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利用者:JohnDoe9579/三体 (テレビドラマ)

三体
3 Body Problem
ジャンル
原作 劉慈欣三体
原案
出演者
音楽 ラミン・ジャヴァディ
国・地域 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
標準中国語
シーズン数 1
話数 8 (各話リスト)
各話の長さ 44–64分
製作
製作総指揮
プロデューサー
  • Steve Kullback
  • ハミード・ショーカット
撮影地 イギリスの旗 イギリス
撮影監督
編集
  • Katie Weiland
  • Simon Smith
  • マイケル・ルシオ
  • Anna Hauger
製作
配給 Netflix
放送
放送チャンネルNetflix
放送期間2024年3月21日 (2024-03-21) - 放送中
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『三体』(原題:3 Body Problem)は、デイヴィッド・ベニオフD・B・ワイスアレクサンダー・ウー英語版によって製作されたアメリカSFテレビシリーズ。原作はヒューゴー賞を受賞した劉慈欣の小説『三体』で、2023年に中国で製作されたテレビシリーズに続き2度目の実写化となる。

2024年3月21日にNetflixで全8話が配信された。

あらすじ[編集]

中国文化大革命期の批判闘争大会で父親が撲殺されるのを目の当たりにした天体物理学者の葉文潔(イエ・ウェンジエ)は、軍に拘束される。その後、労働キャンプで当局とトラブルになるも、科学者としての経歴を買われ、紅岸基地という極秘施設で行われているプロジェクトに参加することになる。

基地で異星人からのメッセージに返答するという彼女の決断により、現代の科学者たちを巻き込んだ人類最大の脅威に直面する。

登場人物[編集]

メイン[編集]

ソール・デュランド(原作の羅輯
演 - ジョヴァン・アデポ英語版[1]
オックスフォード卒の5人の1人。
物理学研究所でヴェラの助手を務める。非凡な才能を持ちながら、野心は無い。
トマス・ウェイド
演 - リアム・カニンガム[1]
諜報機関「黒い宮殿」のカリスマ的リーダー。
オーガスティナ・”オギー”・サラザール(原作の汪淼程心
演 - エイザ・ゴンザレス[1]
オックスフォード卒の5人の1人。ナノファイバーの開発者。
ある日、謎のカウントダウンが見えるようになる。
ジン・チェン(原作の汪淼、程心、艾AA
演 - ジェス・ホン英語版[1]
オックスフォード卒の5人の1人。理論物理学の天才。
クラレンス・ダー・シー(原作の史強
演 - ベネディクト・ウォン[2][1]
ウェイドの下で働く捜査官。謎めいた科学者の連続死事件を捜査する。
MI5エージェント。
タチアナ・ハース(原作の申玉菲、艾AA)
演 - マーロ・ケリー英語版[1]
オギーに接触してきた謎の女性。エヴァンズの組織内で育った。
葉文潔(イエ・ウェンジエ)
演 - ロザリンド・チャオ[1]、若い頃 - ジーン・ツェン[1]
天体物理学の天才。
文化大革命で全てを失い、孤独にさいなまれる。1960年に下した決断が、現在にまで影響を及ぼす。
ウィル・ダウニング(原作の雲天明
演 - アレックス・シャープ[1]
オックスフォード卒の5人の1人。シックスス・フォーム英語版の物理学教師。
ソフォン
演 - シー・シムーカ[1]
VRゲームの案内人。
ジャック・ルーニー(原作の胡文)
演 - ジョン・ブラッドリー[1]
オックスフォード卒の5人の1人。
歯に衣着せない性格でありながら憎めないキャラ。卒業後は研究から離れ、数百万ポンド規模のスナック会社を設立した。
プリトヴィラジ・”ラジ”・ヴァルマ(原作の章北海
演 - サーメル・ウスマニ[1]
ジンの彼氏。軍人家系に生まれた海軍中佐。
マイク・エヴァンズ
演 - ジョナサン・プライス[1]、若い頃 - ベン・シュネッツァー[1]
情熱的な環境保護論者から一転、石油王として億万長者になり、ある任務に資金をつぎ込む。

リカーリング[編集]

ゲスト[編集]

エピソード[編集]

シーズン1[編集]

