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ギラード・ツッカーマン[編集]

ヘブライ文 גלעד צוקרמן‎
欧   文 Ghil`ad Zuckermann
漢   文 諸葛漫久楽(Zhūgěmàn Jiule/Kiulok)
日 本 文  佐藤 幸永(さとう ゆきなが)

生年月日  (1971-06-01) 1971年6月1日(53歳)イスラエルの旗 イスラエルテルアビブ生まれ
専門分野 言語接触語彙論、言語復興、危機言語(危機に瀕する言語)歴史言語学語源学、言語と文化、世界語としての英語ユダヤ人の諸言語理論言語学
職位 オーストラリアの旗 オーストラリアアデレイド大学言語学危機言語学担当主任教授、 中華人民共和国の旗 中国華東師範大学崗位特聘教授
学位授与校
イギリスの旗 イギリスオックスフォード大学セントヒューズ・カレッジ博士号2000年
イスラエルの旗 イスラエルテルアビブ大学修士号1997年
主要研究テーマ

  1. 現代ヘブライ語セム語ヨーロッパ語雑種
  2. 多源造語と迷彩・擬態借用語の分類
  3. 語呂合わせ (phono-semantic matching) の分析
  4. 言語復興学
  5. ヘブライ語の最長回文

概要[編集]

 ギラード・ツッカーマン[1](גלעד צוקרמן‎ ←ヘブライ文字の読む方向; Ghil`ad Zuckermann[2]; 中国名 諸葛漫久楽, Zhūgěmàn Jiule/Kiulok[3]; 日本名 佐藤 幸永、さとう ゆきなが[4])は、イスラエル生まれの言語学者で、専門分野は言語復興学、言語接触学語彙論言語文化自己同一性研究である。ツッカーマンは現在オーストラリアアデレイド大学言語学及び危機言語学担当の主任教授ならびに同学のオーストラリア研究評議会ディスカバリー・フェローであり、上海華東師範大学の崗位特聘教授 (高位客員教授) も務める [5]

 ツッカーマンは、「イスラエル・ヘブライ語」を、ヘブライ語イディッシュ語の他、ロシヤ語ポーランド語などの諸言語から同時的に派生したセム語ヨーロッパ語雑種であると主張している[6]。このツッカーマンの複数母語交雑モデル(multi-parental hybridisation model)は、イスラエル語とは古代ヘブライ語が復活したものであるという伝統的な「復活説」の見方とも[7]、あるいはイスラエル語イディッシュ語語彙をいくつか古代ヘブライ語語彙に転換しただけのものであるとする「語彙置換説」(relexification)の立場とも、どちらとも対置される[8]。ツッカーマンは、複数母語交雑モデルには歴史言語学における系図分析(family tree tool)いわば「血統」分析を相対化させる意義があると考えている。

 著書には、『イスラエル語~美しい言葉』Israelit Safa Yafa(2008年Am Oved、ISBN 978-965-13-1963-1)と『現代ヘブライ語における言語接触と語彙の豊富化』Language Contact and Lexical Enrichment in Israeli Hebrew(2003年Palgrave Macmillan、ISBN1-4039-1723-X)などがある。とくに後者は、語呂合わせ(phono-semantic matching)のような言葉の擬態・迷彩借用(camouflage borrowing)の分析や「多源造語」(multi-sourced neologisation)の分類の社会比較言語史学的な枠組みを構築したもので、日本語の多源新語・借用語例、例えば「背広」や「倶楽部」などの例も分析に含まれていて大変興味深い。英語ヘブライ語イタリア語イディッシュ語スペイン語ドイツ語ロシヤ語中国語で多数の論文を発表している。

経歴[9][編集]

 ツッカーマンは1971年6月1日イスラエルテルアビブで生まれた。1987年から1989年にはイタリアベネチアの統合世界カレッジ(United World College)アドリア海校で学び、1989年から1993年にはイスラエル防衛軍義務兵役についた。1993年からテルアビブ大学に進学し、同学のアディ・ラウトマン秀逸学生学際研究プログラムの研究助成を受け、1997年に同学の言語学部から修士号(MA)を最優秀で取得(summa cum laude)。1997年からはオックスフォード大学のスキャザード欧州研究員及び同学セントヒューズ・カレッジのデニーズ・スキナー大学院研究員として研究を進め、2000年にオックスフォード大学博士号(D.Phil)を取得した。2000年からはケンブリッジ大学チャーチル・カレッジのグルベンキアン研究フェローとして同学近代中世学部言語学科に所属し、2003年にケンブリッジ大学からも形式的ではあるが博士号(PhD)を授与された。

