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単名数・複名数

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

単名数・複名数(たんめいすう・ふくめいすう simple concrete number、compound number)とは、数値の2種の表し方についての用語である。

単位を使ってある数値を表す場合、170センチメートル(170 cm)、1.6リットル(1.6 L)のように1つの単位のみで表したものを単名数(たんめいすう)という。それに対して、1メートル70センチメートル(1 m 70 cm)(口頭では「1メートル70センチ」と言うことが多い。)、1リットル6デシリットル(1 L 6 dL)のように2つ以上の単位を使って表したものを複名数(ふくめいすう)または諸等数(しょとうすう)という。

メートル法・国際単位系(SI)

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メートル法では小数を用いて単名数で表すことが多い。 SI文書においては、「いかなる表現においても、一つの表現の中で使う単位は一つである。」と、「l = 10.234 mであり、l = 10 m 23.4 cmではない。」を例示して、複名数ではなく単名数を使用することを規定している[1]

例外

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国際単位系(SI)の規定でも、例外として、次の2つの場合には、複名数で記述することを許容している[1]

  • 時間を非SI単位である時・分を用いて表す場合

 例: 3時間46分25秒(3 h 46 min 25 s) = SI単位では、13 585秒(13 585 s)

  • 角度を非SI単位である度・分・秒を用いて表す場合

 例: 136度26分54秒(136°26′54″) = SI単位では、約2.381 473 ラジアン(約2.381 473 rad)

特に、航海学、地図作成、天文学、そして微小角度の測定などの分野では、上記の複名数による表記が普通である。

伝統的な単位系

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メートル法以外の伝統的な単位系においては、倍量単位・分量単位には基本単位とは異なる単位名が用いられるので、例えば125分、5フィート10インチのように複名数が使われることが多い。

初等教育など

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初等教育の現場では、小数を学習する前の段階(小学校2年までの段階)では複名数を用いて教えている[2]。また、時間については1.75時間ではなく「1時間45分」のように複名数を用いるのが普通であるし、14ミリメートルのことを「1センチ4ミリ」のように言うことは大人でもよくある。身長を言うときには、1.65 メートルというよりも、1メートル65センチ(メートル)と言うのがむしろ普通である。

単名数は数値を簡単に表せ、計算しやすい(複名数では換算をする必要がある)のに対し、複名数はその値を具体的に理解しやすいという特性がある。

外部リンク

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脚注

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注釈

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出典

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  1. ^ a b 国際単位系(SI)第9版(2019)日本語版 5.4.3 量の値の形式、p.118、 産業技術総合研究所、計量標準総合センター、2020年4月
  2. ^ 単名数・複名数 算数用語集、新興出版社啓林館。なお、この解説では、数値と単位の間に空白を置くというSI国際文書の規定は守られていない。