劉培森
劉培森 | |
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生誕 |
1956年11月??日 韓国 ソウル特別市 |
国籍 | 中華民国(台湾) |
別名 | リッキー・リゥ |
出身校 |
マサチューセッツ工科大学、 パリ・ベルヴィル建築国立学校 |
職業 | 建築家 |
配偶者 | 王瑞慧(1989-2004) |
親 | 劉侃如(父) |
受賞 |
第十屆中華民国傑出建築師奨(2008)、 国土建設特別貢献奨(2016) |
所属 | 劉培森建築師事務所 |
建築物 | 高雄展覧館、高雄市立図書館総館など |
劉培森 | |
---|---|
出身地: | 台湾 台湾省台北市 |
職業: | 建築家 |
籍貫地: | 中華民国(台湾) |
出生地: | 韓国 ソウル特別市 |
各種表記 | |
発音転記: | リッキー・リゥ |
英語名: | Ricky Liu |
各種表記(本名) | |
繁体字: | 劉培森 |
簡体字: | 刘培森 |
拼音: | Liú Péisēn |
通用拼音: | Lióu Péisen |
注音符号: | ㄌㄧㄡˊ ㄆㄟˊ ㄙㄣ |
台湾語: | Lâu Pôe-sim |
発音転記: | リゥ・ペイセン |
劉 培森(リゥ・ペイセン、1956年11月[1][2] - )は台湾台北市出身の建築家。
人物
[編集]かつて台湾電視公司総経理を務めた父の劉侃如が行政院新聞局の顧問として韓国赴任期間中にソウルで出生。台北市内の国民小学と香港の中学・高校を経て[3]、18歳で日本の上智大学に進学したが[4]、1年でフランス行きを決意。理由は「そこで日本人がアメリカ人を軽蔑し、極度にフランス文化を崇拝していることに気付いたから」としている[4]。
語学学校を経て[5]、パリ・ベルヴィル建築国立学校(École Nationale Supérieure d'Architecture de Paris-Belleville)でボザール様式を学び博士課程を修了[6]。その後米国マサチューセッツ工科大学でも建築学碩士(修士に相当)課程を修了し[3]、台湾で数少ない欧米双方の建築課程修了者となった。
1986年に台湾に戻ると[3]、国内の宗邁建築師事務所に在籍しながら中原大学建築系(建築学部)で副教授、教授を兼任[1]。 その後1991年に独立して個人事務所「劉培森建築師事務所」を設立した[3][7]。
かつて台北ドームで設計に関わったが、チームを組んだ遠雄集団創業者の趙藤雄が商業施設拡大に拘って元の設計とは異なるものが建てられ、移転も不可避となったことでこの案件に関わったことを後悔しているとまで言った[8][9]。台北ドームの延期問題は市長が柯文哲(2014 - )の代になっても収束していない。
家庭
[編集]1989年に聯合報発行人の王效蘭による紹介で台湾プラスチックグループ(台塑)創業者王永慶の三女と結婚(2004年離婚[1])[3]。一男一女をもうけた[6]。このため台湾では建築師としてよりも王永慶一族としての話題のほうが大きくなることもある[3]。
1991年に独立した際は台北松山空港近くの眺めのいいビルにオフィスを構え、台塑関連の案件も受けないと考えていたが[10]、台塑グループ幹部に依頼を受けてから王永慶と会食したことで転機となった[10]。オフィスも台塑グループのビルに転居。ビルには王永慶の長女の女婿だった長庚生技董事長が1階に、四女の女婿だったデザイナー事務所が4階、劉のオフィスが7階、台塑生医科技[注釈 1]が10階と、永慶の7人娘のうち4人の娘婿が同居することになり、「女婿楼」と世間で呼ばれていた[10][11]。
設計思想
[編集]台湾で最初に手がけたのが長庚医院だった。そこで室内設計に携わり、そこで従来のオフィスや住宅とは異なる医療機関独特の建築用語や空間使用のあり方を習得したことは、他の大型公共施設でのコンペ獲得にも生きていると述べている[12]。また国内外の多数の建築家、建築事務所と協業してきたことから、相手の専門分野、長所を吸収し、自己の知識へと昇華させてきた[12]。フランスのチームと体育館の設計を担当したときは大型公共空間では避難通路を必ず設置することなどを学び、実践している[12]。国を跨いだ協業によって違う分野の技術や経験を学ぶことができると考えるに至ったのは、滞在したサンフランシスコでチェン・カイコー(陳凱歌)の作品「さらば、わが愛/覇王別姫」に熱中する外国人を目の当たりにしたことや、映画監督アン・リー(李安)がハリウッドで成功を収めたこととし、劉は新しい協業スタイルを模索した[12]。
「建築と映画産業は異なるチームが互いに技術を出し合うが、監督1人によって統括と協調がもたらされるという点でよく似ている」と述べ、劉も「華人の頭脳で外国人の業務を指揮する」というアン・リーのスタイル(李安模式)に辿り着いた[12]。李安スタイルを実践する最初の機会が高雄市立図書館総館だった。構造設計はせんだいメディアテークで伊東豊雄と組んだ日本の竹中工務店、フランスの展示レイアウト担当チーム、イギリスの交通計画顧問が劉のユニットメンバーとなり、そのチームを率いることで中国伝統の天井構造が生み出されたと語っている[12]。
受賞
[編集]- 内政部第十屆中華民国傑出建築師奨・傑出建築師部門・計画設計貢献奨(2008年)[13]
- 中華民国不動産協進会(FIABCI)国土建設特別貢献奨(2016年)[14]
主な受賞物件
[編集]- 台中新市政中心 - 国家卓越建設奨(2010年[15](p16))
