コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

三菱重工業下関造船所

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
三菱重工業 > 三菱重工業下関造船所

三菱重工業 下関造船所
三菱重工業 下関造船所
下関造船所。前後方向に棟が並ぶ手前のエリアは大和町工場、小瀬戸を挟んで奥は江浦工場。(2013年8月撮影)
操業開始 1914年 (1914)
場所 山口県下関市
業種 重工業
生産品 船舶、機械、航空機部品
敷地面積 130000㎡
住所
  • 江浦工場(船舶部門):山口県下関市彦島江の浦町6-16-1
  • 大和町工場(機械・航空機部門):山口県下関市東大和町2-16-1

三菱重工業下関造船所(みつびしじゅうこうぎょう しものせきぞうせんじょ)は、山口県下関市にある三菱重工業並びにその子会社の三菱造船造船所。正式名称は三菱重工業株式会社下関造船所。略称下船(しもせん)。三菱重工業長崎造船所三菱重工業神戸造船所と共に三菱重工業の三大主力工場・事業所の一つである。

概要

[編集]
三菱重工下関造船所(2018年8月撮影)

船舶部門の江浦工場(えのうらこうじょう)、機械・航空機部門の大和町工場(やまとまちこうじょう)の2工場で構成されている。江浦工場は下関市南部の彦島東岸に位置し、大和町工場は彦島の北、下関駅南側の東大和町に位置する。江浦工場東の関門海峡には巌流島が浮かぶが、巌流島の大半は永らく下関造船所の土地であった。

下関造船所は、後に江浦工場となる「三菱合資会社彦島造船所」が、長崎造船所神戸造船所に次ぐ第3の造船所として1914年(大正3年)12月1日に開所したのがはじまりである[1]。当初は船舶の修繕を主要業務としていた。1917年(大正6年)第1番船として門司税関港務部向け消毒船を建造、その後、1921年(大正10年)のトロール漁業取締船「天鳥丸」以降新造船建造を本格的にはじめ[1]、特殊船や作業船を続けて建造し、現在に至る特徴の一つとなった。また、ディーゼル機関を採用したトロール漁船小型貨客船を先駆けて建造した。1987年東日本フェリーから受注したばるな (2代)以降、大型フェリーを多数建造している[2]

所在地

[編集]
全ての座標を示した地図 - OSM
全座標を出力 - KML

沿革

[編集]
操業開始時の彦島造船所(1914年)
  • 1914年(大正3年) - 第一ドック完成、三菱合資会社彦島造船所として操業開始[3]
  • 1917年(大正6年) - 第1番船、門司税関港務部向け「第一号消毒船」引渡[3]
  • 1920年(大正9年) - 第二ドック完成[3]
  • 1927年(昭和2年) - 第一船台、第二船台が完成。中小型船舶の建造に着手[3]
  • 1934年(昭和9年) - 三菱重工業彦島造船所と改称[3]
  • 1943年(昭和18年) - 日立造船所彦島造船所を買収、三菱重工業下関造船所と改称[3]
  • 1944年(昭和19年) - 鋼製炭車初号機を納入[3]
  • 1950年(昭和25年) - 財閥解体により西日本重工業下関造船所と改称[3]
  • 1952年(昭和27年) - 三菱造船下関造船所と改称[3]
  • 1962年(昭和37年) - 油圧式コンクリートポンプ車の製作開始[3]
  • 1964年(昭和39年) - 大和町工場に造機工場完成・稼動開始、三菱重工業下関造船所と改称[3]
  • 1970年(昭和45年) - 新舟艇工場完成[3]
  • 1972年(昭和47年) - 三菱デッキクレーン初号機を製作[3]
  • 1974年(昭和49年) - 船台をセミドライドック化、甲板機械組立工場完成[3]
  • 1986年(昭和61年) - 大和町工場に油圧機器工場完成・稼動開始[3]
  • 1994年(平成6年) - 第1000番船引渡[3]東日本フェリー発注のフェリー「びなす (2代)
  • 2005年(平成17年) - 世界最大の耐震実験施設「E-ディフェンス」(実大三次元震動破壊実験施設)を製作[3]
  • 2006年(平成18年) - 大和町工場に航空機工場完成[3]
  • 2007年(平成19年) - 新舟艇工場(H棟)完成[3]
  • 2015年(平成27年) - 大和町工場の航空機工場拡張工事完成[4]

主な製品

[編集]

艦船

[編集]

艦艇

[編集]

アルミ高速船

[編集]

特殊船・作業船

[編集]

旅客船

[編集]
ゆにこん

フェリー

[編集]

貨客船

[編集]

産業機械

[編集]
  • 油圧機器
  • 試験装置
  • エアヒータ
  • 甲板機械

航空機部品

[編集]

下関造船所史料館

[編集]

造船所内には、下関造船所史料館が設置されており、電気溶接導入以前に使用されていた鋲打機船舶模型、創業期の記録写真など、創業以来の貴重な史料が保存・展示されている。

  • 開館日:月曜から金曜(祝日除く)
  • 開館時間:8時 - 17時

脚注

[編集]
  1. ^ a b 森哲也 (2003). “三菱重工業株式会社下関造船所(事業所紹介)”. 日本造船学会誌 874: 512-516. 
  2. ^ 平川昌範 (2014年11月26日). “三菱下関造船所100年:1世紀の歴史刻む 造船不況背景に 生き残りかけた大型フェリー”. 毎日新聞 (毎日新聞社). https://web.archive.org/web/20151124144701/http://mainichi.jp/area/yamaguchi/news/20141126ddlk35020449000c.html 
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s 下関造船所の沿革”. 三菱重工業ウェブサイト. 三菱重工業株式会社. 2015年11月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年11月25日閲覧。
  4. ^ a b 下関造船所の航空機工場拡張工事が完成 ボーイング787向け複合材主翼の補強用部材増産へ』(プレスリリース)三菱重工業株式会社、2015年9月16日。オリジナルの2015年11月24日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20151124181459/http://www.mhi.co.jp/news/story/1509165682.html2015年11月25日閲覧 
  5. ^ 試験艦”. navy1000.art.coocan.jp. 2018年8月23日閲覧。
  6. ^ “東海汽船 3代目「さるびあ丸」が進水---2020年就航予定”. Response. (2019年11月30日). https://s.response.jp/article/2019/11/30/329335.html 2019年12月15日閲覧。 

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]