利用者:Kokage si/sandbox2
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KURAMA(くらま、Kyoto University RAdiation MApping system)は、GPS連動型放射線自動計測システムである。福島第一原子力発電所事故で放出された放射性物質による空間線量率分布調査のために、京都大学原子炉実験所(現:京都大学複合原子力科学研究所)によって開発された。自動車やバイクに搭載して走行しながら、あるいは人が持ち歩きながら測定を行い、空間線量率の測定値とGPSで取得した位置情報を同時に記録することができる(走行サーベイあるいは歩行サーベイと呼ばれる)。また、遠隔地にある複数のKURAMA装置で測定した結果をクラウドで共有し、Google Earth上にリアルタイムで描画することができる。小型化、完全自動化、堅牢性の向上といった改良を加えたKURAMA-IIも開発された。
開発の経緯
[編集]福島第一原子力発電所事故後、走行サーベイによる空間線量分布の把握が求められていたが、従来の測定車は高価なため原発保有県で1台しか用意できていなかったうえに、福島県では汚染により稼働不可能となっていた。空間線量分布の把握に目的を絞れば、安価に測定車を用意することが可能であると考えた京都大学原子炉実験所の谷垣実らは2011年4月7日にKURAMAの開発を開始した。その2週間後には研究所が所在する熊取町内でテスト走行し初稼働に成功、4月末に福島県に提案、5月に現地での試験運用、6月から本格的な運用を開始した[1]。
2011年8月に改良機であるKURAMA-IIの開発に着手し、9月には原理検証用の試作機を現地に持ち込んでテストした[2]。12月27日から福島交通の路線バスに搭載してKURAMA-IIの実証実験を開始した[3][4]。また、バイクへの搭載試験も並行して行われた[5]。
装置の概要
[編集]KURAMAの放射線検出器はNaI(Tl)シンチレーション検出器あるいは電離箱式サーベイメータ、KURAMA-IIの放射線検出器はCsI(Tl)シンチレーション検出器(浜松ホトニクス製C12137)である。KURAMAのソフトウェアはナショナルインスツルメンツが提供するプログラム言語LabVIEWで開発されており、KURAMA-IIではハードウェアプラットフォームにも同社が提供するCompact RIOを採用した[2][6]。
運用実績
[編集]福島県内の走行サーベイ
[編集]2011年6月29日、福島県はいわき市でKURAMAを用いた走行サーベイを開始した[7][8]。
KURAMA-IIによる走行サーベイは、以下の民間事業者の路線バスや事業用車両等でも実施されている[9]。
- 福島交通(2013年11月より試験運転開始。)
- 会津乗合自動車(2013年11月より試験運転開始。)
- 新常磐交通(2013年11月より試験運転開始。)
- 東日本高速道路(2014年12月より試験運転開始。)
- 常磐道の広野インターチェンジ~南相馬インターチェンジ間を測定[10]。
- 東日本旅客鉄道(2016年4月より試験運転開始。)
- 日本郵便(2019年7月より運転開始。)
放射性物質の分布状況等調査
[編集]文部科学省及び原子力規制庁から日本原子力研究開発機構が委託を受けた「放射性物質の分布状況等調査」の中で定点測定などとともに、KURAMAによる走行サーベイや歩行サーベイが実施された[11]。第1次走行サーベイ( H23.6.6~H23.6.13 )から第5次走行サーベイ( H24.11.5~H24.12.10 )までが文部科学省、 第6次走行サーベイ( H25.6.12~H25.8.8 )から第13次走行サーベイ( H28.10.31~H28.12.16 )が原子力規制庁によって実施された[12]。
a[13]
脚注
[編集]- ^ 谷垣 実「KURAMAの開発と運用」『放射線安全管理総合情報誌 FBNews』第420号、千代田テクノル、2011年12月1日、9頁。
- ^ a b “アイデアを手早く簡単にカタチに! グラフィカルシステム開発がさらに強化”. EE Times Japan (2012年8月30日). 2022年7月2日閲覧。
- ^ 福島民報:路線バス使いモニタリング 福島で京大が実証実験 - ウェイバックマシン(2011年12月28日アーカイブ分)
- ^ “路線バスで放射線量測定 福島で実験開始”. 日本経済新聞. (2011年12月27日)
- ^ “京大、路線バスや配達用バイクに搭載できる全自動放射線計測システムを開発”. マイナビニュース. (2012年1月26日)
- ^ “【NIWeek 2012】日本の最新技術を世界に発信、スーパーカブの荷台に載る全自動の放射線計測器も”. EE Times Japan (2012年8月9日). 2022年7月2日閲覧。
- ^ 「車で線量測定を開始 県内の道路 広範囲を短時間に」『福島民報』2011年6月30日、22面。
- ^ 「車で線量自動測定 GPSと連動走行サーベイ いわきで初」『毎日新聞』2011年6月30日、福島版、25面。
- ^ “福島県における自動車走行サーベイモニタリング”. 福島県. 2020年2月6日閲覧。
- ^ “常磐道通過における被ばく線量~交通管理隊による測定値~”. 東日本高速道路. 2020年2月6日閲覧。
- ^ 「KURAMAシステムを用いた歩行サーベイによる福島第一原発から80km圏内での空間線量率測定」『放計協ニュース』第63号、放射線計測協会、2019年、2頁。
- ^ “放射性物質の分布状況等調査”. 放射線モニタリング情報. 原子力規制委員会. 2022年7月2日閲覧。
- ^ 『走行サーベイシステムKURAMA-IIを用いた測定の基盤整備と実測への適用』(レポート)日本原子力研究開発機構、2013年。doi:10.11484/jaea-technology-2013-037。
外部リンク
[編集]- KURAMA - 京都大学原子炉実験所
- 放射線量等分布マップの作成等に係る検討会 - 文部科学省
- 放射線量等分布マップ拡大サイト
放射能測定法シリーズNo.17連続モニタによる環境γ線測定法
- 読売新聞 2013年1月20日 「路線バスで線量測定 京大が4市で実証実験」
- 産経新聞 2012年2月20日 被曝検査や除染作業も 舞鶴で原発事故想定の避難訓練
- 毎日新聞 2012年2月18日 ニュースBOX:守谷市もGPS車で放射線量測定へ /茨城
- 茨城新聞 2012年1月26日 取手市、GPS搭載車で線量計測へ 651キロ走行し瞬時データ化
- 産経新聞 2011年6月29日 福島県が放射線測定車を公開 高線量地点探しに新兵器
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