十誡 (映画)
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十誡 | |
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The Ten Commandments | |
監督 | セシル・B・デミル |
脚本 | ジャニー・マクファーソン |
製作 | セシル・B・デミル |
出演者 |
セオドア・ロバーツ シャルル・ド・ローシュ エステル・テイラー ニタ・ナルディ |
音楽 | ヒューゴ・リーゼンフェルド |
撮影 |
ペパーレル・マーレー ジェー・S・ウェスターバーグ アーチー・スタウト |
編集 | アン・ボーチェンズ |
配給 | パラマウント映画 |
公開 |
1923年11月23日 1925年2月6日 |
上映時間 | 136分 |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
製作費 | 180万ドル(当時) |
興行収入 | 800万ドル(当時) |
『十誡』(じっかい、The Ten Commandments)は、1923年製作のアメリカ合衆国の映画。監督はセシル・B・デミル。
映画は2部構成となっており、第1部で旧約聖書の物語を、第2部は現代の物語を描く。それまできわどい男女関係を描いた豪華な社交界劇でヒットを続けていたデミルは、その作品が良俗に反するという批判的な世論が高まると見るや、180度転回してこの作品を作り、一転豪華スペクタクルの巨匠としての歩みを始めることになった。
デミルは、1956年にこの映画の第1部をリメイクしている。チャールトン・ヘストンがモーゼを演じた『十戒』である。
ストーリー
[編集]第1部はモーゼがイスラエルの民を連れてエジプトを脱出、シナイ山で十戒を受けるというキリスト教圏では馴染みのあるお話である。モーゼを演じたのはセオドア・ロバーツ。彼の留守中に偶像を崇拝、歓楽に溺れる町を滅ぼす原因となる妹・ミリアムをエステラ・テイラーが演じている。
第2部の現代篇はこの旧約聖書の物語を母親が2人の息子に読んで聞かせた、という形で始まり、真面目人間に成長した兄(リチャード・ディックス)に対し、金儲けのためには不正も辞さぬ弟(ロッド・ラ・ロック)は妻(リートリス・ジョイ)がいるにもかかわらず愛人(ニタ・ナルディ)に溺れ、建築工事で不正を行い、現場を訪れた母が崩れた壁に巻き込まれ死んでしまう。更に不正もばれたので、愛人に金の無心に行くが冷酷にはねつけられる。更に彼女に病気を感染させられたと知り射殺、モーターボートで逃亡する途中、嵐に遭って最期を遂げる。
エピソード
[編集]- 特にモーゼ一行がエジプトを脱出して紅海に達すると、海面が2つに分かれて彼らを通らせ、追ってきたエジプト軍が渡ろうとすると海面が元に戻り全軍を溺れさせるシーンは黒白版から色彩版に変わるのは2色式テクニカラーの最初の使用例の1つである。
- 古代篇のエキストラは3千人と数千頭の家畜を動員して撮影した。
- 紅海が2つに割れるシーンは、2つにわけた青いゼラチンを熱して溶け始めたところを撮影した。それを逆回しにして、集団を合成したものである。
- エジプト脱出のシーンで一人乗り2輪馬車の転倒は実際に起こった事故で、予定していなかったものである。約60人の負傷者が出たが、傷に包帯を巻いて撮影に臨んだ。
- プロローグのエジプトのシーンは、本物で非常に巨大な建造物を造っている。D・W・グリフィスの『イントレランス』より実際にも壮大なセットで、よく比較される。
- 史上初めて斜めパンという技術を用いた作品であり、右手でクランク、左手でパニング、三脚の一本に脚をかけてカメラを持ち上げたのは撮影助手を務めたヘンリー小谷という[1]。
出典
[編集]- ^ 『大林宣彦の映画談議大全《転校生》読本 ジョン・ウェインも、阪東妻三郎も、… 1980-2008 a movie』角川グループパブリッシング、2008年、329頁。ISBN 978-4-04-621169-9。
関連事項
[編集]- 十戒 (映画) (1956年)