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利用者:Ice9/RFC Statusの草稿

en:Request for Comments#Status (00:30, 17 August 2008 版[1])より抄訳。 原版の直近の主要な編集者: en:User:203.221.91.4, en:User:Stephan Leeds, en:User:67.185.44.237, en:User:Hairy Dude, en:User:194.24.251.9

位置付け[編集]

RFC はすべてが標準とは限らない。[1] 各 RFC には、標準化プロセスにおける位置付け (status) が定められている。位置付けは「参考 (Informational)」、「実験的 (Experimental)」、「現状で最良の慣行 (Best Current Practice, BCP)」、「標準化過程 (Standards Track)」、「歴史的 (Historic)」のいずれかで、「標準化過程」はさらに「標準への提案 (Proposed Standard)」、「標準への原案 (Draft Standard)」、「インターネット標準 (Internet Standard)」に分けられる。「歴史的」は破棄された標準化過程の文書や標準化過程が定まる前に公開されていた廃れた RFC に適用される。インターネット標準を承認できるのは Internet Engineering Steering Group (IESG) が代表を務める IETF だけである。RFC の一つ一つは不変であり、文書を変更するには再度提出して新しい RFC 番号の割り当てを受ける必要がある。インターネット標準 (STD) になった RFC には RFC 番号はそのままで新たに STD 番号が割り当てられる。一方、インターネット標準が更新されたときには STD 番号は維持され、異なる RFC を参照するようになる。あるインターネット標準 STD n があるとき RFC x と RFC y を参照していて、後に同じ標準が更新されて RFC z を参照する、ということがありうる。たとえば、2007 年にはインターネット標準 STD 1 は RFC 3700 であったが、2008年5月には RFC 5000 に置き換えられた。つまり RFC 3700 は「歴史的」に変更され、RFC 5000 が 2008年5月時点での STD 1 になった。再度 STD 1 が更新されるときには、標準化過程を完了した新しい RFC を参照するが、 STD 1 は STD 1 のままである。「現状で最良の慣行」も同様に運用され、BCP n が参照する RFC(一つまたは複数)はその時々で変わることがある。

インターネット標準の一覧はそれ自体がインターネット標準 STD 1 Internet Official Protocol Standards である。[2]

「参考」RFC には、エイプリル・フールのジョーク、プロプライアテリなプロトコル、RFC 1591 のように広く不可欠なものと認められた RFC など、ほとんどあらゆるものが含まれる。「参考」RFC には "for your information" (FYI) と呼ばれる一連の文書も含まれる。今日では珍しくなったが、古い FYI 文書にはいまだに興味深いものがあり、たとえば FYI 18 としても知られる RFC 1983 "Internet User's Glossary" が挙げられる。

「実験的」RFC は IETF 文書または RFC Editor へ個人的に提出された文書である。実験的といっても、実際には具体的な手続きをとる有志がいないために標準化過程へ昇格していない文書も含まれる。

「現状で最良の慣行」(BCP) は、「参考」には留まらないが「回線上のデータ (on the wire data)」には影響しない公的なルールと見なされている実務上の文書などである。標準化過程と BCP の境界はしばしば不明確である。BCP 9 のように「インターネット標準化プロセス」や IETF の管理手続きだけに影響する文書は明らかに BCP である。IANA 登録のためのルールや規定を定義するだけの文書の扱いは曖昧で、ほとんどは BCP だが、いくつかは標準化過程にある。

BCP にはインターネット標準を実践するための技術的な推奨事項も含まれる。たとえば、DoS 攻撃を困難にするためのソース・フィルタリング使用推奨 (RFC 2827 "Network Ingress Filtering: Defeating Denial of Service Attacks which employ IP Source Address Spoofing") は BCP 38 となっている。

「歴史的」RFC は、新しい版の登場に伴い破棄されたか、現状のインターネットにおいて重要と見なされないプロトコルを扱っているか、またはその他の理由により標準化過程から外された文書である。ただし破棄された RFC のなかには「歴史的」とされていないものもあり、標準化過程の RFC が下位の RFC を規範的に参照することを「インターネット標準化プロセス」が一般に許していないことがその理由である。また、RFC を「歴史的」とし、それに依存するすべての RFC を更新するのに必要な手続きをとろうとする者がいないという場合もある。

いくつかの非常に古い RFC には「不明 (unknown)」という位置付けがされており、もし同じ文書が現在公開されるとしたらどの位置付けとされるかは明らかでない。こうした RFC の一部は現在ならばそもそも公開されないだろうと見られる。また初期の RFC のなかには文字通り「コメントの募集」に過ぎず、プロトコルや管理手続きの明記を含めて今日 RFC が用いられるどの目的にも属さないものもある。

  1. ^ Huitema, C.; Postel, J.; Crocker, S. (1995年4月). “Not All RFCs are Standards (RFC 1796)”. The Internet Engineering Task Force. 2008年5月19日閲覧。 “[E]ach RFC has a status…: Informational, Experimental, or Standards Track (Proposed Standard, Draft Standard, Internet Standard), or Historic.”
  2. ^ Internet Official Protocol Standards (STD 1)” (plain text). RFC Editor (1995年4月). 2008年5月19日閲覧。