北川露頭
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北川露頭(きたがわろとう)は、長野県下伊那郡大鹿村鹿塩、鹿塩川左岸[3]にある中央構造線の露頭。南にある安康露頭と合わせて「日本の地質百選」・「国の天然記念物」[4]である。
特徴
[編集]中央構造線は、西側に白亜紀に低圧高温型変成作用を受けた領家帯の変成岩や花崗岩、東側にジュラ紀の付加体が白亜紀に高圧低温変成作用を受けた三波川帯の変成岩が接する断層であるが、北川露頭ではその定義通りの姿を観察できる[5][6][7][8]。
露頭に向かって右側(東側)の黒っぽい岩石が三波川帯の岩石、左側(西側)の薄い白っぽい岩石が領家帯の岩石である。断層の動きで破砕変質した部分のうち領家帯の白っぽい部分は、約1200万年前に熱水による変質を受けた部分。これは少し北の中央構造線上にある溝口露頭に珪長質岩脈が貫入した時期に相当し、この時期に中央構造線に沿って大きな変化があったと推定される[8]。
この露頭の「剥ぎ取り標本」が露頭近くの大鹿村中央構造線博物館に展示されており[2]、また同館ではウェブサイト上にて、北川露頭を含む中央構造線に関する情報を公開している[1]。
脚注
[編集]- ^ a b “中央構造線北川露頭”. 大鹿村中央構造線博物館 (2013年6月22日). 2016年5月15日閲覧。
- ^ a b “北川露頭はぎとり標本”. 大鹿村中央構造線博物館. 2016年5月15日閲覧。
- ^ 「伊那地域の中央構造線」『日本の地質構造100選』pp.16-17
- ^ “長野県 国指定等文化財 09 天然記念物”. 長野県教育委員会 (2016年4月26日). 2016年5月15日閲覧。
- ^ 「日本地方地質誌 4 中部地方」p.230
- ^ 「日本地方地質誌 4 中部地方」p.242
- ^ 『ジオパークを楽しむ本 日本列島ジオサイト地質百選』pp.34-35
- ^ a b 「日本地方地質誌 4 中部地方」pp.430-431
参考文献
[編集]- 日本地質学会構造地質部会『日本の地質構造100選』朝倉書店、2012年。ISBN 4254162731
- 日本地質学会「日本地方地質誌 4 中部地方」朝倉書店、2006年。ISBN 4254167849
- 全国地質調査業協会連合会・地質情報整備活用機構・ジオ多様性研究会編集『ジオパークを楽しむ本 日本列島ジオサイト地質百選』オーム社、2013年。ISBN 4274214540
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 国指定文化財等データベース 大鹿村の中央構造線(北川露頭・安康露頭)
- 文化遺産オンライン 大鹿村の中央構造線(北川露頭・安康露頭)
- 信州の文化財 大鹿村の中央構造線北川露頭・安康露頭
- 南アルプス(中央構造線エリア)ジオパーク 北川露頭
- 人と暮らしの伊那谷遺産プロジェクト 北川露頭
- 大鹿村中央構造線博物館
座標: 北緯35度40分36.5秒 東経138度03分50.5秒 / 北緯35.676806度 東経138.064028度