利用者:Kaba/イギリス人貴族の記事名の付け方

問題提起[編集]

イギリス人貴族の記事を翻訳しています。英語版を見るとその記事名は

国王(英語版)

名前+XX世+「of」+国名
例):Henry VI of England

王族(英語版)

名前+「of」+ゆかりの地名+「,」+第XX代+爵位+「of」+封土名
例):John of Gaunt, 1st Duke of Lancaster

貴族(英語版)

名前+苗字+「,」+第XX代+爵位+「of」+封土名
例):Richard Plantagenet, 3rd Duke of York

でほぼ統一されています。ですが日本語版を見ると、

国王(日本語版)

名前+XX世+「 (」+国名+「王)」
例):ヘンリー6世 (イングランド王)

王族(日本語版)

記事によってバラバラ。(爵位がなかったりオブがなかったり。)

貴族(日本語版)

記事によってバラバラ。

特に貴族に関しては、私自身も試行錯誤しているために同一人物とは思えないぐらいバラバラです。ここに統一感を持たせつつも各記事から呼び出しやすい表記とはどんなものか?を考えてみました。

現状[編集]

現在のイングランド貴族の記事名の付け方は、下記のとおり大別できます。

  1. 「封土名+爵位+名前+苗字」 (例:「リッチモンド伯エドムンド・テューダー」)
  2. 「封土名+爵位+名前+苗字+" (第XX代)"」 (例:「ウェストモーランド伯ラルフ・ネヴィル (初代)」)
  3. 「名前+苗字+" ("+封土名+爵位+")"」 (例:「ヘンリー・スタフォード (バッキンガム公)」)
  4. 「名前+苗字+" (第XX代"+封土名+爵位+")"」 (例:「リチャード・ネヴィル (第5代ソールズベリー伯)」)

私自身は全て使ってしまっていました。最初は上記1の表記で初めて、試行錯誤の末に今は上記4ばかりです。

考察[編集]

日本人にとっては冠を先につける方がなじみやすいので、上記1が一番違和感なく読めると思います。ですが「記事名」という観点でいくと、少し考慮が必要とも考えます。

「(第XX代)」は必須か任意か[編集]

上記1,3には「同一爵位で同一名の場合記事名が重複する」という問題があります。実際イングランド貴族では相当重複する名前があります()。もちろん「重複したものだけ世代番号を付ける」という手もありますが、統一感がないために執筆者の負荷が増す事が予想されます。であれば国王の表記に必ず「(XXX王)」と付けるように、世代番号も付けてしまった方がよいと考えます。(読み手に読みやすくするために配慮は必要ですが・・・。)

爵位は前か後ろか[編集]

爵位は終身的なものではありませんし名前の一部でもありませんから、やはり後ろで()内に収める方が適当だと考えます。(日本人の記事に「従一位太政大臣」と書くようなものですし)

記事内の表記はどうするか[編集]

では記事文章中はどうするかというと、そのままでは非常に読みにくくなる場合も考えられますので、ここは執筆者の配慮しだいだと考えます。例えば親族内の話をしているのであれば「叔父フォーコンバーグ卿ウィリアム」ではなく「叔父ウィリアム・ネヴィル」でいいでしょうし、政争に関する記事であれば単に「フォーコンバーグ卿」でもいいでしょう。もちろんケント伯になって以降の記事なら「ケント伯」です。この点についてはルール化が非常に難しいため、執筆者に委ねるべきと考えます。


繰り返しになりますがやはり文中では上記1が一番読みやすいと思われます。ですが、将来的に記事が増えていく事を考えれば、「多少手はかかっても機械的に混乱なくリンクが張れる方式」が記事名には適していると考えます。従って、私の案は上記4 (「名前+苗字+" (第XX代"+封土名+爵位+")"」)です。

さらなる問題[編集]

記事名についてはこれで意思表明したとして、他にも問題はあります。それは「カテゴリにぶら下げる際の名前」です。例えば「ノーサンバランド伯ヘンリー・パーシー」は、

となっています。これはカテゴリページで封地で並ぶので分かりやすいからなのでしょうが、これを踏襲するかどうかは議論が必要だと考えています。(日本語版はバラバラです。)

ご意見コーナー[編集]

