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シルバークイーン (3代)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
シルバークイーン
宮古港フェリーターミナル(2018年7月27日)
基本情報
船種 フェリー
船籍 日本の旗 日本
所有者 川崎近海汽船
運用者 川崎近海汽船
建造所 三菱重工業下関造船所[1] S.NO1041
航行区域 沿海[1]
船級 JG第二種船[1]
信号符字 JE3161
IMO番号 9166223
MMSI番号 431700169
経歴
起工 1997年9月29日[1]
進水 1998年1月29日[1]
竣工 1998年3月24日[1]
就航 1998年
運航終了 2022年2月1日
要目
総トン数 7,005 トン
載貨重量 3,455 トン[1]
全長 134.0 m[1]
垂線間長 125.0 m[1]
全幅 21.0 m[1]
満載喫水 5.7 m[1]
機関方式 ディーゼル
主機関 DU-SEMT-Pielstick 16PC2-6V×2基[1]
最大出力 24,000 PS[1]
定格出力 20,400 PS[1]
最大速力 23.2ノット[1]
航海速力 20.7ノット[1]
航続距離 約2,600海里[1]
旅客定員 600名[1]
乗組員 30名[1]
車両搭載数 9.0mトラック92台[1]
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シルバークイーンは、川崎近海汽船が運航していたフェリー

概要

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シルバークイーン2の代船として三菱重工業下関造船所で建造され、1997年9月に八戸 - 苫小牧航路に就航。

八戸13時発(苫小牧20時15分着)、苫小牧23時59分発(翌7時30分着)の便に就航していた。

2015年には室蘭 - 宮古航路の開設検討に関連し室蘭港フェリーターミナルに試験寄港を行った[2]。2018年には「シルバーティアラ」就航に伴って4月24日に通常運航を一旦終了し、5月11日から6月19日にかけて苫小牧航路3隻のドック入り時の代船として用いた後[3]、6月22日に室蘭 - 宮古航路に転属した[4][5][6][7]。建造から年数が経過し償却が進んでいるものの、新航路開設にあたりリスク低減を図るべく本船が新航路に入れられる事となった[6]

2018年10月6日からは輸送実績の低調に伴い室蘭発便に八戸寄港を追加し運休日なしの1日1往復から週6往復の運航となり[8]、2020年4月1日からは宮古港への寄港を休止し八戸 - 室蘭航路での運航となったが、2022年1月31日室蘭発便を以て航路休止となり、それと同時に営業航海を終了した。

2022年2月9日、川崎近海汽船は本船を非公表の海外第三者法人に約8億5000万円で譲渡することを決定した。譲渡時期は2022年3月。[9]

就航航路
  • 八戸港 - 苫小牧港(1997年9月 - 2018年6月19日)
  • 宮古港 - 室蘭港(2018年6月22日 - 2018年10月5日)
  • 室蘭港 - 八戸港 - 宮古港(2018年10月6日 - 2020年3月31日 八戸は上り便のみ寄港)
  • 八戸港 - 室蘭港(2020年4月1日 - 2022年2月1日)

外観

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船体側面のラインカラーはブルー+グレーである。当初は上のブルーラインがファンネル下付近、下のグレーラインが船尾付近まで伸びた形で船尾のグレーライン上に「Silver Ferry」のグレーのロゴが大書されていたが、2012年には同年に就航した「シルバープリンセス」に準じた形に塗り替えられ上のブルーラインが水色になりブルー・グレー両ラインとも船尾付近までの長さとなり、ブルーラインの中に白抜きで小さく「Silver Ferry」の新ロゴが書かれている。

船内

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旅客サービスの集約化・モーダルシフトに対応したドライバー設備のグレードアップ・荷役効率向上等に配慮された設備として多様な客室、エントランスをベースとした公室、気軽・手軽な食事を提供するオートレストラン、甲板間の迅速な移動のためのエレベーターが設置された[1]

船室

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Aデッキ
  • 特等室 - 2名×5室、浴室・トイレ・洗面台付
  • 2等室 - 99名×1室
Bデッキ
  • 1等洋室 - 4名×17室、二段ベッド、洗面台付
  • 1等和室 - 4名×5室
  • 2等寝台(2018年4月25日より「2等寝台B」) - 18名×2室、24名×1室 2段ベッド
  • 2等室 - 19・31・40・55名 各1室
  • ドライバーズルーム - 56室(80名)

設備

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コンパスデッキ
  • 展望浴室
Aデッキ
  • ゲームコーナー
  • オートレストラン
Bデッキ
  • エントランスホール
  • 案内所・売店
  • 自動販売機コーナー
  • ドライバーサロン
  • ドライバー浴室

トピックス

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2015年7月31日、八戸港から苫小牧港へ航行中、苫小牧沖で火災が発生したさんふらわあ だいせつの救助活動に参加、乗客39人を救助した。また、非番で乗り合わせていた十和田地域広域事務組合消防本部の隊員8名が、救助者の人数や氏名を集計、負傷の有無を確認するなど救助活動に協力した[10]。同社のRORO船北王丸新日本海フェリーすずらんも救助活動に参加している。

2020年2月、新型コロナウイルス感染防止のため2月12日から2月29日の間、運休し、防衛省要請に応え、横浜港での自衛隊支援に当たることを発表した[11]クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス」の防疫措置に対応した自衛官の拠点や宿泊施設として「はくおう」と共に近隣に接岸され使用された[12]

脚注

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u 三菱重工業株式会社下関造船所船舶・海洋部「カーフェリー"シルバークィーン"の概要」 - 船の科学1998年6月号
  2. ^ 室蘭・川崎近海汽船所有のフェリーが試験入港”. 室蘭民報. 2016年3月7日閲覧。
  3. ^ 2018年八戸/苫小牧航路定期検査による運航船舶入れ替えのお知らせ”. 川崎近海汽船. 2018年5月11日閲覧。
  4. ^ 宮古発室蘭行から運航開始。
  5. ^ 室蘭-宮古にフェリー航路 18年6月に新設へ”. 日刊スポーツ. 2016年3月7日閲覧。
  6. ^ a b 川崎近海汽船が室蘭―宮古航路の新造船投入を検討”. 室蘭民報. 2017年9月9日閲覧。
  7. ^ 宮蘭フェリー就航開設間近…応援企画で盛り上げ”. 室蘭民報. 2018年5月6日閲覧。
  8. ^ <宮古-室蘭カーフェリー>6日から八戸に寄港 利便性と効率性向上図る - 河北新報2018年10月4日
  9. ^ CRUISE, WEB. “川崎近海、シルバークィーンを海外譲渡”. www.cruise-mag.com. 2022年2月14日閲覧。
  10. ^ “苫小牧沖のフェリー火災 「経験生かせた」 消防職員8人が救助協力/北海道”. 毎日新聞 (毎日新聞社). (2015年8月4日). http://mainichi.jp/articles/20150804/ddl/k01/040/220000c 2016年2月20日閲覧. "「シルバークイーン」には青森県十和田市の消防職員8人が偶然乗り合わせ、救助や体調確認に協力した。" 
  11. ^ “シルバークィーン”運休のご案内
  12. ^ クルーズ船 自衛隊は何をした?”. NHK 政治マガジン (2020年3月18日). 2020年3月19日閲覧。

外部リンク

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