17式艦対艦誘導弾
種類 | 艦対艦ミサイル |
---|---|
製造国 | 日本 |
設計 | 防衛装備庁・三菱重工業 |
性能諸元 | |
ミサイル全長 | 5メートル |
ミサイル全幅 | 0.35メートル |
ミサイル重量 | 700キロ |
射程 | 400キロ(2022年時点) |
推進方式 | 固体燃料ロケット(ブースター)+ターボジェットエンジン(巡航用) |
誘導方式 |
中途航程:INS・GPS 終末航程:ARH |
17式艦対艦誘導弾(ひとななしきかんたいかんゆうどうだん)は、日本が開発し運用している艦対艦ミサイル(対艦誘導弾)。別称はSSM-2[1]。
概要
[編集]90式艦対艦誘導弾(SSM-1B)の後継として、陸上自衛隊の12式地対艦誘導弾(SSM-1改)をベースとして開発された。ミサイルの誘導方式として、90式では中間航程に慣性誘導、終末航程にアクティブ・レーダー・ホーミング(ARH)誘導を採用しているのに対し、17式では中間誘導にGPSを加えており、航法精度の向上につながっている[1]。発射後に目標に関する情報を更新する機能も付与された[2]。また射程の延伸や同時弾着といった機能も実現される[1]。GPSを搭載していることにより、座標を入力すれば地上目標への精密打撃も可能なため、有事の際の友軍支援のための対地攻撃用としても十分に使用することができる。
平成25年度から平成28年度で試作を実施し、平成27年度から平成29年度で技術試験及び実用試験を実施した[2]。艦載試験は、平成29年に試験艦「あすか」において艦橋前右舷方向にコフィンランチャー[注釈 1]を装備して実施された。17式は平成28年度計画で建造されたまや型護衛艦2番艦「はぐろ」(28DDG)より搭載された[1]。また攻撃管制用の艦上装置としては、艦対艦ミサイル艦上装置3形(SSMS-3)を搭載予定となっている[3]。
搭載艦船
[編集]派生型
[編集]2017年度(平成29年度)から2022年度までに17式艦対艦誘導弾(SSM-2)を元に改良型の12式地対艦誘導弾(SSM-1改)及び91式空対艦誘導弾(ASM-1C)の後継となる23式空対艦誘導弾(哨戒機用新空対艦誘導弾)が開発されており[4][5][6]、令和5年(2023年)度予算で初めて取得予算が計上された[7]。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 棺桶型発射装置
出典
[編集]- ^ a b c d 井上 2019.
- ^ a b 防衛省 2012.
- ^ 内嶋 2019.
- ^ “平成29年度 我が国の防衛と予算” (PDF). 防衛省. 2019年4月2日閲覧。
- ^ “平成28年度 事前の事業評価>12式地対艦誘導弾(改)及び哨戒機用新空対艦誘導弾”. 防衛省. 2019年10月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年4月2日閲覧。
- ^ “防衛力抜本的強化の進捗と予算-令和7年度概算要求の概要-”. 防衛省. 2024年8月31日閲覧。
- ^ 我が国の防衛と予算-防衛力抜本的強化「元年」予算- 令和5年度予算の概要2023年3月28日、防衛省
参考文献
[編集]- 井上孝司「新しい艦載兵器 (特集・新時代の海上自衛隊)」『世界の艦船』第891号、海人社、138-141頁、2019年1月。 NAID 40021731695。
- 内嶋修「注目の新型艦艇 (特集・新時代の海上自衛隊)」『世界の艦船』第891号、海人社、128-137頁、2019年1月。 NAID 40021731689。
- 防衛省: “平成24年度 政策評価書(事前の事業評価)” (2012年). 2018年11月26日閲覧。