通算
話数
シーズン
話数
タイトル監督脚本公開日
11"カウントダウン"
"Countdown"
デレク・ツァンデイヴィッド・ベニオフ & D・B・ワイス & アレクサンダー・ウー英語版2024年3月21日 (2024-03-21)
22"紅岸"
"Red Coast"
デレク・ツァンローズ・カートライト2024年3月21日 (2024-03-21)
33"世界の破壊者"
"Destroyer of Worlds"
アンドリュー・スタントンアレクサンダー・ウー2024年3月21日 (2024-03-21)
44"我が主よ"
"Our Lord"
ミンキー・スパイロマドゥリ・シェカル2024年3月21日 (2024-03-21)
55"審判の日"
"Judgment Day"
ミンキー・スパイロデイヴィッド・ベニオフ & D・B・ワイス2024年3月21日 (2024-03-21)
66"星群計画"
"The Stars Our Destination"
ミンキー・スパイロアレクサンダー・ウー2024年3月21日 (2024-03-21)
77"前進あるのみ"
"Only Advance"
ジェレミー・ポデスワ英語版デイヴィッド・ベニオフ & D・B・ワイス2024年3月21日 (2024-03-21)
88"面壁者"
"Wallfacer"
ジェレミー・ポデスワデイヴィッド・ベニオフ & D・B・ワイス2024年3月21日 (2024-03-21)

製作[編集]

開発[編集]

2020年9月、デイヴィッド・ベニオフD・B・ワイスNetflixで『三体』のテレビドラマ化を開発中であることが発表され、アレクサンダー・ウー英語版も彼らと共同で脚本を執筆することが明らかになった[4]。シーズン2の製作はまだ決定していないが、3部作全てをドラマ化する予定だと語っており、3シーズン以上になると見られている[5][6][7]

2020年12月25日、Yoozoo Gamesの創設者で、本作のエグゼクティブ・プロデューサーだった林奇英語版が毒入り飲料を摂取した後に死亡し[8]、加えて他の4人も体調を崩すという事件が発生[9]。本作が配信された翌日の2024年3月22日、同社の幹部である許垚が殺人罪で死刑判決を受けた[8]。2017年、林は劉慈欣の小説のフランチャイズ権を購入し、それを管理するために弁護士である許垚を雇っていた。毒殺事件の動機は、許垚がシリーズの権利を所有する子会社を掌握しようとしたものだった[10]

キャスティング[編集]

2021年8月、エイザ・ゴンサレスが出演交渉に入った[11]。同月、パイロット・エピソードの監督にデレク・ツァンが起用された[12]。同年10月にはゴンサレスの出演が決定し、ベネディクト・ウォンツァイ・チンジョン・ブラッドリーリアム・カニンガムジョヴァン・アデポ英語版らが追加キャスティングされた[13]。2022年6月には、ジョナサン・プライスロザリンド・チャオベン・シュネッツァー、イヴ・リドリーらがキャストに追加された[14]

撮影[編集]

主要撮影はロンドンで、2021年10月から2022年半ばまでの9カ月間にわたって行われた[15]

2022年、Netflixのファンイベント「Tudum」でアレクサンダー・ウー、デヴィッド・ベニオフ、D.B.ワイスらが、シーズン1の製作が完了したことを発表した[16]

公開[編集]

本作は2024年3月21日に配信された[17]。併せて、ジェイソン・コンセプシオンとマギー・アデリン=ポコック英語版がホストを務めるポッドキャストも発表された[18]。2024年1月10日、SXSW映画祭で本作がオープニング・ナイトTVプレミアとして発表された[19]

評価[編集]

批評家の反応[編集]

批評集積サイトRotten Tomatoesでは、106件の批評家レビューのうち79%が肯定的で、平均値は6.8/10となっている。批評家の総意は、「野心的な原作に見事な勢いで挑んでいる『三体』のシーズン1は、SFファンにさらなる意欲を抱かせる堅実なスタートであることを証明している。」としている[20]

Metacriticでは、41件の批評家レビューがあり、加重平均値は70/100となっている[21]

中国での反応[編集]

本作は、中国で様々な反響を呼んだ。同国でNetflixは非合法だが、視聴者はVPNを使って地域制限を回避したり海賊版を見たりすることができた[22]ガーディアン紙によると、本作のハッシュタグは中国のソーシャルメディア微博(ウェイボー)で23億回読まれ、142万4000回議論された[23]

中国の視聴者は、複数の主人公の人種や性別の変更、文化の盗用、非中国人視聴者にアピールするための「ダミング・ダウン」を批判し、現地で大絶賛を受けた2023年の中国版と比較し劣っているとした。一方、微博ユーザーの中には、本作が文化大革命の描写、原作への忠実さ、全世界の視聴者への幅広いアピールなどを称賛した者もいた[22][23]

