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利用者:狄の用務員/マウンティング

サルのマウンティング。犬山はマウンティングの語源を、霊長類の馬乗り行動であるとしている[1]

導入部

語源[編集]

英語におけるマウンティング[編集]

動物学におけるマウンチング[編集]

人間におけるマウンティング[編集]

定義の変遷[編集]

マウンティング(英:mounting)は、瀧波ユカリ犬山紙子の共著「マウンティング女子の世界: 女は笑顔で殴りあう(2017)」における、次の一文で紹介されることが多い[1]

『自分の方が立場が上』と思いたくて、言葉や態度で自分の優位性を誇示してしまうこと


言語学的な研究[編集]

市川の研究[編集]

創価大学の日本語・日本文化教育センターの市川真未助教は、言語学におけるポライトネスの観点からマウンティングの研究を行っており、市川はマウンティングについて次のように定義した[2]

マウンティングの参与者Aが自尊心を満たすために、自身の優位性を明示・暗示的に参与者Bに伝える言語行為である。また、参与者Bが下に格付けされたと受け取った場合もこれに含める。

市川はそのうえでマウンティングについて、「相手との人間関係を良好に保ちたいという意図がある」ことをアピールし、ポライトな姿勢を見せることにより、参与者Bからの反感を最小限にしつつ、参与者Aの「優位性を見せつけたい」という欲求を同時に満たす言語行動であるとした[2]

市川のグラデーション[編集]

大塚の研究[編集]

ママ友の間におけるマウンティングを研究する大阪工業大学の大塚生子はマウンティングについて、『親しさ』を担保に内容面・言語形式面で互いの親疎の距離を調整することによって攻撃を行なったり、自身の品行を維持したりする複雑なフェイスワークであるとしている[3]

大塚はママ友間のマウンティングについて次のように分析する。

「対立場面では相手の言動を不快に感じ、攻撃したいという欲求が生まれるが、相手のフェイスに対する無補償の攻撃には報復の危険と品行の喪失が伴う。そのため、彼女らは敬体と常体、方言と共通語、および絵文字等を各所に利用し、直接的ではない方法で相手フェイスへの攻撃や受けた攻撃への報復を応酬しあっている。また、通常であれば相手への尊重を示すために用いられる敬体は、「ママ友」という友人関係の維持にとっては脅威となるため、攻撃的な場面であるほど通常どおりのスピーチスタイルを使用して「ママ友」という人間関係を維持することが優先されている。[4]

  1. ^ a b 瀧波 ユカリ (著), 犬山 紙子 (著)『マウンティング女子の世界: 女は笑顔で殴りあう』筑摩書房、2017年2月9日。ISBN 4480434313 
  2. ^ a b “マウンティングの特徴について ―ポライトネスの原理から―”. Studies in Japanese Language and Japanese Literature 29: 59-67. (2019-03-18). 
  3. ^ ママ友に見る対立的場面でのイン/ポライトネスと周縁化”. 国立情報学研究所. 2024年6月2日閲覧。
  4. ^ 2021 年度 実施状況報告書 ママ友に見る対立的場面でのイン/ポライトネスと周縁化”. 国立情報学研究所. 2024年6月2日閲覧。