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利用者:Fomalhaut22/sandbox

1969年発表の『トミー』以来となる、ロック・オペラ・アルバムである。2枚組の大作でありながら、イギリス、アメリカ共にチャートの2位を記録する大ヒットとなった。サウンド面では前作『フーズ・ネクスト』で初めて導入したシンセサイザーが多用され、前作以上に複雑で色彩豊かな音造りになっている。ザ・フーではそれまでもピート・タウンゼントが最も多くの楽曲を提供してきたが、本作には彼に次いで多くの楽曲を提供してきたジョン・エントウィッスルの曲はなく、タウンゼントが全収録曲を書いた唯一のオリジナル・アルバムである。またエントウィッスルがリード・ヴォーカルをとる曲も含まれなかった[注釈 1]一方、キース・ムーンが「ベル・ボーイ」でベル・ボーイの役を担ってリード・ヴォーカルをロジャー・ダルトリーと分担した

聴き手

言い争いが殴り合いに発展してダルトリーがタウンゼントを病院送りにするという暴力沙汰が起きた。

1996年 - 1997年[編集]

1996年、タウンゼント、ダルトリー、エントウィッスルが再結集。彼等は6月29日にロンドンハイド・パークで開かれたプリンス・トラスト(Prince's Trust)の慈善コンサート"Master Of Music"に出演して、アルバム『四重人格』(1973年)を完全再演し[1]、引き続いて7月16日から22日まで、ニューヨークのマジソン・スクウェア・ガーデンで『四重人格』コンサートを計6回行なった[2]。さらに彼等は10月13日から12月11日までアメリカ、カナダ、イングランド、1997年4月から8月までヨーロッパ、アメリカ、カナダで『四重人格』ツアーを行なった[3]


1996年6月、チャールズ皇太子主催のイベント「プリンシズ・トラスト」において、23年ぶりに『四重人格』のコンサートが行われた。ハイドパークで行われたこのショーでは、10人以上にも及ぶ豪華バックバンドを従え、さらに映画『さらば青春の光』で主演を務めたフィル・ダニエルズらがナレーションを務めた。このショーで初めて『四重人格』の全曲が演奏されたが、その後のツアーで『四重人格』の再演が本格化、翌1997年8月まで続いた。タウンゼントは1989年以降、かねてからの難聴が悪化したため、リードギターをサポートメンバー[注釈 2]に任せていたが、このツアーの中盤から自ら重要パートを再び弾くようになった[4]

2010年代[編集]

2010年3月30日ロイヤル・アルバート・ホール公演にて『四重人格』を再演。この日限りの公演ではパール・ジャムエディ・ヴェダーカサビアントム・ミーガンがゲスト出演した[5]

2012年から2013年にかけて、「Quadrophenia and More」と銘打ったツアーで、再び『四重人格』の全曲が披露された。2014年には、2013年7月のロンドンウェンブリー・アリーナ公演の模様を収めた映像作品『四重人格 ライヴ&モア』がリリースされ、ビルボードのミュージックビデオ部門で1位を獲得する[6]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 彼の単独作がなかった1stアルバム『マイ・ジェネレーション』以来の事だった。
  2. ^ 「プリンシズ・トラスト」の後は、実弟のサイモン・タウンゼントがその任に着いた。

出典[編集]

  1. ^ McMichael & Lyons (2004), p. 284.
  2. ^ McMichael & Lyons (2004), pp. 284–285.
  3. ^ McMichael & Lyons (2004), pp. 285–290.
  4. ^ レコード・コレクターズ増刊『ザ・フー アルティミット・ガイド』(2004年)56-57頁。
  5. ^ The Who: Quadrophenia at the Royal Albert Hall, review - Telegraph:2015年9月2日閲覧。
  6. ^ ザ・フーの映像商品『四重人格 ライブ&モア』、日本上陸 | The Who | BARKS音楽ニュース:2015年9月2日閲覧。

引用文献[編集]

  • McMichael, Joe; Lyons, 'Irish' Jack (2004). The Who Concert File. London: Omnibus Press. ISBN 1-84449-009-2 
  • Neill, Andy; Kent, Matt (2007). Anyway Anyhow Anywhere: The Complete Chronicle of The Who 1958-1978. London: Virgin Books. ISBN 978-0-7535-1217-3 
  • Townshend, Pete (2012). Who I Am. London: HarperCollins. ISBN 978-0-00-747916-0