まとめていただきありがとうございます。以下私見を述べさせていただきますが、たぶんに主観とか思い入れとか、そういうのが交錯する問題だろうなとは思います。

「(第XX代)」は必須か任意か
あったほうがよいかもしれません。ただ一方で、たとえばイングランド史上で「ストラフォード伯」といえば暗黙裡に初代をさす、そういう例はよくあることのように思います。このへんとの兼ね合いが問題になるかもしれないな、と思いました。
爵位は前か後ろか
これはより複雑な問題を孕んでいるように思います。特に子爵・男爵では、封土がない場合があるからです。となれば、同じ名を2度繰り返す必要が出てきます。また封土があるとないとでは同じ子爵でも「格」の差があるのも否めません。余談ながら、「伯」「公」のみの一文字で終わらせると、子爵・男爵との兼ね合いが問題になってくると思います。
カテゴリにぶら下げる名前について
これはもっとも使用頻度の高い使われ方に倣うのがユーザビリティの点からもよいのではないかと思います。Oxford DNBではタイトルでなく苗字になっていますが、日本語の歴史書で言及されるかたちはほとんどの場合タイトル(爵位名)というのが実状です。こうした事情を踏まえると、タイトル名順がいいんじゃないかなあという印象です。有名な例外はロバート・ウォルポールですが、これはウォルポールがオーフォード伯爵位に叙されたのが引退後のことであるためと思われます。

以上、なんだかほとんどのところでKabaさんと意見が対立してしまって恐縮ですが、何かのご参考になればと思います。S kitahashi(Plé)2006年9月3日 (日) 15:19 (UTC)

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いや、これを「意見の対立」とは考えていませんのでお気遣いなく^^。ただ、お互いの基本スタンスにズレがあるように感じられましたので再確認させて下さい。

私は「記事内でその人をどう表現するか」という点に関しては、kitahashiさんの方針にほぼ完全に賛成なのです。(「XX伯一覧」なんかでは記事名そのままでもいいかと考えていますが。) 私の考えは「文中表記は読み手に馴染みやすく、でも記事名は通常の史書での言い回しと異なってでも明確な命名規約に準ずるべき」が基本線です。つまり乱暴に言ってしまえば「記事内の表現と記事名は異なって当然」というものです。(いや、もちろん文中表記形式でリダイレクトや曖昧回避は必要だと思いますが。) kitahashiさんのご意見を伺っていると、個々のルールではなくこの部分が最大のギャップなのではないか、と感じましたがいかがでしょうか?


まずはここを出発点に、あくまで「記事名のネーミングルール」という観点で自説を論じさせて頂きます。

> イングランド史上で「ストラフォード伯」といえば暗黙裡に初代をさす、そういう例はよくあること

史学に限らず、暗黙知はよくある事だと思います。ですがWikipediaに関してはその暗黙知を(少なくとも記事名に関しては)極力排除すべきと考えます。Wikipediaは不特定多数が少しずつその知識を持ち寄って執筆できる間口の広さが魅力な訳ですから、暗黙知に期待して全然関係ない記事にリンクが張られる事は充分予想されます。私はものぐさなので、そのリンクを修正してまわる人にはなりたくないなぁ、と・・・。

> 爵位は前か後ろか

文中表記としてはおっしゃるとおりだと思います。個人的にはイギリスに限らず「所領名+爵位」なら前で、「爵位のみ」は後ろ、だと考えています。(やはり「公爵伊藤」ではなく「伊藤公爵」でしょう。)

ですが記事名としてはWikipedia:記事名の付け方#人名の「原則として敬称・肩書はなし。」に従うべきと考えています。という事で爵位は( )内に入れる、というのが私の持論です。

> 「伯」「公」のみの一文字で終わらせると、子爵・男爵との兼ね合いが問題になってくると思います。

ごもっともです。公侯伯を1字で省略表記する慣行によって統一感がなくなることは「ノーフォーク公」を書いていて感じてはいたのですが、あちこちの記事を見ていても公侯伯に関しては省略形が圧倒的に多いので、リダイレクトが増加してサーバーに無用な負荷をかけるよりは、と省略形で記事を起こし、ノーフォーク公爵をリダイレクトページにしました。これがいいのかどうか、正直胸をはれません。もう少し記事が増えたところで考えてもいいのかな、と消極的に考えています。


申し訳ありません。議論が散漫になってしまいました。これを「対立」と取らず「意見交換」と受け止めて頂ければ幸いです。--Kaba 2006年9月6日 (水) 11:45 (UTC)

時代のズレ?子爵・男爵について[編集]

回答ありがとうございます。私自身が17-18世紀を得意としてるので、そのあたり背景知識のずれがひょっとしたらあるのかもしれないな、と思いました。大筋Kabaさんの方針でよさそうな気がしてきました。気になるのは封土のない子爵・男爵です。たとえば19世紀の歴史家でThomas Babington Macaulay, 1st Baron Macaulayという人物(近いうちに書きたいと思っている)がいますが、こういうのをどうしたものかと思うのです。で選択肢としては、

