コンテンツにスキップ

利用者:SAPHIR01 Rhino/サンドボックス

しらかみ型護衛艦
本型のベースとなったあきづき型護衛艦(画像は「ふゆづき (護衛艦)」)
本型のベースとなったあきづき型護衛艦(画像は「ふゆづき (護衛艦)」)
基本情報
艦種 ミサイル護衛艦(CG)
命名基準 日本の山岳名
運用者  海上自衛隊
建造期間 2026年6月1日 - 建造中
就役期間 2028年10月19日 - 就役中
計画数 8隻
建造数 4隻(2030年6月現在)
前級 あきづき型
次級 最新
要目
基準排水量 13,000 トン
満載排水量 15,550トン
全長 200m
最大幅 24m
深さ 15m
吃水 7.7m
機関方式 統合電気推進方式(IEP)
主機 電動機 ×2
推進器 可変ピッチプロペラ 2軸
出力 約130,000馬力
電源 LM2500+G4 ガスタービン発電機(35.3 MW (47,300 hp))×4基
最大速力 30.3ノット
乗員 260名(うち30名は航空要員)
兵装
搭載機 SH-60K/L×2機
C4ISTAR
レーダー
  • FCS-4A 多機能型 ×1基
    (捜索用・火器管制用各4面)
  • OPS-20C航海用 ×1基
    (主・副アンテナ各1基)
  • ソナー OQQ-22 統合ソナー・システム
    (バウ・ソナー+OQR-3 TACTASS)
    電子戦
    対抗手段
    • NOLQ-3D-2電波探知妨害装置
    • Mk.137 6連装デコイ発射機×4基
    • 曳航具4型 対魚雷デコイ×2基 [注釈 2]
    • 投射型静止式ジャマー (FAJ)×2基
    • 自走式デコイ (MOD)×2基
    テンプレートを表示

    しらかみ型護衛艦(しらかみがたごえいかん、英語: Shirakami-class guided missile cruiser)は、海上自衛隊が運用する護衛艦の艦級。あきづき型を大幅に拡大・発展させ、イージス護衛艦とともに艦隊防空の中核を担う大型ミサイル護衛艦(CG)として設計され、06中期防に基づき令和7年度以降の計画で8隻の建造が承認された。1番艦が令和7年度予算によって建造されたため07CGと通称される。

    来歴[編集]

    海上自衛隊では2010年代後半より、在来の護衛艦と比べ高度な防空能力を持つ新型護衛艦の建造が検討されていた。この計画は2020年代初頭に艦齢30年を迎えるこんごう型護衛艦を代替することを目的としたものであり、このような経緯であったことから当初はこんごう型と同じくイージス武器システム(AWS)を搭載した護衛艦の整備が考えられていた。

    しかし、この計画と同時期に陸上自衛隊はAWSの地上配備型にあたる「イージス・アショア」2基の導入を予定しており、また同システムの調達はアメリカ合衆国による対外有償軍事援助(FMS)に依存していたことから、コスト高になりやすいこの方法により同時期に複数のAWSを発注することは予算面に悪影響を及ぼすことが懸念されていた。

    そのため海上自衛隊は当初の予定を変更し、こんごう型には近代化改修を施しながら、その能力を補完し任務を部分的に代行できる護衛艦の建造計画を立案した。そのような運用体系を前提として設計された護衛艦には僚艦防空能力を持つあきづき型が存在していたが、こんごう型を補完するためには僚艦防空では不十分であり、より強力な艦隊防空能力が求められた。

    そのため設計はあきづき型をベースとしながらも艦容を大きく拡大し、排水量にして2倍以上に大型化した「大型ミサイル護衛艦」の設計がなされ、2024年(令和6年)4月1日安全保障会議にて建造が承認された。これによって建造されたのが本型である。

    設計[編集]

    船体[編集]

    上記の経緯により構造は19DD(あきづき型)およびその派生型である25DD(あさひ型)を基本としているが、搭載する兵装の多様化に伴って船体は大型化し、AWS搭載艦であるまや型護衛艦を排水量で大きく上回っている。

    船型は第1世代DDであるはつゆき型以降の、2層の全通甲板を有する乾舷の高い遮浪型甲板が踏襲されている。レーダー反射断面積(RCS)の低減を意識して主船体・上部構造物ともに傾斜角が付けられており、また喫水線より上の水面上に露出する部分は新たに開発された高耐候性電波吸収性塗料(RAM)によって覆われていることから、船体規模に比してRCSは非常に小さいものと考えられている。

    また、先行して建造された30FFM(もがみ型)と同様に投揚錨関連の設備は艦内配置とされ、上部構造物が左右両舷に大きく張り出したことで、舷側に設置された30mm機関砲を除いて上甲板の暴露部はほとんど無くなっている。

    機関 [編集]

    本型は、海上自衛隊の水上戦闘艦としては初めて統合電気推進(IEP)方式を採用している。これは、電気推進装置に使用する電力と艦内のその他の用途(兵装や電子機器、その他電気設備)の電源を共用化する技術であり、高度な電力制御技術や高性能な電動機が必要とされるものの、電力配分・機関制御の合理化や維持コストの低減、水中放射雑音の抑制など多くの利点を持つ。

    電源としてゼネラル・エレクトリック LM2500+G4ガスタービンエンジンを4基搭載する。これはいずも型などにも搭載されるLM2500の派生型であり、大規模な改設計によって出力を4割程度向上させている一方、それに伴って内部機構はLM2500から大きく変更されている。そのため、補修物資や予備パーツの共用性は有していない。

    他に、非常用のディーゼル発電機を複数搭載している。

    DD及びDDGとの比較[編集]

    しらかみ型護衛艦(CG) あきづき型護衛艦(DD) まや型護衛艦(DDG)
    画像
    船体 満載排水量 15,550 t 6,800 t 10,250 t
    全長 200 m 150 m 170 m
    全幅 24 m 18.3 m 21.0 m
    主機 方式 IEP COGAG COGLAG
    出力 約130,000 hp 64,000 hp 69,000 hp
    速力 30.3 kt 30 kt 約30 kt
    兵装 砲煩 62口径5インチ単装砲
    高性能20mm機関砲 ×2基
    30mm機関砲 ×2基
    ミサイル Mk.41 VLS×120セル
    (SM-2, SM-6, 07式, トマホーク)
    Mk.41 VLS×32セル
    (ESSM / シースパロー, 07式 / VLA)
    Mk.41 VLS×96セル
    (SM-2, SM-3, 07式)

    脚注[編集]

    注釈[編集]

    1. ^ SM-6の運用成績によっては後日撤去を予定。
    2. ^ うち1基は予備運用

    出典[編集]