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比較認知科学(ひかくにんちかがく、comparative cognitive science)は、現生動物認知能力を比較することにより、ヒトおよびほかの動物の認知能力の進化的な起源を明らかにする行動科学のいち分野である。比較認知論(comparative cognition)や動物認知論(animal cognition)とも呼ばれる。

歴史[編集]

比較認知科学は、いくつかの源流をもっている。第1は、19世紀末から20世紀に興隆した比較心理学で、チャールズ・ダーウィンの『種の起源』の影響のもと、動物の学習や問題解決、記憶などが調べられた。第2は、20世紀なかばにおこなわれた動物心理物理学で、学習心理学の原理を応用し、動物の感覚や知覚などが調べられた。第3は、これも20世紀なかばにあらわれた動物行動学エソロジー)で、観察や実験により自然界で実際にみられる動物の行動にまつわる法則を発見した。また、動物行動学者ドナルド・グリフィンは、動物の行動の認知的な説明を重視し、認知行動学を唱えた。

比較認知科学比較認知論動物認知論)は、上の3つの流れ、比較心理学、動物心理物理学、動物行動学を源流とし、1980年代に創始された心理学的(行動科学的)アプローチである。比較認知科学は、認知行動学とならび、動物の行動を認知的に説明する学問である。比較認知科学は、さらに、動物学哺乳類学鳥類学ないし霊長類学鯨類学などにおいて、実際の野生動物による認知能力の発揮について研究されていることにも支えられている。

動物観[編集]

方法論[編集]

トピック[編集]

対象動物種[編集]

[1]

動物福祉[編集]

アイ・プロジェクト[編集]

学会および学術雑誌[編集]

学会[編集]

比較認知科学会(国際学会) - Comparative Cognition Society
日本動物心理学会 - 動物心理学会

学術雑誌[編集]

Animal Behaviour - ASAB
Animal Cognition - SpringerLink
Journal of Comparative Psychology - APA Journals
Journal of Experimental Pscyhology: Animal Behavior Processes - APA Journals
動物心理学研究 - J-STAGE

脚注[編集]

参考文献[編集]

  • Gróves, C. (2001), Primate taxonomy, Washington, DC: Smithonian Institution Press, ISBN 978-1-56098-872-4 
  • 今泉吉典; 松井孝爾 (1984), 原色ワイド図鑑 (3): 動物 (改訂新版 ed.), 東京: 学習研究社, ISBN 978-4-05-150547-9 
  • マクドナルド, D. W., ed. (1986), 動物大百科 (3): 霊長類: アイアイ・ニホンザル・チンパンジー・ゴリラほか, 東京: 平凡社, ISBN 978-4-582-54503-6 
  • 三浦慎悟 (2002), 小学館の図鑑NEO (1): 動物, 東京: 小学館, ISBN 978-4-09-217201-2 

関連文献[編集]

全般[編集]

藤田和生『比較認知科学への招待:「こころ」の進化学』ナカニシヤ出版、京都、1998年。  ISBN 4888484376
藤田和生『動物たちのゆたかな心』京都大学学術出版会、京都〈シリーズ心の宇宙 4:学術選書 22〉、2007年。  ISBN 4876988228
渡辺茂『認知の起源をさぐる』日本放送出版教会、東京〈岩波科学ライブラリー 21〉、1995年。  ISBN 4000065211
渡辺茂『ピカソを見わけるハト:ヒトの認知、動物の認知』日本放送出版教会、東京〈NHKブックス 747〉、1995年。  ISBN 4140017473
渡辺茂『ハトがわかればヒトがみえる:比較認知科学への招待』共立出版、東京〈認知科学モノグラフ 7〉、1997年。  ISBN 4320028570
渡辺茂(編)『心の比較認知科学』ミネルヴァ書房、京都〈ことばと心の発達 3〉、2000年。  ISBN 4623031799
渡辺茂『ヒト型脳とハト型脳』文藝春秋、東京〈文春新書 213〉、2001年。  ISBN 4166602136

霊長類[編集]

Matsuzawa, T. (Ed.) (2001). Primate origins of human cognition and behavior. Tokyo: Springer Verlag Tokyo  ISBN 4431702903
Matsuzawa, T.; Tomonaga, M.; Tanaka, M. (Eds.) (2006). Cognitive development in chimpanzees. Tokyo: Springer Verlag Tokyo  ISBN 4431302468
Tomasello, M.; Call, J. (1997). Primate cognition. New York: Oxford University Press  ISBN 0195106237 ISBN 0195106245
川合伸幸『心の輪郭:比較認知科学から見た知性の進化』北大路書房、京都、2006年。  ISBN 4762825085
友永雅己・田中正之・松沢哲郎(編)『チンパンジーの認知と行動の発達:CD-ROM付』京都大学学術出版会、京都、2003年。  ISBN 4876986118
松沢哲郎『チンパンジーから見た世界』東京大学出版会、東京〈認知科学選書 23〉、1991年。  ISBN 4130130730
松沢哲郎『チンパンジーの心』岩波書店、東京〈岩波現代文庫:学術 21〉、2000年。  ISBN 4006000219
明和政子『なぜ「まね」をするのか』松沢哲郎(監修)、河出書房新社、東京〈霊長類から人類を読み解く:Evolutionary neighbers〉、2003年。  ISBN 4309251765
明和政子『心が芽ばえるとき:コミュニケーションの誕生と進化』NTT出版、東京〈叢書コムニス 4〉、2006年。  ISBN 4757102003

発達心理学との学際的研究[編集]

板倉昭二『自己の起源:比較認知科学からのアプローチ』NTT出版、東京、1999年。  ISBN 4480063013
板倉昭二『「私」はいつ生まれるか』筑摩書房、東京〈ちくま新書 597〉、2006年。  ISBN 4757102003
板倉昭二『心のなりたち:比較発達科学の視座』京都大学学術出版会、京都〈シリーズ心の宇宙:学術選書〉、準備中。 
ゴメス、J・C『霊長類のこころ:適応戦略としての認知発達と進化』長谷川眞理子(訳)、新曜社、東京、2005年。  ISBN 4788509628
トマセロ、M『心とことばの起源を探る:文化と認知』大堀壽夫;中澤恒子;西村義樹;本多啓(訳)、勁草書房、東京〈シリーズ認知と文化〉、2006年。  ISBN 4326199407
プレマック、D、プレマック、A『心の発生と進化:チンパンジー、赤ちゃん、ヒト』長谷川寿一(監修);鈴木光太郎 (訳)、新曜社、東京、2005年。  ISBN 4788509520

関連項目[編集]

学問領域の項目

学問 - 科学 - 人文科学 - 自然科学
学際 - 認知科学
行動科学
実験心理学 - 動物心理学
知覚心理学 - 認知心理学 - 認知神経科学
比較心理学 - 動物行動学 - 認知生態学
発達心理学
進化心理学
心の哲学

心理学にかかわる項目

本能 - 反射 - 走性
学習 - 学習曲線 - 問題解決
古典的条件づけ - 条件反射 - オペラント条件づけ
刷り込み
知能
発達
感覚 - 知覚 - 錯覚 - 錯視
記憶 - 忘却曲線
感情 - 情動
メタ認知
心の理論

動物福祉にかかわる項目

動物福祉
環境エンリッチメント

著名な個体

賢馬ハンス
アイ (チンパンジー)

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