  1. 「トマス・バビントン・マコーレー」
  2. 「トマス・バビントン・マコーレー男爵」
  3. 「トマス・バビントン・マコーレー (男爵)」
  4. 「トマス・バビントン・マコーレー (マコーレー男爵)」
  5. 「トマス・バビントン・マコーレー (マコーレー男)」
  6. 「トマス・バビントン・マコーレー (初代男爵)」
  7. 「トマス・バビントン・マコーレー (初代男)」
  8. 「初代トマス・バビントン・マコーレー男爵」

あたりが思いつくところです。実際のところ、まず苗字を2回表記する必要はないのではないかと思います(4,5は消える)。次に子爵・男爵を「子」「男」と表記することの是非ですが、こうした表記法をとる歴史書がないわけではありませんが、とても一般的とはいいかねる状況です。したがってこれも省くとすると(7が消える)、残るのは1,2,3,6,8となります。私の今までの方法でいくと2を採用しそうですが、これはKabaさんのアイデアと衝突をきたすのではないかと思います。このあたり、お知恵をお貸しいただけるとうれしいです。S kitahashi(Plé)2006年9月6日 (水) 18:51 (UTC)

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確かに非常に難しいですね・・・。ただ私は封土無しの称号を「苗字にちなんだ」とは考えますが、「苗字」とは捉えていません。あくまで称号であって、苗字が2回並んでいる訳ではないと考えています。(もちろん違和感有り有りなのですが、自分に一生懸命そう言い聞かせています^^。) また、これはあくまで記憶ですが、封土無しの爵位は名誉称号的であるため従兄弟や何かでは継承できないですが、娘の子供なら継承できたと記憶しています。この場合、孫の代には苗字と称号は別のものになります。

あぁ、また話を霧散させてしまいました・・・。今回想定されるケースとしては、

  1. 世襲の有無
  2. 封土の有無

これらをどう表記するかですが、1に関してはまず近年の1代限りに与えられた爵位であれば世代番号は書く必要はないと考えます。(「世襲なんだけど継承者が誰もいなくて断絶」は世代を書くべきだと思いますが。) 

そして問題の2ですが、正直頭をかかえています。統一感を持たせるのであれば称号は省略するべきではないと考えます (中途半端に省略すると混乱を招く可能性もあるかと)。ですが、「ジョン・クリフォード (クリフォード男爵)」で一度『別名併記の記事名』をくらってますので、称号明記はかえって分かりにくいのかな、という気もします。という事で一旦保留させて下さい。

上記を踏まえて、ご提示頂いた「世襲有り・封土無し」のケースについて検討します。まず、本文中の表記なら問答無用で2の「トマス・バビントン・マコーレー男爵」だと思います。ですが「記事名」として考えるのであれば、下記の点を考慮に入れたいと考えます。

  • 男爵・子爵は短縮形(男・子)にしない。(私がちょっと見たところですが、省略してあるのは図表系の「限られたスペースに少しでも多くの情報を詰め込まなければならない」資料ばかりでしたので、Wikipediaがこれに準じる必要はないと考えます。)
これに従って、5・7が消えます。
  • 「原則として敬称・肩書はなし。」は基本的に適用する。
これに従って、2・8が消えます。

すると残るのは、

  1. 「トマス・バビントン・マコーレー」
  3. 「トマス・バビントン・マコーレー (男爵)」
  4. 「トマス・バビントン・マコーレー (マコーレー男爵)」
  6. 「トマス・バビントン・マコーレー (初代男爵)」

になります。英語版の直輸入的なのは4'の「トマス・バビントン・マコーレー (初代マコーレー男爵)」 ですが、私は近現代になれば「名前がかぶる」可能性も低くなってくるので1の「トマス・バビントン・マコーレー」でもいいのかな、と考えます。(「統一性」という観点との自己矛盾が起きているのは承知の上で・・・・。)

ここらでまとめますと、私の意見としましては、上記

  • トマス・バビントン・マコーレー (初代マコーレー男爵)
  • トマス・バビントン・マコーレー

いずれかで記事を作り、もう一方と

  • トマス・バビントン・マコーレー男爵

の2つのリダイレクトページを作る、のが良いかと考えますがいかがでしょうか。 --Kaba 2006年9月10日 (日) 09:07 (UTC)

良いと思います。「トマス・バビントン・マコーレー」のほうがユーザビリティのうえからもよいように思います。些末なことながら、封土を冠しない爵位貴族は、だいたい17世紀前半あたりから増えてきている印象があります。前調べたときは、特に子爵において、時代が下るに従ってこの傾向が顕著だったような…。括弧つきの記事名は、同名の曖昧さ回避のためにとっておいてもよいかなと思います。S kitahashi(Plé)2006年9月10日 (日) 11:22 (UTC)