コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

うみたか (ミサイル艇)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
うみたか
基本情報
建造所 三菱重工業下関造船所
運用者  海上自衛隊
艦種 ミサイル艇
級名 はやぶさ型ミサイル艇
愛称 Shooting Star
建造費 94億円
母港 舞鶴
所属 舞鶴地方隊舞鶴警備隊
第2ミサイル艇隊
艦歴
計画 平成13年度計画
発注 2001年
起工 2002年10月4日
進水 2003年5月21日
就役 2004年3月24日
要目
排水量 基準 200トン
満載 240トン
全長 50.1 m
最大幅 8.4 m
深さ 4.2 m
吃水 1.7 m
機関 LM500-G07ガスタービンエンジン(5,400 PS)× 3基
ウォータージェットポンプ × 3基
出力 16,200 PS
速力 44ノット
乗員 21名
兵装 62口径76ミリ単装速射砲 × 1基
90式 SSM連装発射筒 × 2基
C4ISTAR MOFシステム
海軍戦術情報システム
(OYQ-8Cリンク 11)
レーダー OPS-18-3 対水上 × 1基
OPS-20 航海用 × 1基
81式射撃指揮装置2型-31C
探索装置・
その他装置
OAX-2 赤外線暗視装置
電子戦
対抗手段
NOLR-9 ESM
Mk.137 デコイ発射機 × 2基
テンプレートを表示

うみたかローマ字JS Umitaka, PG-828)は、海上自衛隊ミサイル艇はやぶさ型ミサイル艇の5番艇。艇名は「海鷹」に由来する。うみたか型駆潜艇うみたか」に次いで日本の艦艇としては2代目である。本記事は、本艇の艦暦について主に取り扱っているため、性能や装備等の概要についてははやぶさ型ミサイル艇を参照されたい。

艦歴

[編集]

「うみたか」は、平成13年度計画ミサイル艇828号艇として、三菱重工業下関造船所で2002年10月4日に起工され、2003年5月21日に進水、2004年3月24日に就役し、舞鶴地方隊隷下の舞鶴警備隊第2ミサイル艇隊に編入された。

2016年1月26日午後9時頃、下対馬南西120 kmを北東に航行する旅滬型駆逐艦「哈爾浜」、江凱Ⅱ型フリゲート「煙台」、東調型情報収集艦「天狼星」、福清型補給艦「洪澤湖」を発見、監視した。中国艦隊はその後対馬海峡を北上している。

2016年10月18日海上保安庁と合同で、不審船に係る共同対処訓練を実施した。ほかに参加したのは、海上自衛隊から多用途支援艦ひうち」及びSH-60K哨戒ヘリコプター1機、海上保安庁から巡視船「ほたか」、ボンバル300型航空機1機。情報共有訓練、共同追跡・監視訓練、回転翼機による発着訓練、回転翼機による燃料補給訓練を行った[1][2]

2020年3月5日、海上保安庁と合同で、不審船に係る共同対処訓練を実施した。ほかに参加したのは、海上自衛隊からSH-60K哨戒ヘリコプター、海上保安庁から巡視船「きそ」及び「えちぜん」。情報共有訓練、共同追跡・監視訓練、原子力発電所に向かう不審船への対処訓練、発着艦訓練及び給油訓練を行った[3][4]

2021年4月6日、海上保安庁と合同で、不審船に係る共同対処訓練を実施した。ほかに参加したのは、海上自衛隊からミサイル護衛艦「あたご」、ゴムボート及びSH-60K哨戒ヘリコプター2機、海上保安庁から巡視船「ほたか」、ボンバル300型航空機1機。訓練では、ゴムボートが不審船役となり美浜原発方向に航行、これをボンバル300及びSH-60Kが発見通報し「うみたか」が追尾、その後「ほたか」に引継ぎを行い、発光・汽笛信号等により停船させた。訓練中一連の流れは映像伝送システムにより海自本省・海保本庁に共有された。またこれら全般を、並走する「あたご」から海自・海保の幹部が視察した[5][6][7]

2021年、低視認性塗装(ロービジビリティー Low-visibility 略してロービジとも)へ塗装変更。その内容としては、煙突頂部の汚れを目立たなくするための黒帯の廃止、艦番号及び艦名の灰色化かつ無影化、艦橋上の対空表示(航空機に対し艦番号下2桁を表示するための塗装)の消去[8]