 ツッカーマンは、イギリスアメリカイスラエルシンガポール中国スロバキアおよびオーストラリア、例えばケンブリッジ大学東洋学部(現アジア中東学部)、シンガポール国立大学マイアミ大学ベン・グリオン大学ネゲブ校、クィーンズランド大学パヴォル・ヨゼフ・シャファリク大学上海外国語大学などで教鞭をとる他、様々な心理測定検査の予備課程でも教鞭をとり、同分野において共著作品もいくつか出版している。

 ツッカーマンはロックフェラー財団のベラッジオ研究会議センター(イタリア、コモ湖、ベラッジオ、ヴィラ・セルベローニ)ハリー・ランソム人文研究センター(テキサス大学オースティン校)、言語分類学研究センター(メルボルン、ラ・トローブ大学高等研究所)、日本の国立国語研究所の研究員を歴任した。

 ツッカーマンはオーストラリア南オーストラリア州アデレイド大学言語学及び危機言語学担当の主任教授、同学の言語学分野におけるオーストラリア研究評議会ディスカバリー・フェローである。また、中華人民共和国アイビー・リーグに例えられる重点大学の一つ上海外国語大学の「211崗位」特聘教授(211工程の高位客員教授)ならびに上海高校「東方学者」、華東師範大学の崗位特聘教授(高位客員教授)、ワイツマン科学研究所とエルサレム・ヘブライ大学高等研究所の客員専門科学者を務め、上海交通大学の国際化推進本部の相談役でもある。ブリル(Brill)社の出版している言語接触の学術誌Journal of Language Contactの編集委員であり、オックスフォード英語辞典(Oxford English Dictionary)のコンサルタントである。

社会的影響[編集]

学説の反響[編集]

 ツッカーマンのイスラエル語すなわち現代ヘブライ語雑種説には賛否両論があり、言語学者、イスラエル国民、世界のユダヤ人の間でよく知られている。賛成派では、例えばイディッシュ語研究者ドヴィド・カッツ(Dovid Katz)が、ツッカーマンのことを「考え方の新鮮なイスラエルの研究者」と呼び、現代ヘブライ語を「イスラエル・ヘブライ語」と呼ぶツッカーマンの流儀に倣い、雑種説を採用している[10]。反対派では、例えば、著作・翻訳家のヒレル・ハルキン(Hillel Halkin)が2004年12月24日のイスラエルのフォワード紙(The Forward)上で「フィロロゴス」の名前でその主張を政治的だと批判した[11]。これに対してツッカーマンは2004年12月28日にイスラエルの別の専門紙上で反論した[12]

 英ロイター通信の記事によれば、「(ツッカーマン)の講義につめかけたイスラエルの学者たちは[13]、みんな一様に、彼の新説を受け容れるべきか、それとも国語を防衛するために立ち上がるべきか、決めかねずにいた」[14]。イスラエルのハアレツ紙上のオムリ・ヘルツォーグ(Omri Herzog)によれば、彼は同僚の間で「天才」か、そうでなければ「挑発者」だと思われている。

オーストラリア先住民アボリジニ諸語の復興[編集]

 ツッカーマンは現代ヘブライ語復興から得られた知見をオーストラリア先住民アボリジニ諸語の復興に応用している[15]。駐豪イスラエル大使のユヴァル・ロテム(Yuval Rotem)によれば、その成果の一つが2010年9月2日のオーストラリア、ニューサウスウェールズ州ダッボのアリーラ・アボリジニ知識ITセンター(Allira Aborigini Knowledge IT Centre)の開館であった[16]。2012年には、ツッカーマンはオーストラリア南オーストラリア州エア半島の先住民バーンガーラ族の村人と一緒に、170年前の記録をもとにしてバーンガーラ語(Barngarla)の再獲得運動を開始した[17]

言語学に対する貢献[編集]

