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利用者:Policex

社会統計学の項目 作成メモ



社会統計学(しゃかいとうけいがく、social statistics、 Sozialstatistik)とは、統計学社会学などの社会科学に応用したもので、応用統計学の一種と考えられる。社会調査において用いる統計学といってもよい。社会調査では、国勢調査などの全数調査や一部の例外を除き、社会の中の全ての人々を調査することはできない。そのためサンプリング(標本抽出)による標本調査によりデータを得て分析を行う。そのデータから社会全体(目標母集団)の状態や特徴を推定したり、仮説を検証するために社会統計学を用いる。

とくに母集団標本の関係について重視することが特徴である。その意味で推計統計学の一種である。また、多くの分析手法はデータが正規分布しているという前提に基づいているが、実際のデータは正規分布とは限らないので注意が必要である。例えば社会調査における質問項目(変数)では、場合によっては回答の偏りが大きく、ほぼ全員が「はい」と答えるものもある。そのような変数の分布を分析することはできない。ただし、標本数が数百以上など大きい時は、正規分布と見なしてもほとんど問題ない。

心理学における実験は通常、標本数が少ないため、小標本理論に基づき、変数間(要因間)の関連の大きさを検討することは少ない。むしろ統計的検定により有意な関連があるかないかを検討する。このようなデータは、暗黙の内に行為者はすべて人間として均質であるという前提があり、無作為抽出を行うことはなく、現実には実験参加者のほとんどが学生である。そのため、年齢や学歴などの効果を検討することはできないし、もともとのデータに何らかの偏りがある場合は注意が必要である。通常、社会調査データを用いる場合は、大標本理論に基づき、変数間の関連の大きさを解明することを目的とする。説明変数(独立変数)と被説明変数(従属変数、目的変数)の関連を検討することにより、因果関係を解明することを目的としている。社会学では実験計画が困難な場合が多いので、様々な変数をコントロールするための分析が発達している。対数線形モデル多水準分析が特徴的である。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

http://www.ir.rikkyo.ac.jp/~murase/0704ozis.pdf

参考文献[編集]

片瀬一男他. 2007. 『社会統計学』放送大学教育振興会. ISBN 4595307411

ボーンシュテット&ノーキ著. 海野道郎・中村隆監訳. 1990.『社会統計学―社会調査のためのデータ分析入門』ハーベスト社. ISBN 4938551128

ザイゼル著. 佐藤郁哉・海野道郎訳. 2005. 『数字で語る ―社会統計学入門』新曜社. ISBN 4788509326

足立浩平. 2006. 『多変量データ解析法―心理・教育・社会系のための入門』ナカニシヤ出版. ISBN 4779500575

原純輔海野道郎. 2004. 『社会調査演習 第2版』東京大学出版会. ISBN 4130520199

与謝野有紀編. 2006.『社会の見方、測り方―計量社会学への招待』勁草書房. ISBN 4326601868

小塩真司. 2005. 『研究事例で学ぶSPSSとAmosによる心理・調査データ解析』東京図書. ISBN 4489007108

村瀬洋一他. 2007. 『SPSSによる多変量解析』オーム社. ISBN 4274066266