中国の映画批評サイトMtszimuは、本作を「劉慈欣の原作を新たに解釈しただけでなく、世界のSF文学に重要な貢献をした」と称賛した[24]人民解放軍が管理する国営China Military Onlineは、本シリーズが中国人を敵対者としたまま、原作で描かれている現代の中国描写を排除しているとして批判した[25]

人種差別に関するソーシャルメディアからの批判に対して、キャストのベネディクト・ウォンは、劉慈欣がショーランナーたちにストーリーをグローバルなものにすることを許可したと述べた。ウォンはまた、自身やジェス・ホン英語版ロザリンド・チャオ、ジーン・ツェンを含む数人のアジア系キャストの存在を挙げた。ホンとチャオはまた、Netflixによる映画化は、文化大革命とその遺産に関する小説の描写を維持していると述べた。ホンは、今回の映画化は「東洋に重きを置いた物語を、西洋の視点やグローバルな視点に国際化することを目指した。それぞれ異なる国の出身である俳優たちにとっては、これら全ての素晴らしいストーリーを1つの感情の核に引き込むことができということは非常に素晴らしいことだから。」と語った。[26]

Voxのアジャ・ロマーノ記者は、メディアがNetflixの番組へに対する中国ソーシャルメディアのナショナリズム的な怒りを誇張していると指摘した。また彼は、中国の視聴者には「番組を称賛する声と批判する声が同居している」ことを発見し、欧米の視聴者と同じように多くの批判的な論評を共有しており、番組に対する批判は普遍的なものであることを強調した[27]

描写と解釈[編集]

本作には、中国文化大革命時の批判闘争大会がリアルに描かれており、中国とアメリカで意見が分かれた[28][29]デイヴィッド・ベニオフ監督はハリウッド・リポーター誌のインタビューの中で、「このドラマはキャンセル・カルチャーの批評ではない」としながらも、フィクションが現代の社会政治情勢に相似していることには同意している[29]。1話と2話の監督を務めたデレク・ツァンは、文化大革命時代の信憑性を確保するため、中国出身であることを理由に起用された。ツァンは、本作のゴールは、観客に主人公イェ・ウェンジェに共感してもらい、物語における彼女の動機や立場を理解してもらうことだと説明した[30]

ハリウッド・リポーター誌のジョエル・スタイン記者は、文化大革命のシーンはアメリカのリベラル派と保守派の批評家の間で解釈が分かれたと指摘し、保守派は「Wokism」と「極左アジェンダ」に対する警告に焦点を当てたのに対し、リベラル派はこのシーンを保守主導の反科学論反ワクチン活動、公民権後退に対する警告と見なしているとした[31]