 ツッカーマンの研究は、言語接触学語彙論言語復興学ユダヤ諸語言語文化自己同一性研究に焦点を当てている。ヨシュア・フィッシュマン(Joshua Fishman)によれば、ツッカーマンは「創造的で革新的な学の巨人」であり、その言語学の手法は「ウリエル・ワインライヒ(Uriel Wienreich)の先駆的業績を思い起こさせるもので、まさに、その後継者といってよい」[18]。ツッカーマンの業績全体を通して、それが語彙論の項目であれ、文法構成、言語の系図的位置付、言語の純粋性の追求(purism)、言語は教え矯正するものという捉え方(prescriptism; normativism)、他語との対照における自語の定義(othering)、言語の世界化(globalisation)であれ、その分析には混淆性(syncretism)、雑種性(hybridity)、多重因果関係(multiple causation)、再強化(reinforcement)、無意識下の影響(subconscious influence)、生き残り(survival)、迷彩・擬態(camouflage)などの主題が見受けられる。

歴史言語学(Historical Linguistics)~現代ヘブライ語の雑種性[編集]

 ツッカーマンは現代ヘブライ語(Israeli Hebrew)をイスラエル語(Israeli)と呼び、系図学的には印欧語ゲルマンスラブロマンス各語)とアフロ・アジア語セム語)の両方に源を有すると主張している。この説は、現代ヘブライ語文語としてのヘブライ語を継承しているだけではなく、ヘブライ語復興者たちが話していたイディッシュ語ポーランド語ロシヤ語ドイツ語英語ラディーノ語イベリア半島セファラージ[19]ユダヤ人が話し、ヘブライ文字で記録したユダヤ・スペイン語)、アラビア語その他の言語をも継承しているというものである。ツッカーマンの雑種モデルは「まとまりの原則」(congruence principle)と「創始者原則」(founder principle)の二つの原則から成る。

 まとまりの原則によれば、特定の言語学的特徴がより多くの寄与言語に顕れていればいるほど、それは目標言語にもよりはっきりと存続している[20]。特徴の蓄積の統計にもとづき、一つの語彙が同時に多数の語源を持ちうることを認める「まとまりの原則」は歴史言語学における系図分析(family tree tool)と対置される。まとまりの原則は、語彙置換(relexification)モデル、例えば、現代ヘブライ語語彙文語ヘブライ語彙に置き換えたイディッシュ語に過ぎないので、印欧語の一種であるというような、文法をそのままに語彙を他言語語彙にすっかり置き換えたものだという見方[21]に異論を唱えている。

 創始者原則は、創始者の人口が新興語形成に与えた影響の大きさを重視する。従って、「イスラエル語の生成期においてヘブライ語復興者とイスラエルの地の最初の入植者の大多数の母語イディッシュ語であったので、イディッシュ語現代ヘブライ語の第一義的な寄与言語であるといえる」[22]。ツッカーマンによれば、ヘブライ語復興者たちはヘブライ語セム語文法発音で話すことを望でいたけれども、ヨーロッパに生まれ育ったアシュケナージユダヤ人の身に染みついた習性を取り除くことはできず、ヨーロッパに起源を持つことを拒否し、流浪の歴史(diasporism)を否定し、雑種性(イディッシュ語に反映されている)を忌避することに失敗した。「もし、ヘブライ語復興者が、例えばモロッコ出身のアラビア語を話すユダヤ人たちだったならば、現代ヘブライ語は、系図学的、分類学的に見て、はるかに今よりセム語的な、全く異なった言語になっていただろう。創始者現代ヘブライ語に与えた影響はその後の移民の与えた影響とは比較にならないほど大きい」[23]。この創始者原則は、現代ヘブライ語古代ヘブライ語が復興されたものであるからアフロ・アジア語セム語)系であるという伝統的な復興説と対置される。ツッカーマンは、もはや話されなくなった言語を復興させる場合、それは雑種にならざるを得ないと結論する。

語彙論(Lexicography)~擬態迷彩借用(camouflaged borrowing)の分析[編集]

