でデスパイネは「3打数2安打3打点」の活躍、2安打はいずれも適時打であった[33][34][38]。
4回表にソフトバンクが一気に4点を挙げた場面について、スポーツニッポンは、4回表の内川の左前安打が試合の流れをソフトバンクに呼び込んだと指摘[39]。朝日新聞は、4回表に戸郷がバント処理の失敗で「1死満塁」の場面になった際でも巨人ベンチが続投の判断をしたことに対して、毎日新聞は、4回表の同点の場面で戸郷を登板させたこと自体に対して、それぞれ「巨人の救援投手陣の層の手薄さを物語っている」と分析している[33][40]。野口は、戸郷の起用について「追い詰められたチームの継投策であり、巨人の救援投手陣の苦しい事情が示されている」と指摘[46]。真中満は、「戸郷は、内川に難しい球を安打にされて、リズムが狂ってしまい、バント処理の失敗で傷口を広げてしまった」と分析[41]。西本聖は、戸郷がバンデンハークのバント処理の失敗した場面に着目して「完全に自分を見失ってしまった。経験の浅い投手の心理状態を考えれば、巨人ベンチはここで投手交代を決断すべきであった」と分析している[47]。東尾修は、戸郷が柳田に押し出しの四球を与えた場面に着目して、「戸郷にはこの場面で投げ切れる力はまだない。(捕手の大城の)内角への要求はあまりに酷な配球になった」と述べている[48]。また、デスパイネの戸郷からの2点適時打を「ミートに徹したコンパクトな打撃で試合の流れをほぼ決めた」と評価している[49]。
9回表の増田の走塁ミスについては、野口は「最終回で4点負けているのだから、ランナーをためなくてはいけない場面であり、焦りばかりが出た走塁ミスになった」[46]、真中は「絶対にアウトになってはいけない場面。ボーンヘッドに近い」[43]とそれぞれ指摘している。
第3戦を含めて、坂本勇と丸がほぼ完全に封じられた試合が続いていることについて、スポーツライターの鷲田康は、「ソフトバンクのバッテリーが内角への残像を植え付ける配球ができている」と分析[50]。野口は、「同じ球種やコースを続けて要求できる甲斐のリードは『勇気のある配球』である。特に坂本勇に内角を続ける配球は、タイミングを狂わせることに成功している」と評価している[51]。東尾は、「『バンデンハークー甲斐』のバッテリーが、緩いカーブをうまく使う配球で封じ込めている」と評価している[52]。
また、浜名千広は「石川柊太を5回に投入して2イニングをパーフェクトの内容で投げたことが大きかった」ことを評価している[53]。
第4戦
[編集]試合経過
[編集]先発投手は、巨人が菅野智之、ソフトバンクがベテランの左腕投手の和田毅。菅野は本来はエース級と位置付けられる右腕投手であるが、このときは腰痛に苦しみ、直近の試合である阪神タイガースとのクライマックスシリーズでは登板なしに終わっていた。菅野は第4戦に登板するにあたって、「投げたら動けないくらいの覚悟で投げたい」などと意気込みを述べていた[54]。
試合は、3回終了まではスコアレスドローの展開で進む。菅野はこのときまでは、1安打無失点に抑える危なげない投球であった[55][56]。
先制点は4回表、ソフトバンクに入る。「1死一、三塁」からグラシアルが、フルカウントからの外角のスライダーをバックスクリーン左に3点本塁打を放つ[57][58]。対する巨人は、6回裏の2死一塁から、4番の岡本がソフトバンクの2番手投手であるロベルト・スアレスから、157kmのストレートをフルスイングして右翼席に2点本塁打を放って1点差に詰める[59]。
試合が大きく動いたのは7回表。1死から福田の三ゴロを岡本が弾いて失策になり、次打者の松田宣が遊撃への内野安打で「1死一、二塁」の場面になる[60]。ソフトバンクは長谷川勇を代打で起用、打球は二塁手へのゴロになる。しかしここで、二塁手として途中出場していた山本が、併殺プレーを焦ってしまい悪送球になり、ソフトバンクが1点を追加、「4対2」になる[55][60]。その後、次打者の甲斐野の送りバントが内野安打になり、「1死満塁」になって菅野は降板した(菅野は結局、「6回3分の1、自責点3」で降板。その後、2番手投手として登板した中川皓太が、代打の内川を二ゴロ併殺に打ち取ったので、この回はこれ以上の追加点はなかった)[55][61]。
7回裏の巨人の攻撃、「2死一、二塁」から丸がリバン・モイネロから日本シリーズ初安打になる適時二塁打を左越えに放って、再び1点差に迫る(このときまで、丸は「15打席で無安打」であった)[61][62]。
