北光社 (書店)
本店店頭(2010年1月2日) | |
種類 | 株式会社 |
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市場情報 | 非上場 |
本社所在地 |
951-8063 新潟県新潟市中央区古町通六番町991番地 |
設立 | 1820年 |
事業内容 | 書籍・雑誌小売 |
代表者 | 代表取締役 斎藤幸成 |
特記事項:2010年10月15日破産手続き開始決定 |
北光社(ほっこうしゃ)は、かつて新潟県新潟市中央区に本社を置き、書店を運営していた企業。
歴史
[編集]北光社
[編集]越後国北蒲原郡水原に、斎藤俊秀(堯山)により創業された[1]。正確な創業年代は不詳であるが、文政年間の中頃、1820年ごろのことであろうと伝わっている。当時の屋号は「紅屋潤身堂」であり、書籍だけではなく、化粧品や医薬品なども取り扱っていた[2]。頼山陽の邸宅で初代が客死したのち[1]、1854年(嘉永7年)に2代忠敬が後を継いだ[2]。
1898年(明治31年)、3代吉次郎の時代に、店舗を新潟市の古町に移転した。このとき、「北方文化の光たれ」という願いを込め、屋号を「北光社」に改称した。1908年(明治41年)の新潟大火により店舗を焼失し、7番町から6番町へと移設した[2]。4代忠太郎は、学校町通2番町に支店をかまえた[3]。1950年(昭和25年)に法人化した。1955年(昭和30年)にも大火があり、店舗を焼失した[2]。1958年(昭和33年)に5代敬治が後を継いだ[2]。1960年代以降、新潟駅前や、新潟市の寺尾、青山などにも支店を設け、規模を拡大させていった[4]。1975年(昭和50年)、万代シテイに紀伊國屋書店が進出したことに対抗し[4][5]、店舗を増床するも、売上は伸びず、人件費の増大にともない、累積赤字に陥った[4]。
6代目の幸成は、パソコンを活用した学習教室や[6]、法人向けの人材育成事業などをはじめた[7]。また、6店あった店舗を本店のみに縮小し、本店面積も縮小することで、コスト削減をはかったものの、売上は減少の一途をたどった。2007年(平成19年)には新潟駅南口にジュンク堂書店が新たに開業したほか、百貨店の大和が撤退するなど、古町自体の地盤沈下も進んだ[4]。また、オンライン書店の隆盛などにより、1975年時の増床の負債を解消する目処が立たず、2009年(平成21年)に閉店が決定した[8]。2010年(平成22年)1月31日に閉店し、190年の歴史に幕を下ろした[9]。
北書店
[編集]2010年(平成22年)4月12日には、最後の店長を務めた佐藤雄一が独立し、新潟市役所前に北書店を開業した[10][11]。開業にあたっては、北光社本店に残った本や書棚をそのまま引き継いだ。佐藤は2022年(令和4年)3月、トークイベント出演中に脳出血で倒れた。北書店は友人の助けにより、週2日の営業を続けていたものの[11]、退院後、佐藤の左半身に麻痺が残ったこともあり、今の規模では店を続けられないとの判断から、8月6日に閉店した[10]。しかし、12月には、中央区下大川前通に店舗を移し、店舗の規模を縮小するかたちで再オープンした[11]。
脚注
[編集]- ^ a b 毎日新聞社新潟支局 編『新潟の明治百年』新潟県広報協議会、1968年、250頁。doi:10.11501/3449099。
- ^ a b c d e 新潟日報事業社 編『新潟ののれん』新潟日報事業社、1974年、291-298頁。
- ^ 新聞之新聞社 編『出版人名鑑』新聞之新聞社、1932年、115頁。
- ^ a b c d 「新潟・古町に衝撃、また 老舗書店閉店へ 1820年創業の「北光社」 /新潟県」『朝日新聞』2009年12月21日、新潟全県・1地方。
- ^ 「殿様商売に突然“乱世”――新潟の要所に紀伊国屋進出、地元書店は売り場拡大で対抗」『日経流通新聞』1975年6月5日。
- ^ 「書籍販売の北光社、パソコン利用の学習教室――新潟市内に開設」『日本経済新聞』1997年9月3日。
- ^ 「北光社・都市トータルデザイン、企画・デザイン、企業の人材育成」『日本経済新聞』1997年10月10日。
- ^ 「開業189年の書店「北光社」閉店へ 新潟市中心街の空洞化に拍車=新潟」『毎日新聞』2009年12月21日。
- ^ 「さよなら、私の「本屋さん」 愛され190年、幕おろす 新潟・北光社 /新潟県」『朝日新聞』2010年2月1日。
- ^ a b “本を愛する人たちが集まる「北書店」12年の歴史に幕 多様なイベントで人をつなぎ…終わらない魅力【新潟発】|FNNプライムオンライン”. FNNプライムオンライン (2022年9月12日). 2024年6月25日閲覧。
- ^ a b c 日経BOOKプラス (2023年6月30日). “店長入院、閉店、復活。新潟市の北書店に何が起きていたのか”. 日経BOOKプラス. 2024年6月25日閲覧。