 ツッカーマンの多源造語(multi-sourced neologisation)はエイナー・ホーゲン(Einar Haugen)の借用語の古典的分類[24]に異論を唱える。ホーゲンは借用語を代用語(翻訳借用)と輸入語(音訳借用)に分類するが、ツッカーマンは擬態・迷彩借用(camouflaged borrowing)の形での「代用と輸入の同時発生(同時翻訳音訳借用)」(simultaneous substitution and importation)説を唱える。それは「多源新語」(multi-sourced neologisms)すなわち、同時に二つ以上の語源から引き出された語彙を分類する。多源造語の例としては、合わせ(phonetic matching)、意味を汲んだ合わせ(semanticised phonetic matching)、合わせ(phono-semantic matching)がある。合わせは直訳(calaquing)とは異なる。直訳は言葉を意訳するが、音合わせ(phonetic matching)、つまり原語の音を目標言語形態素の近似音を借用して維持することはない。『現代ヘブライ語における言語接触語彙の豊富化』(Language Contact and Lexical Enrichment in Israeli Hebrew)は現代ヘブライ語中国語日本語トルコ語アラビア語エストニア語イディッシュ語クレオール雑種諸語における語呂合わせの比較研究を行ったツッカーマンの主著である。同書はLinguist List[25](言語学者の一覧サイト)の書評で絶賛された他、ジェイムズ・マティゾフ(James Matisoff)の「魅力的で多彩な・・・言語の持つ創造性の讃歌」との批評の他、ジェフリー・ヒース(Jeffrey Heath)、ジェフリー・ルイス(Geoffrey Lewis)ら5名の言語学者から書評を得た[26]。  ツッカーマンは結論として言語設計の専門家を自認する人たち、例えばヘブライ語アカデミー(Academy of the Hebrew Language)も、民間人あるいは宗教指導者の間で行われている語源の通俗的な説明と同じ技法を用いるべきだと主張する。ツッカーマンは、語彙学者(辞典編者)や語源学者も、語彙の擬態・迷彩借用(camouflaged borrowing)や多源造語が広く行われている実態を直視して、多源新語素に単一語源を押し付けるようなことは慎むべきだと論じている。

言語復興(revival linguistics)~言語再獲得の普遍的な制約と機能の探求[編集]

 ツッカーマンは言語復興(Revival Linguistics)を言語記録(documentary linguistics)を補完する言語学の新しい一分野として位置付け、特に、(1)もはや話されなくなった言語の復活(言語の再獲得、language reclamation)だけでなく、(2)言語離れ(language shift)、すなわち、一言語(例えば日本語)の話し手・担い手が別の言語(例えば英語)の習得に力を入れて母語を継承しなくなる傾向の逆転(言語の再生ないし再活性化language renewal or revitalisation)の試みを体系的、一般的、学術的に分析することを目指している。ツッカーマンの「言語復興学」は言語接触学(contact linguistics)を模範とした命名で、言語の再獲得や再生ないし再活性化の普遍的な制約と仕組みを探求することなどから構築される。それは、言語復興の事例のいくつかの比較検討から得られた知見を応用し、地球上の眠れる言語たちを目覚めさせようとする各地各様の取り組みにおける諸々の議論の間に科学的な橋渡しができるようにする学問である[27]

言語表記と言語形成~漢字の特徴を活かした当て字文化[編集]

 ツッカーマンは、北京官話明治以降の日本語における語呂合わせ(phono-semantic matching)の事例の探索の結果、漢字は多機能的であると結論付けた。すなわち、漢字は疎義的(cenemic=意味が疎、つまり描写的phonographic)であり、「密義的」(pleremic=意味が密、つまり描写的logographic)であり、そして疎義的であると同時に密義的(つまり描写的)でもあるという多機能性を持つ。例えば、日本語では、イギリスの紳士服を言い表すのに「背広」という二つの漢字を当てて、その意味をもって紳士服を着た後姿を写すと同時に、その訓読み「セビロ」をもってロンドン紳士服の仕立屋が軒を並べた通り「サェヴィル・ロゥ」(Saville Row)に掛けた掛詞にした例、また英語クラブ(club)を言い表すのに「倶楽部」という三つの漢字を当てて、そのを表現すると同時に「倶に楽しむ部屋」という意味をも表現した事例などが、この漢字の多機能性をよく表している。ツッカーマンは、以上の当て字事例から、「言語はどのような文字で書かれようとも同じである」というレオナード・ブルームフィールド(Leonard Bloomfield)説[28]は不正確であり、「もし中国人がローマ字を使用していたら、中国語の語彙のうち数千はそもそも出来なかったか、全く別の形の語彙になっていたであろう」と主張している[29]

