前川道介
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前川 道介(まえかわ みちすけ、1923年9月2日[1] - 2010年6月11日)は、日本のドイツ文学者、翻訳家。同志社大学名誉教授。
生涯
[編集]京都市出身[2]。京都大学文学部卒業。同大学院中退、1954年天理大学助教授、1956年西京大学助教授(1958年、京都府立大学に改称)、1967年同志社大学教授、1989年定年退任し名誉教授。
国書刊行会「ドイツ・ロマン派全集」[3]責任編集を務めた。ドイツ文学の怪奇・幻想文学を多く翻訳し、評論を刊行した。
2001年春、勲三等瑞宝章を受章。2010年、呼吸不全により死去(没年86歳)[2]。
著書
[編集]- 『日本近代詩入門』(萩原朔太郎覚書、堀書店) 1948
- 『基礎ドイツ語入門』(塩谷饒共編、白水社) 1964
- 『ドイツ怪奇文学入門』(綜芸舎) 1965
- 『ドイツ怪奇物語 夢と戦慄の国を訪ねて』(潮文社) 1980.10
- 『アブラカダブラ奇術の世界史』(白水社) 1991.12
- 『愉しいビーダーマイヤー 19世紀ドイツ文化史研究』(国書刊行会、クラテール叢書) 1993.3
- 『炎と闇の帝国 ゲッベルスとその妻マクダ』(白水社) 1995.7
翻訳
[編集]- 『約束』(フリードリヒ・デュレンマット、早川書房) 1960、のちハヤカワ文庫 2002
- 『嫌疑』(デュレンマット、早川書房) 1962
- 『名探偵は死なず その誕生と歴史』(W・ゲルタイス、弘文堂) 1962
- 『ピラト』(デュレンマット、三修社、ドイツの文学) 1966
- 『現代ドイツ幻想小説』(種村季弘編、分担訳、白水社) 1970
- 『黒・白・赤』(ミュノーナ、河出書房新社、ドイツ表現主義) 1971
- 『蜘蛛 / ミイラの花嫁』(エーヴェルス、佐藤恵三共訳、創土社) 1973
- 『刺絡 / 死の舞踏』(シュトローブル、創土社) 1974
- 『モナ・リーザ / バッゲ男爵』(ホレーニア、創土社) 1975
- 『吸血鬼』(H・H・エーヴェルス、創土社) 1976
- 『黒い蜘蛛』(イェレミーアス・ゴットヘルフ、新人物往来社、怪奇幻想の文学) 1977.12
- 『奇妙な町』(パウル・エルンスト、新人物往来社、怪奇幻想の文学) 1978.2
- 『あべこべの日』(ハンス・ファラダ、ハヤカワ文庫) 1979.4
- 『精霊たちの庭』(マリー・ルイーゼ・カシュニッツ、ハヤカワ文庫) 1980.12
- 『田園幻想譚』(ハンス・ファラダ、ハヤカワ文庫) 1982.3
- 『金髪のエックベルト』(ティーク、国書刊行会、ドイツ・ロマン派全集1) 1983.8
- 『ブランビラ姫 - カロー風の狂想曲 / クルミ割り人形とネズミの王様』(ホフマン、国書刊行会、ドイツ・ロマン派全集) 1983.7
- 『ぶどう酒綺譚 - ぶどう酒党への秋の贈り物』(ヴィルヘルム・ハウフ、国書刊行会、ドイツ・ロマン派全集) 1984.4
- 『琥珀の魔女』(ヴィルヘルム・マインホルト、本岡五男共訳、創土社) 1984.7
- 『プラークの大学生』(H・H・エーヴェルス、創元推理文庫) 1985.9
- 『第三の魔弾 コンキスタドール異聞』(レオ・ペルッツ、国書刊行会、世界幻想文学大系) 1986.7、のち白水Uブックス 2015
- 『メトロポリス』(テア・フォン・ハルボウ、創元推理文庫) 1988.12
- 『大晦日の夜の冒険 / G市のジェスイット教会 世襲領 / 天真爛漫』(ホフマン、国書刊行会、ドイツ・ロマン派全集) 1989.5
- 『壜の中の世界』(クルト・クーゼンベルク、国書刊行会) 1991.10
- 『白羊宮の火星』(ホレーニア、平田達治共訳、福武文庫) 1991.2
- 『独逸怪奇小説集成』(竹内節編、国書刊行会) 2001.8
脚注
[編集]- ^ 『現代物故者事典2009~2011』(日外アソシエーツ、2012年)p.554
- ^ a b 前川道介氏死去 同志社大名誉教授 - 47news、2010年6月14日
- ^ 全20巻と別巻2冊「ロマン派画集」と「ロマン派詩集」で、1983年~1992年に出版