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11式短距離地対空誘導弾

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
11式短距離地対空誘導弾
発射シーン
種類 地対空ミサイル
製造国 日本の旗 日本
設計 技術研究本部
製造 東芝
性能諸元
ミサイル直径 約0.16 m
ミサイル全長 約2.93 m
ミサイル重量 約103 kg[1]
射程 10 km(推定)[2]
推進方式 固体燃料ロケット
誘導方式 アクティブ・レーダー・ホーミング
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11式短距離地対空誘導弾(ひとひとしきたんきょりちたいくうゆうどうだん)は、防衛省技術研究本部が開発した短距離防空地対空ミサイルシステム。陸上自衛隊航空自衛隊で取得が開始されている。

航空自衛隊用は仕様が一部異なり「基地防空用地対空誘導弾(きちぼうくうようちたいくうゆうどうだん)」という名称が付けられている。

概要

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81式短距離地対空誘導弾の後継となる地対空誘導弾システムである。

開発は、1999年(平成11年度)から2002年(平成14年度)まで技術研究本部で行われた「将来短距離地対空誘導弾の研究試作」の成果を生かして[3]、平成17年度(2005年)から平成21年度(2009年)に行われた[4][5][6]。開発段階では「短SAM(改II)[7]と呼称されていたが、平成23年度(2011年)防衛予算の政府案決定概要で「11式短距離地対空誘導弾」の装備品名称が判明した[8]

本システムは、いずれも車載式の射撃統制装置と発射装置で構成される。射撃統制装置はアクティブ方式フェーズドアレイレーダーを装備し、3 1/2tトラックに搭載される。発射装置は四連装で、陸上自衛隊では3 1/2tトラック、航空自衛隊では高機動車に搭載される。射撃統制装置及び発射装置を搭載した車両には車体固定用のジャッキが装備されている。また対空戦闘指揮統制システム又は指揮統制装置とリンクが可能となった[9]

81式からの改良点は、発射方式がキャニスター発射方式に改められ、整備性・取扱性が改善されていることと、性能向上により超音速あるいは小型の空対地ミサイル巡航ミサイルにも対処可能になっていることである[3]。誘導方式は2種類あった81式と違いアクティブ・レーダー・ホーミング方式のみとなっている。

調達

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11式短SAMと基地防空用SAMの調達数[10]
予算計上年度 陸上自衛隊 予算額
括弧は初度費(外数)
航空自衛隊 予算額
括弧は初度費(外数)
平成23年度(2011年) 3式 66億円 1式 45億円
平成24年度(2012年) 1+1式[11] 48億円(19億円)[12] 2+2式[11] 58億円[12]
平成25年度(2013年) 0式 - 0式 5億円
平成26年度(2014年) 1式 45億円(18億円) 0式 8億円
平成27年度(2015年) 1式 29億円 1式 56億円(8億円)
平成28年度(2016年) 1式 40億円 0式 -
平成29年度(2017年) 1式 43億円 0.5式 28億円
平成30年度(2018年) 1式 36億円 0式 -
平成31年度(2019年) 1式 47億円 0式 -
令和2年度(2020年) 0式 - 0式 -
合計 11式 354億円(37億円) 6.5式 200億円(8億円)

配備部隊・機関

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陸上自衛隊

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配備史

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  • 2014年(平成26年):高射教導隊に11式短距離地対空誘導弾を装備。
  • 2014年(平成26年)3月26日:11式短距離地対空誘導弾を装備する第15高射特科連隊第4高射中隊を新編。
  • 2017年(平成29年)2月:第8高射特科大隊に11式短距離地対空誘導弾の1号機を導入。
  • 2018年(平成30年)3月27日:
    1. 11式短距離地対空誘導弾を装備する第8高射特科大隊高射中隊を新編。
    2. 11式短距離地対空誘導弾を装備する第14高射特科隊に第14高射特科中隊を増強改編。
  • 2019年(平成31年)3月26日:11式短距離地対空誘導弾を装備する第6高射特科大隊高射中隊を新編。

一覧表

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陸上自衛隊高射学校

東北方面隊

中部方面隊

西部方面隊

航空自衛隊

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主として、各航空団隷下の基地業務群に編成されている「基地防空隊」に配備される。

後継システム

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令和4年度より、後継システムとなる航空自衛隊向けの基地防空用地対空誘導弾(改)と陸上自衛隊向けの新近距離地対空誘導弾を開発し、93式近距離地対空誘導弾をも代替する予定である。開発期間は令和4年(2022年)度から令和8年(2026年)度までで総額54億円である。量的優位を持つ敵方のミサイルなどへの対処能力を向上させるために、小型・低熱源目標抽出技術を確立したうえで、同時多数攻撃対処能力の向上、超低空飛行巡航ミサイルや精密誘導弾や中型UAVへの対処能力の向上、原子力発電所や石油備蓄所などの重要施設防護に資するように空輸による戦略機動性や自立機動性の向上などが図られ、ファミリー化をすることにより誘導弾などのコストも低減させる[13]

出典

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関連項目

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