楽しい言語学~言葉遊びのルールとゲーム[編集]

 ツッカーマンは現代ヘブライ語でこれまでのところ最長の回文(palindrome)で物語を作成した[30]。また、一つので二つの言語(イタリア語ヘブライ語)のどちらでも意味を持たせることに成功した[31]

参考文献[編集]

関連サイト[編集]

[編集]

  1. ^ 「ツッカーマン」は現代ヘブライ語なので、ヘブライ文字ツァディ צ(キリル文字のツェЦ、アラビア文字のص)の音を重視したカタカナ表記にしたが、英語ではZ(ズ)で発音する人が多い。例、学習院大学における2014年9月13日のLinguapax Asiaの午後の円卓討議に「ズッカーマン」の名前で参加。
  2. ^ Ghil`adのlとaの間の ` は、ヘブライ文字アイン ע(アラビア文字の ع)である。(アポストロフィー ’ はアレフ א を指すが、多くのサイトでアインと混同されている)。
  3. ^ 中国名はZuckermannの音に近い音を三国志諸葛亮孔明の氏「諸葛」と浪漫(ロマン)の「漫」の北京官話拼音から拾い、それに「ロマン的知恵者」ほどの意味を掛けたという。「久楽」は、Ghil`adの意味を孔明のような字(あざな)に擬したもので、北京官話ではJiuleだが、客家白話でKiulokと拼音すれば、原音にも多少は配慮した直訳的当て字となる。専門的には、原音に擬しながら意味をこじつけた語呂合わせ(semanticised phonetic matching)の当て字新語形成例となろうか。 諸葛漫久楽は中国人名と字として、原語の音訓を活かながら目標言語に溶け込む迷彩効果がある。
  4. ^ 日本名の由来は、もとのドイツ語でツッカーマンとは「砂糖売り」ほどの意味なので、その一部の「砂糖」(ツッカー)の「音」に日本人の苗字の一つである「佐藤」を掛けた掛詞である。専門的にみると、これは(1)部分翻訳(砂糖)と(2)翻訳の同音異義語を活用した音合わせ(語呂合わせ)で苗字を選ぶ二段階を経た新語形成といえる。「ギラード」はそのヘブライ語の意味をそのままそっくり「幸永」と漢訳し「ゆきなが」と日本人らしい名前に読み下した。これは専門的には「カルク」(仏calque)=「直訳語」(なぞり)の例といえよう。合わせて「佐藤幸永」は普通の日本人名として原語の訓を保持したまま目標言語に溶け込む迷彩(カムフラージュ)効果の高い借用語の例といえよう。
  5. ^ The University of Adeleide, University Staff Directory, Professor Ghil'ad Zuckermann, http://www.adelaide.edu.au/directory/ghilad.zuckermann |accessdate=October 17, 2014
  6. ^ R. M. W., Dixon (2006). Complement Clause Types in Israeli. Oxford University Press. pp. 72-92. http://www.zuckermann.org.pdf/complement_clause.pdf 
  7. ^ Ibid.
  8. ^ ツッカーマン曰く「言語学上の創世記は実際には単純な系図が示すものよりもはるかに複雑であり、復興された言語が単一の先祖にのみつながるということは考えにくい」Zuckermann, G. (2009). “Hybridity versus Revivability: Multiple Causation, Forms and Patterns”. Journal of Language Contact: 40-67. http://www.zuckermann.org/pdf/Hybridity_versus_Revivability.pdf. 
  9. ^ http://www.adelaide.edu.au/directory/ghilad.zuckermann
  10. ^ Katz, Dovid (2004). Words on Fire: The Unfinished Story of Yiddish. New York: Basic Books. http://www.dovidkatz.net/i_1soy.htm 
  11. ^ 'Philologos' (December 24, 2004). “"Hebrew v. Israeli"”. The Forward. http://forward.com/articles/4052/hebrew-vs-israeli/? 2014年10月17日閲覧。. 
  12. ^ Zuckermann, Ghil`ad (December 28, 2004). “"The Genesis of the Israeli Language: A Grief Response to 'Philologos'"”. The Mendele Review: Yiddish Literature and Language,. http://yiddish.haifa.ac.il/tmr/tmr08/tmr08013.htm. 
  13. ^ http://www.youtube.com/watch?gl=GB&hl=en-GB&v=mH0Nnhhj-X4 [accessdate=October 17, 2014]
  14. ^ http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-3333948,00.html [accessdate=October 17, 2014]
  15. ^ "Aboriginal languages deserve revival" [1], The Australian Higher Education, August, 26, 2009; Zuckermann, G.; Walsh, M. (2011). “Stop, Revive, Survive: Lessons from the Hebrew Revival Applicable to the Reclamation, Maintenance and Empowerment of Aboriginal Languages and Cultures”. Australian Journal of Linguistics 31 (1): 111-127. https://www.academia.edu/312147/Stop_Revive_Survive_Lessons_from_the_Hebrew_Revival_Applicable_to_the_Reclamation_Maintenance_and_Empowerment_of_Aboriginal_Languages_and_Cultures. 