- 台中市議会大楼
- 苗栗客家文化園区
- 高雄国家体育場(内政部建築研究所:100年度優良緑建築優良緑建築貢献奨[18])
- 高雄展覧館
- 台中清翠園 - 2014国家卓越建設奨公共建設部門特別奨[15](p35)
- 高雄市立図書館総館
代表作品
[編集]台中市政府大楼 | |
高雄展覧館 | 高雄市立図書館総館 |
台中市議会 | 嘉義長庚紀念医院 |
客家文化館 | 国家体育場(世運) |
台中中央公園 |
- 他
他の建築家との共同プロジェクト
[編集]- 高雄国家体育場(伊東豊雄、竹中工務店との共同[29])
- 台中市政府大楼および台中市議会議政大楼(Weber+Hofer AG Architectsとの共同[30][31])
- 高雄展覧館(フィリップ・コックスとの共同[32][33])
- 台中中央公園(キャサリン・モスバッハ(Catherine Mosbach)、フィリップ・ラーム(Philippe Rahm)との共同[34])
未完成施設
[編集]- 嵩山少林寺天津分院[35][36]
- 台南市・亜太国際棒球訓練中心(アジア太平洋国際野球訓練センター、竹中工務店との共同[37])
- 台中市・台中水湳経貿生態園区
コンペ参加
[編集]脚注
[編集]註釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b c 王永慶3女兒 王瑞慧 劉培森驚傳婚變”. 蘋果日報 (2006年8月24日). 2019年10月26日閲覧。 “
- ^ 祝賀!本會11月份壽星生日快樂、心想事成”. 台湾建築学会. 2019年11月13日閲覧。 “
- ^ a b c d e f 劉培森內心充滿「豪門女婿」的矛盾”. 《商業周刊》第880期/ 準建築人手札網站 Forgemind.Net (2004年9月30日). 2019年10月16日閲覧。 “
- ^ a b c “劉培森行事快狠準”. 今周刊. (2004年12月16日)
- ^ 國際建築大師劉培森 人生要成就最好的自己”. YamNews (2019年10月31日). 2019年11月2日閲覧。 “
- ^ a b “劉培森內心充滿「豪門女婿」的矛盾”. 商業周刊. (2004年9月30日)
- ^ “劉培森要讓少林寺成為智慧型寺廟”. 今周刊. (2009年9月3日)
- ^ 劉培森:後悔找遠雄合作蓋大巨蛋”. 風傳媒 (2015年1月28日). 2019年11月2日閲覧。 “
- ^ 劉培森:趙所述不符事實”. 中国時報 (2015年1月28日). 2019年10月26日閲覧。 “
- ^ a b c d 天下雜誌574期 劉培森 沒大巨蛋做更好”. 天下雑誌 (2015年6月9日). 2019年11月11日閲覧。 “
- ^ 〈獨家〉台塑有女婿樓 三房3女婿在同棟”. TVBS (2006年8月23日). 2019年10月26日閲覧。 “
- ^ a b c d e f g 【50位傑出建築設計人的追夢故事】劉培森》不忘傳統與未來攜手成功的設計哲理”. 見學館 (2015年9月3日). 2019年11月11日閲覧。 “
- ^ 中華民國傑出建築師獎得獎名單”. 内政部営建署 (2019年8月29日). 2019年10月26日閲覧。 “
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- ^ a b c d e 2006-2019國家卓越建設獎歷年得獎名單”. 中華民国不動産協進会. 2019年10月26日閲覧。 “
- ^ 園區大事紀”. 苗栗客家文化園區 (2016年4月6日). 2019年11月2日閲覧。 “
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- ^ 展會中心簽約 菊豪語:創2千職缺
- ^ “SCET育成センターが高雄駁二に進出 陳菊:高雄文化創意産業の新基地”. 高雄市政府経済発展局 (2010年11月). 2019年10月13日閲覧。
- ^ 迎接台中花博 水湳中央公園3日起試營運”. 自由時報 (2018年1月1日). 2019年10月13日閲覧。 “
- ^ “天津市に“少林寺”建設、観光局「地域起こしの起爆剤に」”. サーチナ/Excite (2009年9月28日). 2019年10月13日閲覧。
- ^ 北少林規劃完成 釋永信澄清“投資20億”說法”. 人民網/京華時報 (2009年9月29日). 2019年10月13日閲覧。 “
- ^ “台湾・台南の新球場、デザインコンペで日台合同チームが最優秀賞獲得”. フォーカス台湾 (2016年4月28日). 2019年10月13日閲覧。
- ^ “台湾第3位の超高層ビル、デザインが決定”. NNA ASIA (2017年11月20日). 2019年10月13日閲覧。
- ^ “妹島和世さんら設計の文化施設が着工へ 2022年完成/台湾・台中”. フォーカス台湾 (2019年9月1日). 2019年10月13日閲覧。
- ^ “Ⅱ 応募作品紹介”. 日本スポーツ振興センター. p. 32 (2014年5月30日). 2019年10月13日閲覧。
外部リンク
[編集]- 劉培森建築師事務所
- 劉培森建築師事務所 Ricky Liu & Associates Architects+Planners (劉培森建築師事務所-Ricky-Liu-Associates-ArchitectsPlanners-256464861172554) - Facebook