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利用者:Yama-no-junin/すなば2

戦後の代表的美術教育運動「創造美育運動」と「新しい絵の会」[編集]

創造美育運動は、美術評論家の久保貞次郎(1909-1996)が提唱した「創造主義美術教育」に端を発する[1]。久保は欧米と日本の児童画の比較研究から得た知見をもとに、ホーマー・レインフランツ・チゼックウィルヘルム・ヴィオラを介した)、北川民次らの思想や実践に学び、「西洋の児童画から学ぶべき根本的態度は何か。それは『描こうとする精神』である」(「欧米の児童画」『帝大新聞』1939.11)」「まごころを以て描こうとする心持こそ、『創造力』の根底である」「真摯な態度によって描かれた創造的な児童画を指導するには,教師もたえず新鮮な躍動する進取の精神をもっていなければならない」(「創造と図画」1943)等と主張した[2]。1952年に創設された「創造美育協会」は、「全国セミナール」と呼ばれる大規模な研究集会[1]や映画『絵を描く子どもたち』[3]制作といった大規模な活動を展開し、全国に創造主義美術教育を広めた。

創造美育運動では、子どもたちの創造性を育てるためには子どもに自由を与え、精神的・心理的な抑圧から解放することが必要である[4]と説いた。反面、指導者が何もしないことで抑圧から解放するという「何も指導しない描画指導」[5]は、。


脚注[編集]

  1. ^ a b 新井哲夫 2014, p. 42.
  2. ^ 新井哲夫 2014, p. 41.
  3. ^ 大須賀隆子 2013, p. 72.
  4. ^ 大槻千秋 2018, p. 319.
  5. ^ 吹氣弘髙, p. 91.

参考文献[編集]

  • 新井哲夫「創造美育運動に関する研究(1):「創造美育運動」とは何か?」『美術教育学』第35巻、美術科教育学会、2014年、27-44頁。 
  • 大須賀隆子「創造美育の現代的意義 映画『絵を描く子どもたち』と「大地保育」の実践を手がかりとして−」『帝京科学大学紀要』第9巻、帝京科学大学、2013年、71-80頁。 
  • 大槻千秋「幼児の自由な描画表現活動を促す保育環境と保育」『帝京科学大学紀要』第14巻、帝京科学大学、2018年、319-326頁。 
  • 吹氣弘髙「小学校高学年の描画指導における模倣と創造力に関する一考察」『中村学園大学発達支援センター研究紀要』第8巻、中村学園大学発達支援センター、89-95頁。 
  • 柳田泰典「子どもの跛行的主体化と教師の学級指導」『長崎大学教育学部紀要. 教育科学』第74巻、長崎大学、2010年、39-53頁。