その後は両チーム共に得点が入らず、最終的にはソフトバンクが「4対3」で逃げ切って勝利、ソフトバンクが4勝0敗(いわゆる「スウィ―プ」)で日本一に輝いた[61]。なお、今季限りでの引退を表明していた阿部は、6回裏に代打で出場。第1打席は死球、第2打席(これが現役最終打席になった)は二ゴロであった[63][64]。
評価・解説
[編集]中畑清は、「(ソフトバンクは)自分自身のミスを絶対に許さない姿勢がチーム全体での意識として徹底されているから、的確な状況判断ができて相手のミスにつけ込めて、誰が出場してもプレーの質を落とさない『全員野球』ができる」と評価した一方で、「巨人はソフトバンクのチームとしての『圧力』に押され続けて四死球や守備のミスを繰り返してしまった」「(その象徴的なプレーが)第4戦の7回表の『最悪な失点』につながった岡本、山本の守備のミスであり、力投した菅野の足を引っ張った」と分析している[65][66]。また中畑は、「『真のチームリーダー』である松田宣の存在」もソフトバンクの「レベルの高いチームづくり」に大きなプラスの影響をもたらしているとも述べている[65]。
西村龍次は、9回裏のソフトバンクの中村晃の一塁守備(9回裏から一塁手の守備固めで途中出場していた)を「一つ一つは目立たなくても、やるべきことをきちんとやりきる姿が球際の強さにつながっている」と評価した上で、「ソフトバンクはレギュラー陣が調子を落としたとき、瞬時に定位置を奪ってしまいそうな選手が常に控えている一方で、巨人は坂本勇や丸といった看板選手への依存度が強いので彼らが調子を落としたときに取って代わるだけの選手がいない(ことによる差があった)」と述べている[67]。野口は、「ソフトバンクは、各選手がその瞬間に何をすべきかを非常によく分かっている」「ソフトバンクと巨人では、選手層及び経験で大きな差があった。特に坂本勇と丸については、最後にようやく回復しかけて、終わってしまった。ソフトバンクのバッテリーが完璧に対策できていた」と述べている[68]。和田一浩は、「ソフトバンクは長谷川勇、内川が代打での出場、中村晃が守備固めの出場であり、武田翔太は出場なしに終わった一方で、巨人はアレックス・ゲレーロ、阿部に対して代走を出せないように、戦力差が歴然としていた」と厳しく述べている[69]。
また、野口は「特に坂本勇と丸については、最後にようやく回復しかけて、終わってしまった。ソフトバンクのバッテリーが完璧に対策できていた」[68]、立浪和義は「ソフトバンクのバッテリーの内角攻めの勇気ある配球に、坂本勇と丸が本来のスイングを崩されてしまった」[70]とそれぞれ述べている。実際、この日本シリーズを通して、坂本勇、丸はいずれも「13打数1安打、打率.077」に終わり、「逆シリーズ男」と形容するメディアもあったほどであった[71][44][72]。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b c d e f g h i j k l m 『週刊ベースボール』2019年11月4日号、138頁-139頁。
- ^ a b c d e f g h 『朝日新聞』2019年10月20日付朝刊。
- ^ a b 『週刊ベースボール』2019年11月4日号、142頁-143頁。
- ^ “【日本シリーズ速報】巨人、阿部慎之助のソロ本塁打で先制! ソフトバンク千賀滉大の152キロの速球捉える”. ベースボールチャンネル (2019年10月19日). 2019年10月26日閲覧。
- ^ “引退表明の巨人阿部が初球ホームラン「ヨッシャー!」千賀の152キロ直球を右翼席へ”. デイリースポーツ (2019年10月19日). 2019年10月26日閲覧。
- ^ “【ソフトバンク】PS男だ!グラシアル、逆転V弾「直球を狙っていたよ」”. スポーツ報知 (2019年10月20日). 2019年10月26日閲覧。
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- ^ 『週刊ベースボール』2019年11月4日号、141頁。
- ^ “【日本シリーズ大分析1】交流戦“天敵”巨人・丸封じたソフトB千賀の内角カット攻め”. スポーツニッポン (2019年10月20日). 2019年10月26日閲覧。
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