利用者:重陽/良質ピックアップ試作
良質な記事のストック
[編集]半金属とは、元素の分類において金属と非金属の中間の性質を示す物質のことである。その定義は曖昧であるが、一般的にはホウ素、ケイ素、ゲルマニウム、ヒ素、アンチモン、テルルの6元素が半金属とされ、セレン、ポロニウム、アスタチンの3元素がしばしば加えられる。半金属に特徴的な性質としては脆性、半導体性、金属光沢、酸化物の示す両性などが挙げられ、半金属のイオン化エネルギーや電気陰性度の値は一定の範囲に収まる。半金属の単体もしくはその化合物は、ガラスや半導体、合金の構成元素として広く利用されている。……
バンド理論における半金属とは、伝導帯の下部と価電子帯の上部がフェルミ準位をまたいでわずかに重なり合ったバンド構造を有する物質のことである。このエネルギーバンドの重なりは、結晶構造の歪みや結晶の層の間にはたらく相互作用などによって形成される。代表的な半金属としてビスマスが挙げられ、テルル化水銀のような化合物も含まれる。半金属は電荷のキャリアーが少なく、その有効質量は小さく移動度は大きい。また、熱伝導率が低い、状態密度を有する、誘電率が大きい、g因子が高い、反磁性磁化率が高いなどの特性を有している。元素の分類における半金属とは同じ名称であるが異なる概念である。……
イットリウムは原子番号39の元素である。元素記号はY。単体は軟らかく銀光沢をもつ金属であり、遷移金属に属するがランタノイドと化学的性質が似ているので希土類元素に分類される。1787年にカール・アクセル・アレニウスがスウェーデンのイッテルビーの近くで未知の鉱物を発見し、町名にちなんで「イッテルバイト」と名づけた。イットリウムは蛍光体に使われ、赤色蛍光体はテレビのブラウン管ディスプレイやLEDに使われている。……
カリウムは原子番号19の元素で、元素記号は K である。アルカリ金属に属す典型元素である。カリウムの単体金属は激しい反応性を持つ。電子を1個失って陽イオン K+ になりやすく、自然界ではその形でのみ存在する。地殻中では2.6%を占める7番目に存在量の多い元素であり、花崗岩やカーナライトなどの鉱石に含まれる。塩化カリウムの形で採取され、そのままあるいは各種の加工を経て別の化合物として、肥料、食品添加物、火薬などさまざまな用途に使われる。生物にとっての必須元素であり、神経伝達で重要な役割を果たす。人体では8番目もしくは9番目に多く含まれる。植物の生育にも欠かせないため、肥料3要素の一つに数えられる。……
ガリウムは原子番号31の元素で、元素記号は Ga である。青みがかった金属光沢を持つ金属であり、ホウ素、アルミニウムなどと同じ第13族元素に属する。融点は 29.8 °C と低いが、一方、沸点は非常に高い。水と同じように、液体の方が固体よりも体積が小さい異常液体であり、固体から液体になるとその体積は約3.4%減少する。1870年にドミトリ・メンデレーエフが発表した周期表によって存在が予言され、1875年にポール・ボアボードランによって発見された。市場流通するガリウムの大半は半導体材料として利用されており、青色発光ダイオードの材料でもある。……
カロリック説(カロリックせつ)とは、物体の温度変化をカロリック(熱素、ねつそ)という物質の移動により説明する学説。18世紀初頭、カロリック(熱素)という目に見えず重さのない熱の流体があり、これが流れ込んだ物体は温度が上がり、流れ出して減れば冷える、とするカロリック説が唱えられた。この考えは当時の多くの科学者によって支持され、19世紀初めまで信じられていた。現在では熱は運動であるとされており、カロリック説は否定されている。……
酸素は原子番号8の非金属元素。元素記号はO。電気陰性度が大きいため反応性に富み、他の殆どの元素と化合物(特に酸化物)を作る。標準状態では無味無臭無色透明の二原子分子である酸素分子 O2 として存在する。宇宙では水素、ヘリウムに次いで3番目に多くの質量を占める。1771年にカール・ウィルヘルム・シェーレが初めて酸素を発見したがすぐには公にされず、その後1774年にジョゼフ・プリーストリーがそれとは独立して見付けた後に広く知られるようになった。そのため、化学史上の発見者はプリーストリーとされている。名称はギリシャ語の oxys(酸)と genen(生む)に基づく。アントワーヌ・ラヴォアジエは、酸素が酸の素であるとの誤解の元に oxygène(フランス語)と名付けた。……
水素は、原子番号 1 、原子量1.00794の元素である。元素記号は H。非金属元素の一つ。元素およびガス状分子の中で最も軽く、また宇宙で最も数が多く、珪素量を106とした際の比率は2.79×1010である。地球上では水や有機化合物の構成要素として存在する。一般に「水素」という場合は、水素の単体である水素分子(水素ガス) H2 を示すことが多い。水素分子は常温・常圧では無色無臭の気体で、とても軽く、非常に燃焼・爆発しやすいといった特徴を持つ。日本では、高圧ガス保安法容器保安規則により、赤いボンベに保管するように決められている。……
金属とは、展性、塑性(延性)に富み機械工作が可能な、電気および熱の良導体であり、金属光沢という特有の光沢を持つ物質の総称である。水銀を例外として常温・常圧状態では透明ではない固体となり、液化状態でも良導体性と光沢性は維持される。周期表において、ホウ素、ケイ素、ヒ素、テルル、アスタチン(これらは半金属と呼ばれる)を結ぶ斜めの線より左に位置する元素が金属元素に当たる。……
セシウムは原子番号55の元素。元素記号はCs。軟らかく黄色がかった銀色をしたアルカリ金属である。融点は28 °Cで、常温付近で液体状態をとる五つの金属元素のうちの一つである。化学的・物理的性質は同じアルカリ金属のルビジウムやカリウムと似ている。ドイツ人化学者のロベルト・ウィルヘルム・ブンゼンとグスタフ・キルヒホフによって1860年に発見された。セシウム133の発光スペクトルの比振動数は国際単位系の秒の定義であり、セシウムは原子時計として広く使われている。1990年代以降のセシウムの最大の応用先は、ギ酸セシウムを使った掘穿泥水であり、エレクトロニクスや化学の分野でもさまざまな形で応用されている。……
プロトン化水素分子は水素原子核3個と電子2個からなる+1の電荷を持ったカチオンである。星間空間や水素ガスの放電中に、多量に存在する。星間空間は密度の比較的大きなところでも、地球上に比べて低圧(およそ10−15気圧以下)であり、他の分子との衝突頻度が少ないことからこのような反応性の高いイオンでもある程度の量が存在することができる。星間空間ではこの分子が他の多くの分子生成にとって出発分子であり、星間空間の化学において最も重要な役割を担っているといえる。……