2022年1月31日に発生した、航空自衛隊飛行教導群小松基地所在)のF-15DJ(32-8083号機)墜落事故に対し、現地海面で捜索活動に従事。捜索には航空自衛隊のU-125A 救難捜索機UH-60J 救難ヘリコプター、海上自衛隊のヘリ搭載護衛艦ひゅうが」、ミサイル護衛艦みょうこう」、護衛艦せんだい」、潜水艦救難艦ちはや」、掃海艇うくしま」、水中処分母船1号型「YDT-01」、UP-3D 多用機MCH-101 掃海・輸送ヘリコプターSH-60K 哨戒ヘリコプター海上保安庁巡視船はくさん」、巡視艇かがゆき」、巡視艇「あさぎり」、小松基地と陸上自衛隊金沢駐屯地からそれぞれ派出された地上捜索部隊も参加している[9][10][11][12][13][14][15][16]

同年10月12日、舞鶴地方総監部、護衛艦「せとぎり」、回転翼機(SH‐60K)とともに海上保安庁と共同訓練実施した。海保からは第八管区海上保安本部、巡視船「きそ」・「あさま」・「ほたか」、巡視艇「あおい」が参加し、重要施設等に向かう不審船を想定し、共同追跡・監視訓練、停船措置訓練、情報共有訓練を実施した[17]

現在は、第2ミサイル艇隊に所属し、定係港は舞鶴である。

ギャラリー

[編集]


脚注

[編集]
  1. ^ 不審船対処に係る共同訓練の実施について~海上自衛隊との共同訓練~(PDF)
  2. ^ 不審船対処に係る共同訓練”. 海上自衛隊Facebook. 2021年5月2日閲覧。
  3. ^ 海上保安庁との共同訓練”. 海上自衛隊. 2021年5月2日閲覧。
  4. ^ 海上自衛隊Facebook2020年3月6日”. 海上自衛隊Facebook. 2021年5月2日閲覧。
  5. ^ 不審船に対処、海保と海自が共同訓練 若狭湾”. 朝日新聞デジタル (2021年4月17日). 2021年5月2日閲覧。
  6. ^ 海自のミサイル艇や海保の巡視船も参加 若狭湾で不審船対応訓練”. 京都新聞 (2021年4月17日). 2021年5月2日閲覧。
  7. ^ 海上自衛隊との連携を強化します!!~ 不審船に係る共同対処訓練 ~ (PDF)
  8. ^ イカロス出版 2021.
  9. ^ 小松基地所属F-15戦闘機の航跡消失について 令和4年1月31日 航空幕僚監部 (PDF)
  10. ^ 小松基地所属F-15戦闘機の航跡消失について(第2報) 令和4年1月31日 航空幕僚監部 (PDF)
  11. ^ “小松のF15墜落 2人不明、機体一部発見 基地沖5キロ、離陸直後”. 北國新聞. (2022年2月1日). https://www.hokkoku.co.jp/articles/-/648297 2022年2月6日閲覧。 
  12. ^ “小松基地から離陸したF-15DJアグレッサー、捜索続く”. FlyTeam. (2022年2月1日). https://flyteam.jp/news/article/135656 2022年2月6日閲覧。 
  13. ^ 海上保安新聞”. (公財)海上保安協会公式ツイッター(2022年2月1日). 2022年2月6日閲覧。
  14. ^ “〈写真特集〉不明のF15戦闘機、乗員2人の捜索続く”. 北國新聞. (2022年2月3日). https://www.hokkoku.co.jp/articles/-/650700 2022年2月6日閲覧。 
  15. ^ “捜索範囲内灘まで拡大 小松基地F15墜落 白山の海岸、機体の一部回収”. 北國新聞. (2022年2月4日). https://www.hokkoku.co.jp/articles/-/651362 2022年2月6日閲覧。 
  16. ^ “【F15墜落】雪の海、乗員2人の捜索続く 7日で発生1週間”. 北國新聞. (2022年2月6日). https://www.hokkoku.co.jp/articles/-/653039 2022年2月6日閲覧。 
  17. ^ 海上保安庁との共同訓練について 海上幕僚監部(令和4年10月11日) (PDF)

参考文献

[編集]
  • 石橋孝夫『海上自衛隊全艦船 1952-2002』(並木書房、2002年)
  • 世界の艦船 海上自衛隊木造掃海艇建造史』(海人社、2010年)
  • 『JShips2021年10月号』イカロス出版〈隔月刊JShips〉、2021年10月、14-17頁。JAN 4910151671010 

関連項目

[編集]