  16. ^ |accessdate October 17, 2014}; |accessdate=February 7, 2011
  17. ^ NITV News, Nancy Guivarra, September 23, 2013, "Aboriginal Community in South Australia Reclaim Lost Language"|accessdate=October 17, 2014, NITV News, Nancia Guivarra, September 25, 2013, "Barngarla Language Brought Back to Life" |accessdate=October 17, 2014
  18. ^ Fishman, J. http://yiddish.forward.com/node/1753 |accessdate=October 17, 2014
  19. ^ アシュケナージがヨーロッパ・ユダヤ人とすればセファラージはイベリア半島を含むイスラム圏・ユダヤ人を指し、地理的にはアシュケナージが北方、セファラージが南方ユダヤ人ということになろうか。
  20. ^ Mufwene, Salikoko (2001). The Ecology of Language Evolution. Cambridge: Cambridge University Press 
  21. ^ Horvath, Julia; Wexler, Paul (eds) (1997). Relexification in Creole and non-Creole Languages: With Special Attention to Haitian Creole, Modern Hebrew, Romani and Rumanian. Wiesbaden: Otto Harrassowitz 
  22. ^ Zuckermann, Ghil`ad (2006). “A New Vision for 'Israeli Hebrew': Theoretical and Practical Implications of Analysing Israel's Main Language as a Semi-Engineered Semito-European Hybrid Language”. Journal of Modern Jewish Studies 5 (1): 57–71. http://www.zuckermann.org/pdf/new-vision.pdf 2014年9月19日閲覧。. のp. 63参照
  23. ^ http://www.zuckermann.org
  24. ^ Haugen, Einar (1950). “The Analysis of Linguistic Borrowing”. Language 26: 210-231. 
  25. ^ http://www.linguistlist.org/issues/16/16-1399.html
  26. ^ Zuckermann, Ghil`ad (2003). Language Contact and Lexical Enrichment in Israeli Hebrew. http://www.palgrave.com/products/title.aspx?PID=267830 の書評参照
  27. ^ Zuckermann, Ghil`ad; Walsh, Michael (2011). “Stop, Revive, Survive: Lessons from the Hebrew Revival Applicable to the Reclamation, Maintenance and Empowerment of Aboriginal Languages and Cultures”. Australian Journal of Linguistics 31 (1): 111–127. http://adelaide.academia.edu/Zuckermann/Papers/267186/Stop_Revive_Survive_Lessons_from_the_Hebrew_Revival_Applicable_to_the_Reclamation_Maintenance_and_Empowerment_of_Aboriginal_Languages_and_Cultures 2014年9月19日閲覧。. 
  28. ^ Bloomfield L. (1933) Language, New York: Henry Holt, p. 21
  29. ^ Zuckermann, G. (2003). Language Contact and Lexical Enrichment in Israeli Hebrew. Houndmilss: Palgrave Macmillan. p. 255 
  30. ^ Zuckermann, Ghil`ad (1998). “"Lear's in Israel": Words Ways”. The Journal of Recreational Linguistics 31 (2): 154-155. http://www.zuckermann.org/recreational.html. 
  31. ^ Zuckermann, Ghil`ad (2006). “"Shir Du-Leshoni" (Bilingual Poem), Ho!”. Literary Magazine 3: 256-257. http://www.zuckermann.org/poetry.html.