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バレン・モハー崖線ジオパーク（バレン・モハーがいせんジオパーク 英語: Burren and Cliffs of Moher Geopark）、正式名バレン・モハー崖線ユネスコ世界ジオパーク（バレン・モハーがいせんユネスコせかいジオパーク）はユネスコが指定する世界の地質のひとつで、アイルランド、クレア県に分布するバレン地域に含まれる。アイルランドにとって3番目のジオパークであり、ヨーロッパと世界の両レベルで認定されている。

沿革

ジオパークの起源はクレア郡議会と地域住民が2000年代半ばに組んで発足させた「来訪者管理イニシアチブによるバレンの環境保護」プロジェクトである。構成はフェイルテ・アイルランド、シャノン開発、バレンベオトラスト、行政から地元議会と国の国立公園野生生物保護局が参加した。2006年には専任の事業管理者を置き、バレンコネクト（BurrenConnect）に発展している 。住民と企業の両者のコミュニティは、これまで積極的に参加と関与を続けてきた。

ジオパークの正式な開設は2011年で、郡議会の管理のもと国の機関である国立地質調査局とフェイルテ・アイルランドから別格の支援と資金を受けている。

認定と受賞

このジオパークは2011年にヨーロッパ・ジオパーク・ネットワークとユネスコによる国立ジオパーク世界連絡協議会に加盟する。国際的な認定には4年ごとに更新申請が求められ、2015年に更新を受けた。2016年には『ナショナル ジオグラフィック』誌による「最も訪れたい旅先の世界遺産賞」を受賞。

組織

クレア郡議会はジオパークの地元行政機関として最終的な管理責任を負う。運営諮問委員会を置いて経営統治（ガバナンス）と進捗状態を監視し、提携組織をまとめている。国立地質調査局はその専門性を、さまざまな組織は一般的な課題やジオパーク「LIFEプログラム」など特定の側面で運営を支えている。

運営戦略の実施と日常業務管理者は旧職のバレン・コネクト事業管理者から抜擢され、キャロル・グリーソンが担当した。また主任地質学者として現職のイーモン・N・ドイル博士（Eamon N. Doyle）はサラ・ガトリー博士（Sarah Gatley）、ロナン・ヘネシー（Ronán Hennessy）から職掌を継承した。その他の広報、観光支援および普及活動の各職も任命され、業務の多くは提携組織と共同で進めている。

ジオパークの業務の現場は分散し、事務作業はクレア県議会の地域事務所内（エニスタイモン）に間借りしている。

特徴

アイルランドの大西洋岸にあるバレンは劇的な景観を見せ、昔から観光客をこの地域に引き付ける名所である。その成り立ちは石炭紀にさかのぼり、石灰岩、砂岩、シルト岩の組み合わせに氷河が作用したカルスト地形である。隣接するモハーの断崖は砂岩と頁岩が海岸から垂直に切り立ち、その高さは場所によっては200m以上もあってヨーロッパ最高である。

地元の重要な観光スポットには、 アイルウィー鍾乳洞窟群（英語）、世界最大の鍾乳石を誇るドゥーリン鍾乳洞（英語）がある。主だった集落はリズドゥンバーナ、バリーヴォーハン（en）、キルフェノーラ（en）、ドゥーリン、ラインチ（en）、エニスタイモン（en）、ファノア（en）、ファノア（en）とキルシャニー（ウィキデータ）である。

主な活動センターにバレン野外教育センター、バレンセンター、ボグヒルセンターがあり、野外教育センターは特に活発なジオパークの提携先である。宿泊施設には地元のホテルやベッド・アンド・ブレックファストに加え、療養所が少なくとも1ヵ所あって、そのネットワークを活用する。

ジオサイト

ジオパークの開設以来、焦点となる「ジオサイト」20ヵ所を選び案内看板を立てた。選定基準は地質学的な意義に加え、アクセスが容易かどうか、さらに建築史および／または遺産としての意義を考慮した。ゴミのポイ捨てや落書き、損傷が行われないか、特別に監視する。

講座や実習

講座を定期的に開き、バレン・ロックス^※フェスティバルを催す（※＝岩石）。ジオパーク付きの地質学者ドイル博士は地域の考古学研究施設と協力して、夏に地質学実習教室を運営する。

姉妹提携

2015年から中国南西部の雲南省石林ジオパークと姉妹提携を結んだ。

外部リンク

• バレン・モハージオパーク（英語）公式サイト
• ヨーロッパジオパークネットワーク（英語）公式サイト

脚注

出典

[[Category:ユネスコ世界ジオパーク]] [[Category:アイルランドの地理]] [[Category:アイルランドの観光地]] [[Category:クレア県]]