参照[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p 3 Body Problem Cast and Character Guide”. Netflix. 2024年3月24日閲覧。
  2. ^ 3 Body Problem: Everything You Need to Know About the New Series”. Netflix. 2023年11月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年1月12日閲覧。
  3. ^ "3 Body Problem" Wallfacer”. IMDb. 2024年3月29日閲覧。
  4. ^ ‘The Three-Body Problem’: Benioff & Weiss Set Sci-Fi Drama At Netflix – Deadline”. web.archive.org (2020年9月1日). 2024年5月16日閲覧。
  5. ^ ‘3 Body Problem’ Season 2 Is Official” (英語). Esquire (2024年5月15日). 2024年5月16日閲覧。
  6. ^ Mercuri, Monica. “Will There Be A ‘3 Body Problem’ Season 2? Here’s What To Know” (英語). Forbes. 2024年5月16日閲覧。
  7. ^ Tassi, Paul. “Netflix Is In A Bind With ‘3 Body Problem’ Season 2” (英語). Forbes. 2024年5月16日閲覧。
  8. ^ a b Crosbie, Eve (2024年4月1日). “An executive who worked on '3 Body Problem' was sentenced to death for fatally poisoning the Netflix show's producer” (英語). Business Insider. 2024年4月3日閲覧。
  9. ^ Former executive given death sentence in poisoning of founder of high-flying Chinese gaming company” (英語). Associated Press (2024年3月22日). 2024年4月3日閲覧。
  10. ^ Pierson, David (2024年4月). “The Bizarre Chinese Murder Plot Behind Netflix's '3 Body Problem'”. The New York Times. https://www.nytimes.com/2024/04/01/world/asia/china-three-body-problem-murder.html 2024年4月3日閲覧。 
  11. ^ Kroll, Justin (2021年8月4日). “Eiza Gonzalez In Talks To Join David Beinoff And D.B. Weiss’ Netflix Series ‘Three-Body Problem’” (英語). Deadline. 2024年5月16日閲覧。
  12. ^ Hibberd, James (2021年8月19日). “Derek Tsang to Direct Netflix’s ‘Three-Body Problem’ From ‘Game of Thrones’ Showrunners (Exclusive)” (英語). The Hollywood Reporter. 2024年5月16日閲覧。
  13. ^ Rosario, Alexandra Del (2021年10月29日). “‘3 Body Problem’: MCU’s Benedict Wong, Tsai Chin, ‘GoT’s John Bradley & Liam Cunningham Among 12 Cast In Netflix Series” (英語). Deadline. 2024年5月16日閲覧。
  14. ^ Hibberd, James (2022年6月23日). “Netflix’s ‘3 Body Problem’ Casts Four More Actors, Including ‘Game of Thrones’ Alum (Exclusive)” (英語). The Hollywood Reporter. 2024年5月16日閲覧。
  15. ^ Stuff”. www.stuff.co.nz. 2024年5月16日閲覧。
  16. ^ Pulliam-Moore, Charles (2022年9月28日). “Netflix doesn't seem to know how to talk about its 3 Body Problem show”. Verge. 2024年4月29日閲覧。
  17. ^ Netflix Reveals 3 Body Problem Adaptation Clip—and Its Release Date” (英語). Gizmodo (2023年11月10日). 2024年5月16日閲覧。
  18. ^ The '3 Body Problem' Teaser Has Entered the Orbit”. Netflix. 2023年11月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年6月21日閲覧。
  19. ^ 2024 SXSW Film & TV Festival Lineup: 3 Body Problem and More”. web.archive.org (2024年1月22日). 2024年5月16日閲覧。
  20. ^ 3 Body Problem: Season 1 | Rotten Tomatoes” (英語). www.rottentomatoes.com. 2024年5月16日閲覧。
  21. ^ 3 Body Problem season 1” (英語). www.metacritic.com. 2024年5月16日閲覧。
  22. ^ a b Gan, Nectar (2024年3月22日). “Netflix blockbuster ‘3 Body Problem’ divides opinion and sparks nationalist anger in China” (英語). CNN. 2024年5月16日閲覧。
  23. ^ a b Davidson, Helen (2024年3月22日). “‘Flat and shallow’: Netflix’s 3 Body Problem divides viewers in China” (英語). The Guardian. ISSN 0261-3077. https://www.theguardian.com/world/2024/mar/22/netflix-3-body-problem-divides-viewers-china 2024年5月16日閲覧。 
  24. ^ Davidson, Helen (2024年3月22日). “'Flat and shallow': Netflix's 3 Body Problem divides viewers in China”. The Guardian. オリジナルの2024年3月25日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20240325011224/https://www.theguardian.com/world/2024/mar/22/netflix-3-body-problem-divides-viewers-china 2024年3月25日閲覧。 
  25. ^ Zhao, Ziwen (2024年3月31日). “Chinese state media say Netflix's 3 Body Problem pushes US 'cultural hegemony'” (英語). South China Morning Post. https://www.scmp.com/news/china/article/3257378/chinese-state-media-accuse-netflix-series-3-body-problem-pushing-american-cultural-hegemony 2024年4月1日閲覧。 
  26. ^ Lee, Tony (2024年3月26日). “'3 Body Problem' cast addresses whitewashing criticism from fans of original Chinese novels”. NBC News. https://www.nbcnews.com/news/asian-america/3-body-problem-cast-rcna144545 2024年3月27日閲覧。 
  27. ^ Romano, Aja (2024年4月12日). “The Chinese backlash over Netflix's 3 Body Problem, explained”. Vox. 2024年4月29日閲覧。
  28. ^ Li, Yuan (2024年4月8日). “What Chinese Outrage Over '3 Body Problem' Says About China”. The New York Times. 2024年4月29日閲覧。
  29. ^ a b Hibberd, James (2024年3月23日). “Netflix's '3 Body Problem' Draws Fire in China, Praise From U.S. Conservatives”. The Hollywood Reporter. 2024年4月29日閲覧。
  30. ^ Haasch, Palmer (2024年3月26日). “'3 Body Problem' director says the 'pressure was huge' to represent Chinese history accurately on screen”. The Business Insider. 2024年4月29日閲覧。
  31. ^ Stein, Joel (2024年4月5日). “The '3 Body Problem' Scene That's Become a Political Lightning Rod”. The Hollywood Reporter. 2024年4月29日閲覧。

外部リンク[編集]