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最高裁判所判例
事件名 運動場一部廃止決定無効確認等、同附帯及び慰霊祭支出差止
事件番号 昭和62(行ツ)148
1993年(平成5年)2月16日
判例集 民集 第47巻3号1687頁
裁判要旨
  1. 市が忠魂碑の存する公有地の代替地を買い受けて右忠魂碑の移設、再建をした行為及び右忠魂碑を維持管理する地元の戦没者遺族会に対しその敷地として右代替地を無償貸与した行為は、右忠魂碑が、元来、戦没者記念碑的性格のものであり、特定の宗教とのかかわりが少なくとも戦後においては希薄であること、右戦没者遺族会が宗教的活動をすることを本来の目的とする団体ではないこと、市が右移設、再建等を行つた目的が、右忠魂碑の存する公有地を学校用地として利用することを主眼とするもので、専ら世俗的なものであることなど判示の事情の下においては、いずれも憲法二〇条三項により禁止される宗教的活動には当たらない。
  2. 財団法人D会及びその支部は、憲法二〇条一項後段にいう「宗教団体」、憲法八九条にいう「宗教上の組織若しくは団体」に該当しない。
  3. 市の教育長が地元の戦没者遺族会が忠魂碑前で神式又は仏式で挙行した各慰霊祭に参列した行為は、右忠魂碑が、元来、戦没者記念碑的性格のものであること、右戦没者遺族会が宗教的活動をすることを本来の目的とする団体ではないこと、右参列の目的が戦没者遺族に対する社会的儀礼を尽くすという専ら世俗的なものであることなど判示の事情の下においては、憲法上の政教分離原則及び憲法二〇条、八九条に違反しない。
  4. 普通地方公共団体の長は、その権限に属する財務会計上の行為をあらかじめ特定の吏員に委任している場合であつても、右委任により処理された財務会計上の行為の適否が問題とされている代位請求住民訴訟において、地方自治法二四二条の二第一項四号にいう「当該職員」に該当する。
  5. 普通地方公共団体の長の権限に属する財務会計上の行為を、委任を受けた吏員が処理した場合は、長は、右吏員が財務会計上の違法行為をすることを阻止すべき指揮監督上の義務に違反し、故意又は過失により右吏員が財務会計上の違法行為をすることを阻止しなかつたときに限り、普通地方公共団体が被つた損害につき賠償責任を負う。
最高裁判所第三小法廷
裁判長 貞家克己
陪席裁判官 坂上壽夫園部逸夫佐藤庄市郎可部恒雄
意見
多数意見 全員一致
意見 園部逸夫
反対意見 なし
参照法条
憲法20条,憲法89条,地方自治法153条1項,地方自治法242条の2第1項4号
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忠魂碑訴訟(ちゅうこんひそしょう)は、戦没者の慰霊と顕彰を目的に建立された忠魂碑の移転と慰霊祭をめぐって、住民グループが提起した憲法訴訟。

概要

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脚注

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注釈

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出典

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参考文献

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  • 辰村吉康「箕面市忠魂碑訴訟控訴審判決について : 第一審判決との対比において」『鹿児島大学法学論集』第25巻、1・2合併号、鹿児島大学、275–304頁、2015年6月4日。ISSN 03890813https://ir.kagoshima-u.ac.jp/index.php?active_action=repository_view_main_item_detail&page_id=13&block_id=21&item_id=12838&item_no=1 


関連項目

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外部リンク

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